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中途採用の予算、去年ちゃんと使い切れましたか?
BLOG EDITION
中途採用の求人広告費、
「使い切れていない」問題を考える
マイナビ 中途採用状況調査2026のデータから
予算と実績のギャップを読み解きます
「中途採用の予算、去年ちゃんと使い切れましたか?」
こう聞かれて、「はい」と即答できる方はどのくらいいるでしょうか。マイナビ 中途採用状況調査2026のデータを見ると、実は多くの企業で「予算は確保したのに、使いこなせていない」という状況が浮かび上がってきます。特に目立つのが求人広告費のギャップ。予算206万円に対して、実績は125万円。約80万円が未消化のまま残っています。今回はこのデータを読み解きながら、「なぜ使い切れないのか」「それが採用にどう影響しているのか」を一緒に考えてみたいと思います。
データ1:チャネル別にみる予算と実績のギャップ
まずは全体像です。中途採用費用の総額は、予算696万円に対して実績609.9万円。約86万円が使われずに残っています。ただし、チャネルごとに見ると、その内訳にかなりの偏りがあります。
チャネル別:予算と実績の差額(万円)
▲80.9万円 未消化
▲50.0万円 未消化
▲16.0万円 未消化
▲12.7万円 未消化
▼17.5万円 超過
出典:マイナビ 中途採用状況調査2026(数値回答)
求人広告の80.9万円が突出しています。予算の約4割が使われていない計算です。ダイレクトリクルーティングも50万円の未消化。一方で、人材紹介はほぼ予算通りに使い切っており、「その他経費(HP制作等)」に至っては予算を超過しています。
ここがポイント
この数字は「サービス利用者」だけでなく全回答者を含む平均値のため、そのチャネルを使っていない企業(=0円)も含まれています。つまり、実際に求人広告を使っている企業はもっと投資している可能性が高いです。それでも予算と実績の差がこれだけ開くということは、「予算を取ったけど結局うまく使えなかった」企業が相当数いることを示唆しています。
データ2:媒体選びの決め手は「価格」が最多
では、なぜ求人広告費が使い切れないのか。そのヒントが、転職サイトの選び方のデータに見えてきます。
転職サイトの出稿媒体を選ぶ決め手(上位4位まで合計)
45.9%(1位)
41.4%
37.0%
34.3%
31.6%
出典:マイナビ 中途採用状況調査2026 Q36
1位は「価格・費用」(45.9%)。「採用実績」(41.4%)を上回っています。つまり、「この媒体で採れるか」よりも「いくらかかるか」が決め手になっている企業が多い。
もちろんコスト意識は大切です。ただ、「安さで選ぶ → 思ったほど応募が来ない → 追加出稿に踏み切れない → 予算が余る」というサイクルに陥っている可能性は気になるところです。
データ3:1人あたりの採用広告費は職種で最大4倍の差
もうひとつ面白いデータがあります。転職サイトの1人あたり採用広告費を職種別に見ると、その差は歴然です。
1人あたりの転職サイト求人広告費(2025年・職種別)
59.9万円
57.1万円
40.4万円
38.8万円
38.4万円
36.7万円
14.3万円
出典:マイナビ 中途採用状況調査2026 Q38
AI技術者の59.9万円と、美容・ブライダル系の14.3万円で約4.2倍の差があります。ITエンジニアも57.1万円と平均を大きく上回っています。
つまり、同じ「求人広告費」でも、採用したい職種によって必要な投資額がまったく違う。「平均はこのくらいだから」と一律で予算を組むと、難易度の高い職種で足りなくなり、そうでない職種で余るという構造が生まれやすくなります。
見えてきた「使い切れない」の構造
ここまでのデータを整理すると、ひとつのサイクルが浮かび上がってきます。
「使い切れない」のサイクル
STEP 1
媒体選びで「価格」を最優先にする
▼
STEP 2
安いプランで出稿 →反応が思ったほど来ない
▼
STEP 3
追加出稿に踏み切れず予算が余る
→ 求人広告 ▲80.9万円の未消化
▼
STEP 4
急場しのぎでHP制作やその他費用が膨らむ
→ その他経費 ▼17.5万円の超過
※ あくまでデータから読み取れる仮説です。企業によって事情はさまざまです。
求人広告の予算が未消化になる一方で、「その他経費(HP制作・改修費、面接会場費など)」は予算を超過している。計画的に広告を使い切れなかった分が、場当たり的なコストとして別の場所に出ている可能性があります。
Coachersの考察
Coachers 採用コンサルティング
HRブランディングの視点から
▶ 「安く済ませたい」と「ちゃんと採りたい」のあいだで
採用費用を抑えたいのは、どの企業も同じだと思います。限られた予算の中でやりくりするのは当然のこと。ただ、このデータを見ていて感じるのは、「安さで選んだ結果、お金が余っている」という少し皮肉な構造です。
媒体選びの決め手が「価格」最優先ということは、裏を返せば「この媒体で、うちが採りたい人に本当にリーチできるのか」という視点が二番手になっている可能性があります。結果として、安く出したけど反応が薄い → 追加投資に踏み切る判断材料もない → そのまま予算が残る、という流れは、採用支援の現場でもよく見かけます。
80.9万円の未消化を「節約できた」と見るか、「使いこなせなかった」と見るか。ここは意見が分かれるところかもしれません。ただ、本来その予算で出会えたはずの候補者がいたかもしれないと考えると、「使い残し」は「機会損失」と表裏一体ではないかと私たちは感じています。
▶ 採用ブランディング費の「もったいない」
もうひとつ注目しているのが、採用ブランディングの予算と実績の動きです。予算は前年から増えているのに、実績はむしろ減っている。「やりたいと思って予算を確保したけど、結局実行に移せなかった」企業が一定数いることがうかがえます。
一方で「その他経費(HP制作等)」は予算を超過している。これは推測ですが、ブランディングとして体系的にやるべきことが、場当たり的な採用サイトの修正や制作物に化けているケースが含まれているのではないかと感じます。
「採用HP作りたい」「社員インタビュー動画が欲しい」──こうしたニーズ自体はブランディングの一部です。でも、全体の設計なしに個別施策だけ進めると、「お金は使ったけど、何がどう良くなったかわからない」ということになりがちです。まず全体像を描いてから、打ち手を選ぶ。この順番を変えるだけで、同じ予算でも成果が変わってくると考えています。
※ 考察はCoachersの見解です。データ出典元の見解ではありません。
今日からできるアクション
❶ 去年の「予算 vs 実績」を出してみる
チャネルごとにいくら予算を取って、いくら使ったか。まずは数字を見える化するだけでも、「どこに偏りがあるか」が見えてきます。
❷ 「価格」以外の媒体選定基準を持つ
「うちが採りたい職種に強いか」「同業種の採用実績があるか」──価格と合わせて、この2軸を加えるだけで媒体選びの精度が上がります。
❸ 職種別の採用単価を把握しておく
ITエンジニアなら57万円、営業なら40万円──職種ごとの相場を知っておくと、「足りない」「余る」の原因が見えやすくなります。
❹ 広告の「中身」に投資する視点を持つ
同じ媒体・同じプランでも、原稿の質やビジュアル次第で反応は大きく変わります。「どこに出すか」だけでなく「何を出すか」も予算配分の対象です。
採用費用の使い方、一緒に見直しませんか?
「予算が余る」のは、一見するとポジティブなことに思えます。でも、採用において予算が余るということは、「出会えたはずの候補者に出会えていない」可能性でもあります。
逆に、「お金をかければいい」という話でもありません。大切なのは、自社にとってどのチャネルにいくら投資すべきかを、採りたい人材像から逆算して設計すること。その設計があると、予算の使い方に一本の筋が通ります。
「うちの採用費用、ちゃんと設計できてるかな?」──そう思った方は、まず全体像の確認から始めてみませんか。
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今回のテーマ「採用費用の設計」に関わるチェック項目も含まれています。
「予算は取ったけど、使いこなせていない」
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データ出典:マイナビ 中途採用状況調査2026/株式会社マイナビ
※ 考察部分はCoachersの見解であり、調査発行元の見解ではありません。
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