中途採用比率52.4%で新卒を逆転──「量より質」時代の採用ブランディング
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中途採用比率52.4%で新卒を逆転──「量より質」時代の採用ブランディング

Branding, 2026.04.13 By 中村 尚人

「中途採用、もう少し質を上げたいんだけど…」。最近、そんな声を聞く機会が増えた気がしています。帝国データバンクの最新調査によると、2026年度の正社員採用形態は「中途」が52.4%で「新卒」の36.9%を大きく上回りました。中途採用がいよいよ”メインストリーム”になりつつあるんですね。

一方で、マイナビの調査では採用目標人数が前年の28.7人から16.7人へと大きく絞り込まれ、それでも達成率は過去最高の92.9%を記録。採用要件に満たない人材は「採用しない」と答えた企業も62.1%に増えています。

どうやら採用市場は、「たくさん採る」から「本当に合う人を見極める」フェーズに入っているようです。この流れの中で、わたしたちが改めて考えたいのが「採用ブランディング」の役割です。

ARTICLE HIGHLIGHTS
01
中途採用比率が52.4%で新卒を逆転。中小企業ではその差がさらに顕著に
02
採用目標人数は約4割減。「量」から「質」への明確なシフトが起きている
03
「採らない勇気」が増加。要件未達は採用しない企業が62.1%
04
「質」で勝負する時代に必要なのは、採用ブランディングという土台づくり

数字で見る「中途シフト」の現在地

まずはデータを見てみましょう。帝国データバンクが全国約1万社に行った調査(2026年2月実施)と、マイナビが人事担当者1,500名に行った「中途採用状況調査2026年版」の数字を組み合わせると、今の市場の姿がかなりクリアに浮かび上がります。

KEY DATA
中途採用比率(2026年度)
52.4%
新卒36.9%を15.5pt上回る
採用目標達成率(2025年実績)
92.9%
過去最高・前年比+27.7pt
年間採用目標人数(平均)
16.7
前年28.7人から約4割減
2026年も中途採用に積極的
91.1%
うち経験者採用に積極的74.2%

目標人数が大きく下がっているのに達成率が過去最高──これは一見すると「採用が楽になった」ように見えるかもしれません。でも実際は、多くの企業が「採る人数を絞って、そのぶん質にこだわった」結果だと考えられています。

「量の不足」から「質の不足」へ──何が変わった?

このシフトの背景には、いくつかの構造的な変化があるようです。

まず、正社員の不足感そのものは前年よりやや落ち着いたものの、依然として4割超の企業が不足を感じています。ただ、その中身が「とにかく人が足りない」という量的な不足から、「求めるスキルや経験を持つ人が見つからない」という質的な不足へと変わりつつあるんですね。

IMPACT MAP ─ 採用の「質シフト」を読み解く
2026年も中途採用に積極的な企業91.1%
経験者採用に積極的な企業74.2%
要件未達なら「採用しない」企業62.1%
中途比率が新卒を上回る(中小企業)48.7% vs 30.7%

もうひとつ見逃せないのが、中堅社員の退職インパクトです。2025年に退職者が出た企業は49.3%。そのなかで経営や業務へのマイナス影響が最も大きかったのは「勤続5年以上の中堅社員」の退職で、68.8%の企業が影響を受けたと回答しています。

つまり、ようやく戦力になった人が辞めてしまう。その穴を埋めるために中途採用するけれど、同じことを繰り返さないよう「本当にマッチする人」を慎重に選びたい──そんな企業心理が、数字の裏側に透けて見えます。

中小企業こそ「中途採用の主戦場」にいる

帝国データバンクの調査をもう少し細かく見ると、企業規模による差がはっきり出ています。大企業では新卒72.7%・中途74.1%とほぼ拮抗しているのに対し、中小企業では新卒30.7%に対して中途48.7%。中途採用への依存度が圧倒的に高いんですね。

大企業のように新卒を大量に採って育てるリソースがない中小企業にとって、中途採用は経営の生命線。だからこそ、「この会社で働きたい」と思ってもらえるかどうかが、採用の成否を分けることになります。

STAGE FLOW ─ 中途人材の意思決定プロセス
STAGE 1求人情報を見つける
STAGE 2企業名で検索・SNS・口コミを確認
STAGE 3採用サイト・社員インタビューを読む
STAGE 4「自分に合いそうか」をイメージする
STAGE 5応募を決断する

中途の転職者は、新卒の就活生以上に「情報収集」を丁寧に行う傾向があります。求人票を見た後、必ずと言っていいほど企業名で検索し、採用サイトや口コミサイト、SNSをチェックしてから応募を判断します。このプロセスのどこかで「ピンとこない」と感じたら、応募ボタンは押されません。

求人広告の中身だけでなく、採用サイト、社員紹介コンテンツ、会社の発信全体が一貫したメッセージを伝えているかどうか。ここが「質の高い応募」を集められるかどうかの分岐点になってきているように感じます。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

今回のデータで特に印象的だったのは、「採用目標人数を減らしても達成率が上がった」という事実。これは裏を返せば、「誰でもいいから来てほしい」ではもう採用が成り立たないということでもあると思います。企業も求職者も、お互いに「本当に合うかどうか」を見定めようとしている。

わたしたちがHRブランディングと呼んでいるのは、まさにこの「合う人に、合う理由で、選んでもらう」ための取り組みです。求人広告ひとつとっても、スペック情報の羅列ではなく「この会社で働くとどんな毎日になるか」が伝わる表現にする。採用サイトも、見た目のきれいさだけでなく、実際の社風や価値観が正直に伝わるものにする。そうした一つひとつの積み重ねが、「質」で選ばれる採用につながっていくのではないかと感じています。

もちろん、すべてを一度に変える必要はありません。まずは今の自社の採用コミュニケーションを棚卸しするところから、一緒に考えてみませんか。

「質の時代」にフィットする採用を始めるには

大がかりなプロジェクトを立ち上げなくても、できることはたくさんあります。以下の4つのステップを、できそうなところから試してみてください。

ACTIONS
STEP 01
「誰に来てほしいか」を言語化する
スキルだけでなく、価値観やワークスタイルも含めて「理想の仲間像」を具体的に描いてみましょう。チーム内で認識がずれていることも多いので、すり合わせの場を設けるだけでも効果的です。
STEP 02
自社名で検索してみる
求職者の気持ちになって、自社名をGoogle検索してみてください。採用サイト、口コミ、SNS…候補者が見る情報は一貫したメッセージを発信できていますか?意外なギャップが見つかるかもしれません。
STEP 03
求人票を「読み物」として見直す
条件の羅列になっていないか、チェックしてみましょう。「入社したらどんな仕事をして、どんなチームと働くのか」が3分で伝わる構成になっていると、応募の質がぐっと変わります。
STEP 04
社員の声をコンテンツにする
大げさな動画でなくても、社員インタビューをテキストで載せるだけでも十分。「なぜこの会社を選んだか」「実際の1日の流れ」など、リアルな声が候補者の背中を押してくれます。

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