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「採用より、定着」84.8%が到来を予想するビッグステイ時代の可能性
「今、いちばん重視している人材課題は?」と聞かれたら、ご担当者さまは何と答えますか。
マイナビが2026年4月14日に発表した最新レポート(人事担当者1,500名回答)によると、「人材の定着」と答えた企業が50.9%。一方で「新規人材の確保」は25.8%でした。定着が、採用の約2倍という結果です。
背景にあるのは、日本版「ビッグステイ」── 同じ会社に居続けるほうが得、という新しい構造への期待です。ただ、これはあくまで企業側の見立てでもあって、従業員側がそう感じているかはまだ別の話。その「ズレ」を含めて一緒に読み解いてみたいと思います。
数字で見る、企業の関心の変化
「採用難が続くなかで、やっと入ってきてくれた人をどう定着させるか」── ご担当者さまの頭のなかにも、同じような問いがあるのではないでしょうか。確保と定着、どちらも大事ですが、この25ポイント以上の差は、採用戦略そのものの重心が動きつつあることを示しているように感じています。
もうひとつ注目したいのが、回答企業の84.8%がビッグステイの到来を予想していて、そのうち52.0%が「3年以内」と見ていること。賃上げを実施している企業ほど、その到来感は強くなっていました(88.3%)。一方で同じ調査では、2026年に中途採用へ積極的な企業が91.1%にのぼるというデータもあります。「辞められたくない、でも採りたい」── 数字を並べると、企業側の願いと現実が少しねじれている様子も見えてきます。
世代別に見える、賃上げの「水準差」
賃上げそのものは全世代でほぼ8割と広がっている一方で、「どの世代に、どれくらい厚く」の差が生まれはじめています。20代は大きく、40〜50代はそこまでは伸びない── ここに、若手の引き留めを意識した戦略が透けて見える気がしています。
さらに、教育投資に動く企業も83.5%に増え、一社あたりの平均額は208.6万円(前年比 +43.6万円)に。「入ってもらったら、育てて、残ってもらう」── この流れがデータに表れているように感じます。ただ、賃上げと教育投資だけで人が残るほど定着は単純ではないですよね。「自分はここで何を積み上げているのか」が実感できる物語まで届いて、はじめて”留まる理由”になっていくのかもしれません。
採用担当の仕事、その重心はどこに?
採用担当の役割が、「入口を開ける人」から「入口から定着までを見通す人」へと、少しずつ広がってきている── そんな実感をお持ちの方も多いのではないでしょうか。わたしたちCoachersも「求人広告のその先まで一緒に考える」姿勢を大事にしています。
ビッグステイって、そもそも何?
ビッグステイは、採用担当にとって脅威というより、「自社の定着力と採用メッセージを、一度点検してみる機会」として受け取れる気がします。外から来てくれる人にも、中にいてくれる人にも、同じ物語で語れているかどうか。ここが問われてきそうです。
今回のデータは、あくまで人事担当者1,500名の「見立て」を集めたものです。「定着重視50.9%」「ビッグステイ到来予想84.8%」は事実として重いのですが、同時に“離職を止めたい企業側の願い”が少し混ざった予測でもあるように感じています。一方で、賃上げ実施率8割超、教育投資の平均208.6万円という数字は、”願い”ではなく実際にお金が動いた証。期待と実弾が同時進行しているのが、いまの雇用市場の実像に近いのかもしれません。
気をつけたいのは、賃上げと研修だけで人が留まるほど、定着はシンプルではないということ。従業員が本当に残る理由は、ほとんどの場合「この仕事で何を積み上げているか」が自分の言葉で語れるかどうかだと感じています。そこを採用段階から一緒に言語化していくのが、HRブランディングの役割だと考えています。
「ビッグステイが来る前提」で採用をスリム化するのは、少し早いかもしれません。むしろ、自社の離職理由・定着要因を自分たちのデータで押さえ直すことが、この調査結果との健全な向き合い方だと思っています。企業側の希望的観測に飲み込まれず、地に足のついた判断材料を一緒に揃えていけたら嬉しいです。
今日からできる、4つの小さな準備
- 株式会社マイナビ「企業の雇用施策に関するレポート2026年版(2025年実績)」(2026年4月14日発表) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002393.000002955.html
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