「管理職=罰ゲーム」と感じる56.7%。採用で見直したい新しい視点
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「管理職=罰ゲーム」と感じる56.7%。採用で見直したい新しい視点

Branding, 2026.04.23 By 中村 尚人

「次の管理職候補、そろそろ本人に声をかけてみようか」──そう話し合いながら、ふと”受けてくれるだろうか”と迷う瞬間はありませんか。

パーソル総合研究所は、2025〜2026年の人事トレンドワードの一つに「管理職の罰ゲーム化」を選出しました。別の調査では、管理職を「罰ゲーム化している」と感じる層が56.7%にのぼるという数字も出てきています。

この変化は、社内の昇進・配置だけでなく、中途採用の入口──つまり「管理職ポジションをどう伝えるか」にも直結するテーマかもしれません。今日は、忙しい採用担当の皆さんと一緒に、少しだけ立ち止まって考えてみたいと思います。

いま起きている「管理職離れ」の輪郭

KEY METRIC
56.7%
罰ゲーム実感
「管理職=罰ゲーム」と感じる層
エフアンドエムネットが300名を対象に実施した調査結果。半数超が実感しているという数字です。パーソル総合研究所も2025〜2026年の人事トレンドワードに「管理職の罰ゲーム化」を選定しており、社内の昇進だけでなく、中途採用のマネジメント職訴求にも影響を及ぼし始めています。

エフアンドエムネットが300名を対象に実施した調査では、「管理職が”罰ゲーム化”していると感じる」と答えた層が56.7%。昇進忌避や”静かなる退職”と連鎖する現象として報告されています。さらにパーソル総合研究所は、2025〜2026年の人事トレンドワードとして「管理職の罰ゲーム化」を選定し、”責任は重いが権限と裁量は限られている”という構造問題に光を当てています。

この数字は、社内の昇進だけの話ではなさそうです。中途採用でマネジメントポジションを募集しても、「手を挙げてくれる人が思ったより少ない」「年収を上げても応募が増えない」といった声が、わたしたちCoachersの相談現場でも少しずつ増えてきている気がしています。

昔の管理職、いまの管理職──立ち位置はどう変わったか

COMPARISON
BEFORE
かつての管理職像
昇進はキャリアのゴール。部門を代表し、裁量で意思決定できる立場。給与と権威が役割とセットになっていて、「目指したくなる場所」だった。
AFTER
いまの管理職像
プレイングマネージャーが主流。現場業務+マネジメント+DX推進+コンプラ対応まで。権限は限定的、説明責任は増大し、報酬は役割ほどには上がらないケースも。

整理すると、役割は足し算的に増えている一方、権限や報酬の伸びは追いついていない──という構造が浮かび上がります。「昇進=ごほうび」だった頃と比べて、いまの管理職は“おまけのタスクが山積みになった立場”と感じる人が増えても、不思議ではないかもしれません。

この変化は、社内にいる候補者本人だけでなく、外から応募してくださる転職者の目にも同じように映っています。同じ「マネージャー職」というラベルでも、権限・裁量・役割の中身は企業ごとにかなり違うはずで、そこが伝わらないまま募集文だけが流通している状態は、もったいないと感じています。

“罰ゲーム感”はどこから生まれるか──権限×責任で見る4象限

MATRIX
権限 低 × 責任 低
現場メンバー層
業務への集中がしやすい。やりがい設計や成長実感の見せ方が主な論点。
権限 低 × 責任 高
罰ゲームゾーン(いまの中間管理職)
責任が積み上がる一方、裁量は限定。昇進・採用いずれでも”避けたい”と映りやすい象限。
権限 高 × 責任 低
該当は少ないゾーン
理論上は存在するが実務ではレア。役割設計の見直し時に意図的に作るケースも。
権限 高 × 責任 高
経営層・執行役員層
責任は重いが、裁量も大きいのでバランスが取れる。報酬も役割に紐づきやすい。

もし募集中のマネージャー職が「権限 低 × 責任 高」の象限に寄ってしまっているとしたら、候補者の目線では“引き受けるメリットが見えにくいポジション”に映ってしまうかもしれません。逆に、限定的でも良いので”どこまでは自分で決めていい”を言葉にできると、同じ役職でも受け取られ方がずいぶん変わる気がしています。

Coachersが求人原稿や採用サイトを一緒に設計するとき、意外と時間をかけるのがこの「裁量ラインの明文化」パートです。書き手の社内では当たり前すぎて省略されがちな部分ほど、候補者の不安を解く鍵になっている印象があります。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

「管理職のポジションを募集しているのに、応募が伸びない」というご相談を、わたしたちCoachersもよくお伺いします。年収を少し上げても、タイトルを魅力的に言い換えても、反応が変わらない──そんな時、候補者は”役職名”ではなく”役職の中身”を見ているのかもしれない、と感じることがあります。

HRブランディングの観点で言えば、管理職ポジションこそ「責任の重さ」だけでなく「任せる範囲」と「その先にあるやりがい」を言語化する余地が大きい領域です。求人票・採用サイト・紹介資料のどこを見ても”マネジメント全般”としか書かれていないなら、一度ポジションの解像度を上げる機会かもしれません。

今日からできるアクション

ACTIONS
STEP 01
募集中の管理職ポジションを”象限”で棚卸し
権限と責任のバランスを2×2で描いてみる。偏りがあれば、まずそれが課題の地図に。
STEP 02
「裁量ライン」を3行で言語化
何を自分で決められ、何が相談案件か。曖昧さを減らすだけで求人票の説得力が変わります。
STEP 03
現職マネージャーのやりがいを”具体エピソード”で収集
抽象的な魅力ではなく、判断の場面・嬉しかった瞬間を1〜2件ずつ拾い、発信素材に。
STEP 04
面接で”裁量”を一緒に確認する時間をとる
候補者の希望と、実際に渡せる権限の照らし合わせを対話で。入社後のミスマッチ予防にも。
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