奨学金返済を会社が支援、副業も解禁。東京メトロに学ぶ「選ばれる会社」のつくり方
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奨学金返済を会社が支援、副業も解禁。東京メトロに学ぶ「選ばれる会社」のつくり方

Branding, 2026.04.27 By 中村 尚人

2026年4月、東京メトロが「選ばれる鉄道会社」を掲げて、奨学金返済支援や社外副業制度の導入など、人事制度を大幅に拡充すると発表しました。

大企業の話だから、自社には関係ない──そう思った方もいらっしゃるかもしれません。けれど、わたしたちCoachersは「選ばれる側」という言葉づかいに、いま多くの企業が直面している採用の本質が表れている気がしています。

候補者から見たときに「ここで働きたい」と思ってもらえる会社をどうつくるか。今日は、東京メトロの一手から中小企業でも応用できそうな視点を、一緒にひもといてみたいと思います。

「選ばれる側」という言葉に込められた覚悟

“選ばれる鉄道会社”を目指し、人財獲得やライフステージに対応する多様な働き方の構築、社員の意欲・能力を引き出す成長機会の創出を推進する。
— 東京メトロ 2026年度人事制度拡充プレスリリースより

「選ばれる」という言葉が公式に出てきていることに、注目したいと思います。これまで多くの企業は、無意識のうちに「選ぶ側」として採用を捉えてきました。応募者を見極める、合否を決める、内定を出してあげる──そんな主語の置き方です。

けれど、いまの求職者は転職口コミサイトや採用動画、現場社員のSNSまで含めて、企業のことを多面的にリサーチしています。情報の非対称性は、すでにかなり崩れていると感じています。「選ぶ側」の発想のままだと、気づかないうちに候補者から見送られているかもしれません。

想定される、揺れている候補者像

PERSONA
M
Mさん(28歳・技術系/勤続5年)
第二新卒〜中堅にさしかかる、転職検討層
奨学金の残債が約200万円。今の会社にも不満はないが、「副業で別の領域も学んでみたい」「もう少し腰を据えてキャリアを描きたい」と感じている。求人情報よりも、口コミサイトの「働きがい」「制度の使いやすさ」のほうを念入りに読み込んでいる。給与の絶対額より、“自分の人生にどれだけ寄り添ってくれる会社か”を見ている。

奨学金返済支援や社外副業の解禁は、こうした候補者の「揺れ」に直接刺さる施策です。給与表だけを書き換えるのではなく、「あなたの人生のここに困っているはず」という前提を会社側が言語化しているところに、設計思想の違いを感じます。

そしてこれは、規模の大小を問わず応用できる視点だと思います。自社のメイン候補者像が日常で何にやりくりしているか──奨学金、家族との時間、学び直し、副収入──を解像度高く想像することから、制度設計や訴求ポイントは見えてくるのかもしれません。

「選ばれる側」を巡る、よくある誤解

MYTH vs FACT
MYTH
大企業や知名度のある会社は、何もしなくても候補者から「選ばれる側」だ。
FACT
東京メトロほどの企業ですら、自ら「選ばれる側」を宣言して制度刷新に踏み込んでいます。知名度=採用力ではなく、知名度がある企業ほど、本気度が見えやすい施策で意思を示している印象があります。
MYTH
中小企業には、奨学金支援や副業解禁のような制度を真似できる体力はない。
FACT
真似るべきは制度そのものより、「候補者の人生の課題を起点に会社の在り方を見直す」という思考の順番です。副業解禁・学習支援・フレックスなど、低コストで踏み出せる選択肢も多くあります。
C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

わたしたちCoachersも、6人の小さなチームで日々動いている会社です。なので「制度を一気に拡充する」というニュースを見ると、正直「うちにそこまでの体力はないな」とまず思ってしまいます。

でも、東京メトロの今回の発表で大事だなと感じたのは、制度の規模よりも「選ばれる側として、何を約束するか」を言語化している点です。これは予算ではなく、姿勢の問題かもしれません。HRブランディングとは、自社が候補者と社員に対して何を約束するのかを、求人広告から採用サイト、面接の言葉づかいまで一気通貫で揃えていく営みだと、わたしたちは捉えています。

「自社の候補者像が、いま人生のどこで踏ん張っているか」を一緒に言語化することから始めてみませんか。そこが揃うと、求人原稿の一行も、面接での一問も、ぐっと候補者に届くようになる気がしています。

ACTIONS
STEP 01
「選ぶ側」の言葉を棚卸しする
求人原稿・面接フィードバック・社内資料に「見極める」「合否」「内定を出す」などの主語が多用されていないか確認してみます。
STEP 02
候補者の人生課題を3つ書き出す
メイン候補者層が、お金・時間・学び・家族のどこで踏ん張っているか。具体的に3つ挙げてみるところから始めてみませんか。
STEP 03
“小さな一歩”で約束を形にする
大規模な制度拡充ではなく、副業の届出ルール明文化、書籍購入支援など、低コストで踏み出せる施策から検討してみます。
STEP 04
求人と採用サイトの言葉を揃える
新しい約束を、求人原稿・採用サイト・面接の冒頭トークまで一気通貫で言葉を揃え、候補者から見ても一貫した会社にしていきます。
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採用活動チェックシート
5領域 × 25問で、採用の盲点を5分で可視化。中小企業の人事担当者向けに、設計/集客/サイト/選考/定着の5カテゴリでまとめた自己診断シートです。わかる質問はスキップOK。気軽にどうぞ。
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