求職者の82.8%が読む「採用ピッチ資料」、最も知りたいのは”解像度の上がる情報”
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求職者の82.8%が読む「採用ピッチ資料」、最も知りたいのは”解像度の上がる情報”

Branding, 2026.05.05 By 中村 尚人

「採用ピッチ資料」という言葉、最近よく聞くようになったな、と感じている方もいるかもしれません。でも、いざ作るとなると「何を書けばいいんだろう」「採用サイトとはどう違うんだろう」と止まってしまう──そんな声も、わたしたちCoachersにもよく届きます。

実は就職・転職活動の経験者のうち82.8%が、すでに採用ピッチ資料を見たことがあるという調査結果があります。もはや”特別なツール”ではなく、応募前のステップに組み込まれている存在になりつつあります。

今日は、求職者がピッチ資料に何を求めているのか、そしてわたしたちのような小さな会社でも今日から始められる作り方を、一緒に整理してみたいと思います。

求職者の82.8%が、もう「ピッチ資料」を見ている

KEY METRIC
82.8%
採用ピッチ閲覧経験
就職・転職活動の経験者ベース
マルゴト株式会社が転職経験者にたずねたところ、82.8%が「就職・転職活動で採用ピッチ資料を見たことがある」と回答。さらに見た人の100%が「企業理解が進んだ」、99.1%が「志望度にポジティブな変化があった」と答えています。

「採用ピッチ資料」とは、会社の事業内容・組織・働き方などを採用候補者向けにスライドでまとめた紹介資料のこと。Speaker DeckやNotionで公開している会社も増えてきましたよね。

数字を読むと、ピッチ資料は応募の”前段”で、応募するかどうかの判断材料として読まれていることがわかります。求人広告や採用サイトでは届かなかった情報を補う、もう一つの入口になっているのかもしれません。

求職者は「働く環境」と「業務内容」を強く読みたがっている

IMPACT MAP
働く環境36.0%
業務内容28.8%
事業内容15.3%
その他(待遇・選考プロセス等)19.9%

同じ調査の中で、ピッチ資料から「最も知りたい情報」を聞いた結果が上のグラフです。最も読まれているのは「働く環境」(36.0%)。次いで「業務内容」(28.8%)、「事業内容」(15.3%)と続きます。

ひとつ前置きとして、この調査は130名規模のインターネット調査で、母数はやや小さめです。実は「中途採用で何を重視するか」という他社調査では、「業務内容」がトップにくるケースも珍しくありません(マイナビ・doda・人事Proの過去調査などでも、業務内容や条件面が首位の年が多くあります)。なので「働く環境のほうが業務内容より重要」と一概に言い切れるデータではない、というのは前提として共有しておきたいところです。

それでも今回の数字を見て興味深いと感じたのは、“事業内容(15.3%)が3位以下に沈んでいる”という事実です。「業務内容トップ」の調査と並べて考えても、求職者の関心は「自分がそこで何をして、どう過ごすのか」という解像度の高い情報に集まっていて、会社全体としての事業説明はそのあと、という順序自体は重なっているように見えます。

「うちの会社は何をしていて、こんな実績があって、こんなビジョンを持っています」だけでは届かない時代──そんな気がしています。

採用ピッチ資料は、こう組み立てるとブレない

STAGE FLOW
STAGE 1表紙とサマリー(誰に向けた資料か)
STAGE 2働く環境(チーム・1日の流れ・制度)
STAGE 3業務内容(ミッション・具体的な仕事)
STAGE 4事業・組織・将来像
STAGE 5選考フローと”応募の入口”

採用ピッチ資料を作るとき、わたしたちCoachersでよくお勧めしているのは、最初に“順番”を決めることです。書きたいことから書き始めると、たいていは事業内容が冒頭にきて、働く環境がページの末尾に追いやられます。求職者の関心とは、ちょうど逆順になってしまうんですね。

先ほど触れたとおり「働く環境」と「業務内容」のどちらがトップかは調査によって揺れますが、両者ともに事業説明よりも先に置いた方が読者の関心に沿いやすいのは、各調査で共通しているように見えます。「業務内容」と「働く環境」を冒頭2〜3ページにセットで持ってきて、事業や会社全体の話は後ろに回す。それだけでも、最初のページで離脱される確率は下げられる気がしています。

そのうえで、各ページに”本音”を載せる。ピッチ資料の役割は会社のPRではなく、応募者の不安を解くこと。だから、いいことだけでなく、課題や直近で取り組んでいることもセットで書く方が、結果的に応募の質は上がっていく気がしています。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

HRブランディングの観点から見ると、採用ピッチ資料はとても面白いツールだと感じています。求人広告でも採用サイトでもなく、その間を埋める”中継地点”の役割を持っているからです。

求人広告は出会いの場、採用サイトは公式の窓口。一方でピッチ資料は、もう少し腹を割って自社を語る場所として機能します。だからこそ、ここに事業の体面ばかり並べてしまうと、読み手は「あれ、ここでも建前なのか」と感じてしまうのかもしれません。

ピッチ資料を作るプロセスは、社外への発信であると同時に“自分たちの言葉”を社内で揃え直す作業でもある気がしています。HRブランディングは、まずチーム内で同じ言葉を持つことから始まる──そう考えると、ピッチ資料を作る価値はもう一段大きく見えてくるのではないでしょうか。

ACTIONS
STEP 01
「業務内容」と「働く環境」を冒頭に置く
事業概要を冒頭に持ってきたくなる気持ちをこらえて、まずは「日々の仕事」と「チーム・働き方」のページを前半に。求職者の関心が高い情報の順序にそろえると、最初のページでの離脱を減らしやすくなります。
STEP 02
数字と固有名詞で”嘘のない”姿を見せる
「風通しが良い」よりも「全社会議は月1回・1時間・全員発言」のように具体に落とすと、入社後ギャップを下げる効果が出やすいと感じています。
STEP 03
完成前に社内で”声に出して”読み合う
作った人だけで完結させず、現場メンバーで30分の読み合わせ会を。「ここ、本当にそう?」という違和感が、伝わる資料の温度を決めます。
STEP 04
採用サイト・求人広告から導線を引く
作っただけでは見られません。求人広告のスカウト返信文や採用サイトのファーストビュー近くに「もっと深く知りたい方へ」の動線を一行入れるだけで、閲覧率は変わります。
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採用活動チェックシート
5領域×25問で、採用の盲点を5分で可視化。中小企業の人事担当者向けに、設計/集客/サイト/選考/定着の5カテゴリでまとめた自己診断シートです。「うちのピッチ資料、現場感は出ているかな?」という問いを考えるときの土台にも。気軽にどうぞ。
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