Z世代と上司の仕事観、24項目で「すれ違い」採用で伝えるべきこと
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Z世代と上司の仕事観、24項目で「すれ違い」採用で伝えるべきこと

Branding, 2026.05.12 By 中村 尚人

「最近の若手は何を考えているのかわからない」──採用や育成の現場で、こうした言葉を耳にする機会が増えた気がしています。

SHIBUYA109 lab.と金沢大学 金間研究室の共同調査では、Z世代と上司世代に同じ41項目を聞いたところ、24項目に明確なギャップが確認されました。なかでも目を引いたのは「出世よりライフスタイル優先で成長にも興味がない」と答えた若手の26.9%という数字です。

この数字を「やる気がない」と片づけてしまうと、採用メッセージの設計を一段ずつ間違えていく気がしています。今日は、わたしたちCoachersも含めて、何を伝えていけばよいのかを一緒に考えてみたいと思います。

41項目中24項目で「すれ違い」──Z世代と上司世代の仕事観

COMPARISON
上司世代(40代以上)
成長は競争・密接な関わりから
同僚や先輩への競争心が成長の燃料。ぶつかり合いながらでも仕事を進め、失敗もキャリアの一部と捉える傾向が見えました。
Z世代(20代)
調和と生活優先で着実に
「集団の一人でいたい」「最低限のコミュニケーションで進めたい」「失敗で迷惑をかけたくない」。競争より調和、出世よりライフスタイルが選ばれています。

調査では、若手世代が「集団の一人として見られたく、目立ったり一人で注目されることは避けたい」と答えた割合が28.4%、「必要最低限のコミュニケーションしか取りたくない」が24.1%という結果も出ています。これらは、上司世代と特にギャップが出やすい項目として挙げられています。

「やる気がない」のではなく、「成長に至るルートの好みが違う」という見方のほうが、現場の感覚に近いかもしれません。競争のなかで自分を磨くのか、安定したチームで着実に積み上げるのか──そのプロセスの好みが、世代でくっきり分かれているように見えます。

「成長より生活」26.9%、何を意味しているのか

KEY METRIC
26.9%
Z世代の声
「出世よりライフスタイル優先で、成長にも興味がない」
20代会社員457名のうち、約4人に1人がこの選択肢に同意。上司世代との差が特に大きく出た項目のひとつでした。

この26.9%という数字を「うちの若手は違うはず」と切り離すか、「採用市場の前提として読む」かで、その後の打ち手が分かれてきます。採用で出会う候補者の4人に1人が、出世や成長を強く動機にしていないかもしれない──そう仮定したとき、自社の採用メッセージはどう響くでしょうか。

「成長できる環境」「裁量が大きい」「上を目指せる」といった言葉だけで募集要項を組んでしまうと、共感してくれる候補者の母集団がそもそも狭くなっている可能性があります。逆に「安心して長く働ける」「無理せず続けられる」「役割が明確」といった軸での発信が、これまで届かなかった層に響くかもしれません。

採用ブランディングで「言葉」を整える

仕事観のギャップは、面接や育成の場面で語られがちですが、入り口の「採用メッセージ」段階ですでに始まっています。求人原稿、採用サイト、ピッチ資料、面接での説明──ここで使われる言葉のひとつひとつが、どの世代に届くかを左右しています。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

「Z世代は意欲がない」というラベリングは、採用設計の精度をかえって下げてしまうように感じています。実態は、優先順位と進み方の好みが世代で異なるだけで、貢献する力そのものを否定するものではないはずです。

採用の入口で「成長」「挑戦」「裁量」しか語っていないとしたら、そこに反応するのは限られた層になってきます。HRブランディングの出発点は、自社が誰にどんな働き方を提供できるのかを、過剰に盛らずに言語化することにあると考えています。役割の明確さ、安定して続けられる仕組み、上司との距離感──こうした要素を採用サイトや求人広告に落とすだけでも、届く層は大きく変わってきます。

わたしたちCoachersも小さなチームで日々試行錯誤しているところです。「自社らしい言葉」をひとつずつ磨いていく作業を、一緒に取り組んでみませんか。

ACTIONS
求人原稿の「動機ワード」を点検する
「成長」「挑戦」「裁量」だけで構成されていないかをチェック。「安心」「役割の明確さ」「無理なく続けられる」といった別軸の表現が併走しているかを見直してみると、母集団の幅が変わってきます。
「チームでの進め方」をコンテンツで見せる
採用サイトや社員紹介で、競争よりも「協働の進め方」を具体的に描写すると、調和を大切にする層にも響きやすくなります。1on1の運用や役割分担の話など、地味でも実態が伝わる内容を増やしてみると良いかもしれません。
面接で「上司世代の前提」を捨てる練習をする
「成長したいですよね?」と聞いてしまうと、候補者は本音を言いづらくなりがちです。「どんな働き方が続けやすいか」「何があると安心して長く働けそうか」のように、相手の言葉で語ってもらえる問いを準備してみませんか。
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