ブログ
初任給を引き上げた会社は75.6%、勢いは-7.6pt。中小企業の”次の打ち手”
「うちも新卒の初任給を上げないと、もう人が採れないですよね……」──そんな会話を、最近とくに耳にする気がしています。
労務行政研究所が2026年5月11日に発表した調査では、東証プライム上場205社のうち75.6%が「全学歴で初任給を引き上げ」。一見すると賃上げの大波は続いているように見えますが、前年の83.2%からは7.6ポイント下がっており、勢いは少し落ち着いた印象もあります。
今日は、この数字を中途採用担当者の視点で読み直しながら、「金額以外」で選ばれる会社になるための一歩を、わたしたちCoachersも一緒に考えてみたいと思います。
75.6%が初任給を引き上げ。ただし、上げ幅は緩やかに
調査対象は東証プライム上場の1,543社で、回答した205社の速報集計結果です。大卒だけで見ると85.6%の企業が引き上げを実施しており、上げ幅は平均16,754円。最多レンジは「10,000円〜12,000円」(20.7%)でした。
気になるのは、この調査が「プライム上場企業」を対象としている点です。中小企業や非上場企業まで含めれば、引き上げ実施率はさらに低くなる可能性があります。“上げた会社”と”上げきれない会社”の差が、確実に広がり始めているのかもしれません。
学歴別の金額と前年比──26万5,708円という新しい基準
大卒の初任給26万5,708円という金額は、ここ数年で耳慣れたラインになってきました。ですが採用担当者として気になるのは、「これが今いる中堅社員の給与とどう響き合うか」という点ではないでしょうか。
入社2〜3年目の社員と新卒の差がほとんどなくなる、いわゆる「給与逆転」は、中途採用にもじわじわ影響してきます。「もう一段、年収を上げないと採れない」と感じるシーンが増えているかもしれません。一方で、賃上げ”だけ”で勝負し続けるのは、体力的にも限界があります。
採用担当者が抱える、初任給アップ時代の素朴な疑問
この調査結果は、新卒採用の話のようでいて、実は中途採用や既存社員の処遇まで地続きでつながっています。「初任給を上げる/上げない」だけで判断するのではなく、自社の賃金構造・採用メッセージ・社員体験を、もう一度全体で見直すきっかけになる調査だと感じています。
今回の調査が示す75.6%という数字は、裏を返せば「4社に1社は全学歴では上げ切れていない」とも読めます。決して特殊な会社の話ではなく、多くの中小企業がそちら側にいるはずです。
そして賃上げ自体は素晴らしい打ち手ですが、それ単体だと「他社が同じ額に追随した瞬間、また下を見られる」構造になりやすい性質があります。だからこそ、わたしたちはHRブランディング──つまり、求人広告・採用サイト・動画・紹介資料を通じて、自社の働き方や人の魅力を一貫して伝え続けることに、もう一度光を当てていきたいと思っています。
「金額で並べない部分」を可視化する仕事は、地味ですが本当に効きます。初任給を上げるかどうかという議論と並行して、“うちの会社で働くって、こういうことです”を改めて言語化してみる。今日からできる最初の一歩は、案外そのあたりかもしれません。
- 一般財団法人 労務行政研究所「2026年度 新入社員の初任給調査」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000076110.html
- 『日本の人事部』「2026年度新入社員の初任給調査」 https://jinjibu.jp/news/detl/26351/
CONTACT
採用に関するご相談・お問い合わせはこちら
採用ブランディング、クリエイティブ制作、求人運用、RPOなど、
採用に関するあらゆるご相談を承ります。まずはお気軽にお問い合わせください。