「もう一度応募したい」が6割──内定辞退者を未来の中途候補に変える4ステップ
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「もう一度応募したい」が6割──内定辞退者を未来の中途候補に変える4ステップ

Branding, 2026.05.14 By 中村 尚人

「内定辞退」と聞くと、これまでは”終わった話”として整理してきた採用担当者も多いかもしれません。でも、ここ最近、少しずつ風向きが変わってきている気がしています。

マイナビキャリアリサーチLabの調査によると、新卒で内定辞退をした学生のうち、約6割が「転職ファストパス(内定辞退企業の再選考優遇)があれば利用したい」と回答しています。一度ご縁がなかった候補者を、数年後の中途採用候補としてもう一度迎える──そんな発想を実際に始めている企業も、上場企業を中心に増えているそうです。

わたしたちCoachersも、辞退や見送りを「終わり」と捉えるのではなく、未来の出会いの起点として残せないか、一緒に考えてみたいと思っています。

内定辞退した学生の約6割が「もう一度応募したい」

KEY METRIC
約6
が「利用したい」
内定辞退経験者の「転職ファストパス」利用意向
新卒で内定辞退をした学生のうち約6割が、辞退した企業からの「再選考優遇制度(転職ファストパス)」があれば利用したいと回答。内定辞退は、必ずしも企業への”NO”ではないことが浮かび上がっています。

マイナビの分析では、転職意向がある人のうち約3割(30.7%)が「もし再転職するなら、内定辞退した企業にもう一度応募したい先がある」とも答えています。辞退の理由は当時のタイミング・他社比較・家庭事情などさまざまで、企業への評価そのものが低いとは限らない、ということが見えてきます。

この流れを受けて、企業側でも「就職ファストパス」「選考ファストパス」と呼ばれる制度を導入する動きが広がってきました。マイナビの2026年卒新卒内定状況調査では、全体での実施率は5.2%と少数派ですが、上場企業に絞ると9.8%(前年比+9.3pt)と1割近くに増加。「実施を検討している」を含めると、上場企業の約2割が前向きな姿勢を見せています。

中小企業でも始められる、4つのステップ

STAGE FLOW
STAGE 1辞退時の対応を整える
STAGE 2候補者プールを社内に残す
STAGE 3数年後に近況をやさしく共有
STAGE 4中途選考を軽量化して迎える

いきなり「制度化」しなくても、まずは辞退者との“ご縁の続き方”を残す習慣からで十分かもしれません。辞退時に「またご縁があればぜひ」と一言添えること、評価メモと連絡可否を社内に残すこと、年に一度オウンドメディアやNote記事の更新をやさしく届けること──このあたりから始めている企業もあります。

特に、応募者数が限られる中小企業ほど、「一度はご縁がなかった候補者」は貴重な接点です。求人広告で新しい母集団を作るのと同じくらい、過去の出会いを未来につなぐ視点は採用ROIの観点でも見直す価値があるように感じています。

よくある懸念にお答えします

FAQ
Q
辞退した方に連絡したら、迷惑になりませんか?
A
辞退理由や時期で温度感は大きく違うので、辞退時のヒアリングで「将来のご連絡可否」を一度だけ確認しておくのが安心かもしれません。本人の意向に沿って残せるので、後の声かけも自然になります。
Q
中小企業でも導入できますか?
A
“制度化”までしなくても始められます。辞退者の連絡先と当時の評価メモを残し、節目で近況を共有する「ライトな同窓会型」からでも十分機能します。Coachersも、まずはオペレーションだけ整える方法をおすすめすることが多いです。
Q
中途採用の応募者にも応用できますか?
A
むしろ中途のほうが効果を感じやすい場面が多い気がしています。最終面接でお見送りした方や、内定辞退となった方を、1〜2年後のスカウト候補として残しておくだけでも、母集団形成の負荷はだいぶ違ってきます。
C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

内定辞退や面接後の見送りは、これまで採用の”こぼれ落ち”として扱われてきました。けれど辞退者の6割が「再アプローチがあれば検討する」と感じている──この事実は、採用のとらえ方そのものを少し変えてくれる気がしています。

HRブランディングは、初対面の魅力づくりだけでなく、「お見送り後にも会社の輪郭を覚えていてもらう」設計まで含むのだと感じています。辞退時に丁寧な対応をすること、その後の発信が候補者に届いていること、再応募の入り口が見える化されていること。この3つが揃ったとき、ご縁は”終わらず”続いていきます。

わたしたちCoachersも小さなチームなので、制度化までは難しい場面のほうが多いです。それでも、辞退時に一言添える、評価メモを残す、年1回近況をやさしく届ける──そんな小さな営みからでも、未来の採用は十分に育てられると感じています。

ACTIONS
辞退時のヒアリング項目を見直す
「将来のご連絡可否」を1問だけ追加。本人の意向ベースで残せる仕組みにする。
候補者プールの保存フォーマットを決める
評価メモ・関心領域・連絡許諾の3点を、ATSやスプレッドシートで一覧化する。
半年〜1年後の「近況共有テンプレ」を用意する
オウンドメディア記事や採用Note、社内の節目イベントの告知を、押しつけない文面で年1〜2回お届けする型を作る。
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採用活動チェックシート
5領域 × 25問で、採用の盲点を5分で可視化。中小企業の人事担当者向けに、設計/集客/サイト/選考/定着の5カテゴリでまとめた自己診断シートです。わかる質問はスキップOK。気軽にどうぞ。
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