書類選考、7割が縮小・廃止を検討──AI時代に問い直したい選考設計4ステップ
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書類選考、7割が縮小・廃止を検討──AI時代に問い直したい選考設計4ステップ

Branding, 2026.05.17 By 中村 尚人

採用担当として「書類選考、本当にこのままでいいんだろうか」と感じる瞬間はないでしょうか。書類だけでは見えない人柄や意欲を、もっと早い段階で確かめたい。そう思いつつも、応募が増えるシーズンほど、つい従来通りのフローで回してしまう──そんな感覚です。

レバレジーズが採用担当1,625名に聞いた調査では、書類選考について「縮小・廃止」を検討する企業が約7割。AI面接の満足度は86.7%にのぼります。AIによって、書類選考そのものの位置づけが揺らぎはじめている、ということかもしれません。

ただ「AIを入れれば解決」では、たぶんうまくいかない気がしています。わたしたちCoachersも、求人広告や採用サイトをつくる中で、「採用フローそのものの問い直し」が増えてきたと感じています。今日はこの調査をきっかけに、AI時代の選考設計をどう考えるか、一緒に整理してみたいと思います。

約7割が動きはじめた「脱・書類選考」

KEY METRIC
約70%
縮小・廃止検討
書類選考の位置づけが揺らいでいる
採用担当1,625名のうち、選考プロセスが「難しくなっている」と感じる企業の中で、書類選考を「すでに廃止」「廃止を検討」「重要度を下げる予定」と回答した割合の合計。AI普及を背景に、書類選考の役割そのものを再考する企業が広がっています。

同じ調査では、AI面接を導入した企業の満足度が86.7%、導入効果1位は「埋もれた才能の発掘」でした。書類だけでは見えなかった人を、AIによる対話で拾えるようになってきている、というイメージです。一方で約6割の企業は「最後は人の目で合否を確認している」とも答えていて、「AIに任せきり」ではなく「AI×人」のハイブリッドが現実解になりつつあると感じます。

中小企業の採用担当としては、いきなりAI面接ツールを入れるのは難しいかもしれません。でも、「書類選考をどこまで信じるか」「どの段階で人が関わるか」を見直すこと自体は、今日からでも始められそうです。

AI時代の選考フロー、4つの再設計ステップ

STAGE FLOW
STAGE 1「何を見極めたいか」を言語化する
 
STAGE 2各選考フェーズの評価項目を棚卸しする
 
STAGE 3「AI(or 仕組み)」と「人」の役割を分ける
 
STAGE 4振り返りループを回し、設計を更新し続ける

最初のSTAGE 1で大切なのは、「書類で何を判断していたか」を言葉にしてみることです。学歴か、職務経歴の年数か、文章のうまさか。書き出してみると「実はあまり相関がないかも」と気づくこともあると思います。AIを入れるかどうかにかかわらず、ここを整理するだけで選考の精度は変わってくるはずです。

STAGE 3の「役割分担」は、ツールがなくても考えられます。たとえば「最初の連絡や日程調整は仕組み化、面接は人」「定型的なスキル確認はテスト、価値観のすり合わせは対話」のように、AIや仕組みに任せられる部分と、人が向き合うべき部分を分けるだけでも、応募者体験はだいぶ変わってくる気がします。

旧来の選考と、AI時代の選考は何が違うか

COMPARISON
BEFORE
「ふるい落とし」型の選考
書類で多くを足切りし、残った人を面接で確認する。効率的だが、書類では伝わらない人柄や意欲が埋もれやすく、母集団が薄い時代には機会損失も大きくなります。
AFTER
「拾い上げ」型の選考
AIや短い対話で多くの応募者と接点を持ち、書類だけでは見えなかった可能性も拾う。最後の合否は人が責任を持つ。応募者にとっても「ちゃんと見てもらえた」体験につながります。

AI時代の選考は、テクノロジーで人を減らす話ではなく、「人が向き合うべき場面を、どこに残すか」を選び直す話だと感じます。求人広告に書いた言葉、採用サイトで伝えたい価値観、面接で問いたいこと──ここがブレないなら、AIを使う使わないにかかわらず、選考は十分に強くなっていくはずです。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

「7割が書類選考の縮小・廃止を検討」というニュースは、一見「テクノロジーの話」のように見えます。でも本当のテーマは、「自社は応募してきてくれた人に対して、どんな体験を返したいのか」という、もっと根っこの話なのかもしれません。

わたしたちCoachersは、求人広告の原稿を見直すだけでも応募の質が変わる場面を何度も見てきました。書類選考をどうするか議論する前に、「そもそも入口でどんな人に来てほしいと伝えているか」を一度言語化してみる。これはAIツールがなくても、今日から始められるHRブランディングの第一歩だと感じています。

「ふるい落とす採用」から「拾い上げる採用」への移行は、中小企業にとってこそチャンスがある気がしています。応募が多すぎず、ひとりひとりに丁寧に向き合える規模だからこそ、AIの普及をどう自社らしく取り込むか──いっしょに考えていけたら嬉しいです。

ACTIONS
書類選考で見ている項目を書き出してみる
学歴・経歴年数・自己PRの文章力など、いま無意識に評価している項目を5〜10個ピックアップ。「これは本当に活躍と相関しているか?」をチームで対話してみましょう。
 
「人が向き合うべき場面」を一つだけ決め直す
AI/仕組みに任せる部分と、人が時間をかける部分を整理。中小企業なら「最初の面談で価値観を確かめる」など、ひとつに絞るところから始めるのも良いと思います。
 
求人広告と採用サイトの入口メッセージを見直す
選考フローを変えるなら、その前段の「どんな人に来てほしいか」も合わせて言葉にしておきたいところ。原稿1本を読み返すだけでも、入口の歩留まりは変わってきます。
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中村 尚人

中村 尚人 取締役/ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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