中途採用1人100万円が常態化──「採用ルート」で変わるコスト構造の現在地
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中途採用1人100万円が常態化──「採用ルート」で変わるコスト構造の現在地

Branding, 2026.05.18 By 中村 尚人

中途採用1人あたり、100〜130万円。これが2026年時点の相場として、改めて報告されました。新卒の倍近い水準が、すっかり常態化してきています。

数字の中身を見ていくと、半分以上が「人材紹介手数料」で占められているケースも珍しくありません。一方で、求人広告や採用サイト、リファラルのように「使えば使うほど資産になる」アプローチもあります。

「コストが高い」と「コスト構造に偏りがある」は、少し違う話かもしれません。今日は、採用ルートの選び方でコスト構造がどう変わるのか、データを並べながら一緒に整理してみたいと思います。

中途100万円・新卒90万円──採用コストの現在地

KEY DATA
中途採用 1人あたり相場
100〜130万円
新卒採用 1人あたり相場
50〜90万円
人材紹介手数料(年収比)
30〜35%

中途採用は、新卒採用の約1.5〜2倍のコストがかかる時代になっています。背景にあるのは、人材紹介に頼ったときの「年収比率の手数料」構造。たとえば年収400万円の方を1名採用すると、それだけで紹介会社に120〜140万円が支払われる計算になります。

「人手不足だから多少コストがかかっても仕方ない」──たしかにそうかもしれません。ただ、ここで一度立ち止まって、「同じ100万円でも、どう使ったのか」を見直してみる価値はあるように感じます。

採用ルートを並べてみる──「使うたびに払う」と「積み上げて使う」

COMPARISON
使い切り型
人材紹介を中心に組む
1名あたり120〜140万円(年収400万円基準)が都度発生。退職して再採用するときも、同水準のコストがまたかかる。「採用するたびに払う」構造になりやすい。
資産積み上げ型
求人広告+採用サイト+リファラルで組む
求人広告は媒体と期間で費用が固定。採用サイトや採用動画は「会社の資産」として継続稼働し、社員紹介(リファラル)も組み合わせると、1名あたりの単価が時間とともに下がっていく構造に。

どちらか一方に振り切るのが正解、という話ではないと思います。実際、両方を組み合わせている会社の方が多いはず。ただ、この「使い切り」と「積み上げ」の違いを意識せずに進めてしまうと、気づけば「毎年100万円×複数名」が同じ構造で消えていく状態になりがちな気がしています。

採用手法を4象限で見る──ルート選びの全体像

MATRIX
単価:高 × 蓄積:進まない
人材紹介リピート型
毎回100万円超が発生し、自社にノウハウや応募基盤は残りにくい。短期的には便利だが、構造的にコストが下がらない。
単価:高 × 蓄積:進む
RPO/採用コンサル投資型
短期的にコストはかかるが、採用設計や母集団形成のノウハウが社内に残る。中長期で見れば資産化につながりやすい。
単価:低 × 蓄積:進まない
場当たり対応型
必要なときに必要な分だけ、安価な媒体を単発で。コストは抑えられるが、毎回ゼロから組み直しになり、機会損失も大きい。
単価:低 × 蓄積:進む
採用ブランディング型
求人広告・採用サイト・リファラル・社員発信を、ひとつの「会社の見せ方」のもとに組み合わせる。単価が時間とともに下がる象限

どの象限が「正解」というよりは、自社の今がどこにあるのか、そしてどこへ動かしていきたいのかを、ぼんやりとでも掴んでおくことが第一歩かもしれません。すべてを採用ブランディング型に振り切るのは難しくても、「来年は単価が下がる方向に少しだけ寄せる」という発想なら、わりと現実的だったりします。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

採用コスト100万円という数字を、単に「高いから下げたい」で終わらせてしまうのは、少しもったいない気がしています。同じ100万円でも、「来年も同じ構造で同じだけかかる100万円」と、「来年は半分で済むかもしれない100万円」では、まったく意味が違うからです。

人材紹介自体が悪、という話ではまったくありません。緊急時の即戦力採用や、自社で出会えない人脈にアプローチしたいときには、間違いなく頼れる選択肢です。ただ、自社の採用構造のなかでそれが「主役」なのか「補完」なのかは、定期的に見直してもいい論点だと感じています。これはHRブランディングの出発点でもあって、わたしたちCoachers自身も、自社の採用を考えるときに毎回戻ってくる問いです。

求人広告の原稿や採用サイトのコンテンツは、書き直すたびに「会社のことばが磨かれていく場」でもあります。コスト管理表の数字を眺めるだけでなく、そこにどんな言葉と思想が積み上がっているか、という視点で見直してみると、コスト構造の景色が少しだけ変わって見えるかもしれません。

ACTIONS
直近1年の採用コストを、外部と内部で分解してみる
外部コスト(媒体費・紹介手数料・制作費など)と内部コスト(人事の人件費・面接官の工数)に分けて、ざっくりでいいので一度合算してみます。実態を見ると、力を入れたい場所が見えてきます。
 
1人あたりの単価を「ルート別」に出してみる
紹介経由/媒体経由/リファラル経由/自社サイト経由など、入口ごとに1名あたりのコストを並べてみます。数字で並べると、どの入口を太くするか/細くするかの判断材料になります。
 
「来年も同じ構造でいくのか」を半年に1回チームで話す
数字を見るだけで終わらせず、来期はどのルートに比重を寄せたいかを、人事・現場・経営で共有する時間を持ちます。30分でも十分で、繰り返すことで「採用にも戦略がある」感覚が育っていきます。
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採用活動チェックシート
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Coachersは、求人広告・採用サイト・採用動画などのクリエイティブを軸に、中小企業のHRブランディングを伴走支援しています。「人材紹介に頼り続ける構造から抜け出したい」「採用にかけているお金を、もう少し資産になる方向に振り向けたい」──そんな問いをお持ちでしたら、お気軽にご相談ください。

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REFERENCES

 

中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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