正社員の4割超が必要最小限の仕事だけをこなす “静かな退職” 、20代は半数
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正社員の4割超が必要最小限の仕事だけをこなす “静かな退職” 、20代は半数

Branding, 2026.05.24 By 中村 尚人

マイナビが2026年4月に発表した「正社員の静かな退職に関する調査2026年」によると、正社員の4割超が”静かな退職”の状態にあり、しかも73.7%が「今後も続けたい」と答えています。

20代では実施率が50.5%と過半数にのぼり、もう「ごく一部の特殊な現象」とは言えない規模になってきました。気になるのは、その状態を選んだ人の多くが「組織側の働きかけでは戻らない」と感じている点です。

この数字、入社後の話に見えて、実は採用段階の設計とも地続きなのかもしれません。わたしたちCoachersも、求人や採用サイトの仕事を通じて、この問いを一緒に考えてみたいと感じています。

「ずっと続けたい」が7割超──まず数字を見つめてみる

KEY METRIC
73.7%
続けたい
“静かな退職”を今後も続けたい人
静かな退職をしている正社員のうち、「働いている間はずっと続けたい(28.8%)」を含め、合計73.7%が「続けたい」と答えました。前年の70.4%から微増しており、この状態が一時的な気分ではなく、本人にとっての”選択”として定着しつつあることが見えてきます。

「静かな退職(Quiet Quitting)」とは、会社を辞めるわけではないけれど、必要最小限の仕事だけをこなし、それ以上の貢献や成長は意識的に手放す状態のことを指します。マイナビの最新調査では、正社員の4割超がこの状態にあり、前年から+2.2ポイント増えていることが分かりました。

注目したいのは、「続けたい」と答えた人が7割を超えている点です。「今は仕方なくそうしているだけで、いずれ前のようにがんばりたい」と感じている人は、思ったよりも少ない。つまり、本人なりに納得して選んだ働き方になっている可能性が高い、ということかもしれません。

20代の50.5%、全年代で4割超──年齢で片づかない現実

IMPACT MAP
20代50.5%
30代49.1%
40代42.3%
50代46.7%

年代別では、最も高いのが20代の50.5%。続いて30代49.1%、50代46.7%、40代42.3%と、すべての年代で4割を超えました。「若い世代の特徴」として語られがちな言葉ですが、データを見ると、ベテラン層も含めて世代横断の現象になっていることが分かります。

採用担当者の立場で考えると、これから入ってくる人材、いま社内にいる人材、どちらにも”静かな退職”の選択肢が常に隣にある、という前提に立つ必要が出てきたのかもしれません。「うちは社員の関係性がいいから大丈夫」では、もう説明しきれない領域に入ってきていると感じます。

「やる気がない」では説明できない──きっかけは4タイプに分かれる

MYTH vs FACT
MYTH
“静かな退職”は、やる気がない・怠けたい社員が選ぶ働き方である。
FACT
実際のきっかけは「D 無関心タイプ(20.6%)」が最多。次いで「C 損得重視(18.8%)」「B 評価不満(17.0%)」「A 不一致(16.0%)」と続き、要因はバラバラ。「やる気の問題」ではなく、入社後の体験設計の問題として捉えたほうが、打ち手は見えやすい。

マイナビの調査では、静かな退職に至るきっかけを4タイプに分類しています。最多の「D 無関心タイプ(20.6%)」は、業務にも会社にも特に強い思いはなく、淡々と過ごすうちにこの状態になっていく層です。次に多いのが「C 損得重視」「B 評価不満」「A 不一致」で、どのタイプも2割弱と、特定の要因が突出しているわけではありません。

タイプがばらけているということは、「これさえやれば防げる」という一発の打ち手はないということでもあります。一方で、4タイプいずれも「入社時点〜入社後の最初の数ヶ月で受け取った情報・体験」と無関係ではないように見えます。そこに採用担当者が関わる余地が、思ったよりあるのかもしれません。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

「静かな退職」と聞くと、入社後のマネジメントや評価制度の話に見えがちです。ただ、わたしたちCoachersも採用ブランディングを生業にしていて感じるのは、入社後の物語は、求人原稿を読んだ瞬間にすでに始まっている、ということです。

求人広告で「成長できる環境」と書きながら、実際に入ると裁量も成長機会も限られていた──そんな小さなズレが積み重なると、「D 無関心タイプ」や「A 不一致タイプ」に直結していきます。HRブランディングの本来の役割は、”良く見せる”ことではなく、入社後の現実とずれない期待値を、入口の段階で正直に整えておくことだと感じています。

採用サイトや求人原稿の情報設計を見直すだけでも、「入社時に約束したこと/しなかったこと」の整理は前に進みます。静かな退職の予防は、入社後の施策だけでなく、入口の言葉選びから始められるテーマだと、わたしたちは捉えています。

今日からできるアクション

ACTIONS
求人原稿の「期待値」を言語化し直してみる
「成長できる」「裁量がある」のような抽象語を、実際の業務量・任せ方・1年目の到達ラインまで具体化。盛らずに、現実とそろえて書くことを優先する。
内定〜入社3ヶ月の関わり方を設計し直す
最多の「D 無関心タイプ」を生まないために、入社直後の関係構築の機会(1on1・配属面談・先輩との接点)が、ちゃんと”設計”されているかを点検する。
「評価軸」と「成長機会」を内定時点で擦り合わせる
「B 評価不満」「C 損得重視」を減らすには、入社後どんな基準で見られ、どんな機会が用意されているかを内定時点で共有する。曖昧なまま入社させない。
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入社後の”静かな退職”を、入口の言葉から見直してみませんか
Coachersは、求人広告と採用サイトを軸に、入社時点の期待値設計までを一緒に考えるHRブランディングのパートナーです。「うちの原稿、現実とずれていないかな」と感じたら、お気軽にご相談ください。

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