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AIで”工数減”は7割、でも採用決定は半数だけ──差を生む”仕組み化”
スカウト文を書く時間、書類に目を通す時間。AIを入れてから、たしかに「減った」と感じている方は多いかもしれません。わたしたちCoachersも、日々の業務でその恩恵を実感しています。
でも、ふと立ち止まって考えてみると――工数は減ったのに、「採用そのもの」は、前より決まるようになったでしょうか?
ある調査では、AIで効率化は進んでも、採用決定数が増えた企業は半数ほど。この「効率」と「成果」のあいだにあるギャップを、今日は一緒に見つめてみたいと思います。
AI採用は、もう「特別な会社」の話ではなくなった
株式会社フォワードが、採用に関わる376名(従業員50名以上の企業の採用担当・人事責任者・経営層)に行った「AI×採用実態調査」では、採用業務にAIを導入している企業は約5割にのぼりました。活用されているのは、スカウト文面の作成、書類のスクリーニング、面接日程の調整といった、これまで人の手で回していた定型業務が中心です。
導入企業の73%が「採用にかかる工数が削減された」と回答しています。反復作業がAIに置き換わることで、採用担当が「人が向き合うべき判断」に時間を使えるようになってきた――そんな手応えが、数字にもあらわれているのかもしれません。ここまでは、多くの現場で実感されている変化だと思います。
効率は上がった。では「採用の成果」は?
ところが同じ調査で、もう一歩踏み込んだ質問への答えを見ると、景色が少し変わります。「AI導入で採用決定数が増えた」と答えた企業は51%。裏を返せば、約半数の企業は「決定数は変わらない」と感じている、ということです。工数は減ったのに、肝心の採用そのものは前と同じ――この「ねじれ」が、いま多くの現場で起きているのかもしれません。
これは、AIがダメだという話では決してないと感じています。むしろ「効率化」と「採用の成果」は、もともと別のものだった――それがAIの普及によって、くっきり見えるようになっただけ、なのかもしれません。では、その差はどこで生まれているのでしょうか。
「効率化どまり」と「成果が出る」を分ける地図
同じ調査では、もうひとつ気になる数字が出ています。「担当者が変わると採用が止まることがある」と答えた企業が63.8%。一方で「採用ノウハウを体系的に共有できている」企業は56.1%にとどまりました。つまり、採用が”特定の人の頭の中”に依存したまま、という会社が少なくないのです。AIで作業は速くなっても、その土台が属人化していると、成果までは届きにくい。下の図で、自社がいまどこに立っているか、眺めてみませんか。
調査の数字が映し出しているのは、多くの会社が右下の「効率化どまり」に立っている、という現在地かもしれません。そこから右上へ動くカギは、AIそのものの性能ではなく、「自社の魅力をどう言葉にするか」と「採用を一人の頭から仕組みへ移せるか」という、AIの外側にある部分にありそうです。
この調査を見て、わたしたちCoachersがいちばん共感したのは「AIで速くなったのに、採用は決まらない」という感覚でした。スカウトを大量に送れても、響く言葉が入っていなければ、候補者の心は動きません。効率と成果が別物だというのは、わたしたち自身も日々向き合っているテーマです。
差を生んでいるのは、AIの外側にある「自社の魅力をどう言語化するか」だと感じています。これはまさにHRブランディングの領域です。たとえば求人広告の原稿を一文だけ見直してみると、自社が候補者に何を約束できるのかが意外と曖昧だった、と気づくことがあります。その言葉こそ、AIに渡す”素材”の質を決める出発点なのかもしれません。
そしてもうひとつ、採用が特定の人に依存していると、AIを入れても成果は安定しにくい気がしています。魅力の言語化と、ノウハウの仕組み化。この二つを少しずつ整えることが、「効率化どまり」を抜け出す、いちばん地に足のついた一歩なのではないでしょうか。
- 株式会社フォワード「採用活動は『AIで実際に採用決定を出す』時代へ。導入企業の半数が『成果に課題』と回答(AI×採用実態調査)」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000117983.html
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