「AI採用」が広がって「人の温度」が求められる?
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「AI採用」が広がって「人の温度」が求められる?

Branding, 2026.04.02 By 中村 尚人

「書類選考はAIで自動スクリーニング」「スカウト文面もAIが生成」──こんなニュースを見かける機会が、ここ最近ぐっと増えたように感じませんか? 実際、採用業務へのAI導入は急速に進んでいて、スカウト送信から日程調整、一次選考まで自動化する企業も珍しくなくなってきました。効率化の観点では、とても心強い流れですよね。でも一方で、「AI面接では誠実さを感じにくい」──そんな求職者の声も、最新の調査から浮かび上がっています。今回は、AI採用の最新動向と求職者のリアルな声をもとに、「効率化」と「人の温度」のバランスについて、一緒に考えてみたいと思います。

📊 数字で見る「AI採用」の広がり

まずは、企業側のAI採用の導入状況を見てみましょう。レバテック「IT人材白書2025」やHR業界各社の調査をもとにすると、AIを採用業務に活用する動きは着実に加速しています。

AI採用ツール導入に前向きな企業

56.9%

うち導入済みは約20.6%

AIスカウト導入によるコスト削減

最大96%

年間2,000時間の工数削減事例も

就活でAIを利用する26卒学生

66.6%

24卒の39.2%から2年で倍増

AIが自動化できる採用業務の範囲も、かなり広がってきています。

AIが対応可能な採用プロセス

求人票・スカウト文の自動生成

書類選考の自動スクリーニング

面接日程の自動調整

面接の書き起こし・評価レポート生成

出典:各社サービス情報をもとにCoachers編集部が整理

効率化の恩恵は大きいですよね。特に少人数の採用チームでは、こうしたAIの力を借りることで、「本当に注力したい業務」に時間を使えるようになるのは魅力的だと感じます。

🗣️ でも、求職者はどう感じている?

AI採用が広がる一方で、求職者側の受け止め方も気になるところです。リクルートマネジメントソリューションズが実施した「採用CX(候補者体験)に関する意識調査(2025)」から、興味深いデータが出ています。

面接で「人に評価されたい」学生

63.0%

「AIに評価されたい」は 15.8%

AI面接で「感じにくい」と回答

誠実さ・納得感
実力発揮感・妥当感

4項目いずれも過半数が「感じにくい」

同調査では、AI面接を人による面接と比較した際、「誠実さ」「納得感」「実力発揮感」「妥当感」の4項目すべてで、過半数の学生が「感じにくい」と回答しています。また、面接で選考辞退した理由の1位は「面接方法への納得感のなさ」でした。

出典:リクルートマネジメントソリューションズ「採用CX(候補者体験)に関する意識調査(2025)」(n=685)

「誠実さ」「納得感」「実力発揮感」「妥当感」──いずれも50%を超える候補者が「AI面接では感じにくい」と答えています。

つまり、求職者は「効率的でスムーズな選考」を望みつつも、同じくらい──あるいはそれ以上に──「自分をちゃんと見てくれている」という感覚を大切にしているということなのかもしれません。

候補者が本当に求めているもの(同調査より)

🤝

誠実さ

嘘のない、正直な情報発信

💬

納得感

プロセスや判断基準の透明性

👀

尊重

人として大切にされている実感

⚡ 「効率化だけ」の企業と「温度のある」企業──採用力の二極化

ここで少し立ち止まって考えてみたいことがあります。

AI導入が進む中で、採用市場では「CXや透明性に投資する企業には人が集まり、従来型の手法に固執する企業には応募が来ない」という二極化が指摘されるようになっています。

でも、これは「AIを入れるかどうか」だけの話ではないように思います。

採用力の差を生むポイント

選ばれる企業

AIで効率化しつつ
「人が関わるべき場面」に時間を集中

── vs ──

選ばれにくい企業

効率化ばかりに偏り
候補者との接点が「無機質」になりがち

AIを使うこと自体は、もちろん良いことだと思います。ただ、「スカウト文も自動、書類選考も自動、面接も自動」となったときに、求職者が感じるのは”スムーズさ”だけではなく、「この会社は自分に興味を持ってくれているのだろうか?」という不安かもしれません。

だからこそ、AIに任せた”空いた時間”をどこに使うかが、これからの採用力を左右するのではないでしょうか。

C

Coachersの視点

HRブランディングの観点から

「人に評価されたい」が63%──ただ、この数字を「だから人の温度を大事にしよう」と読むのは少し早いかもしれません。求職者が求めているのは”温かさ”よりも、「自分の言葉がちゃんと届いている」という手応えではないでしょうか。とはいえ、人が対応すれば自動的にそれが伝わるかというと、テンプレ面接や理由不明の不合格通知を思えば、そうとも言えません。

さらに見落とせないのは、求職者の側もAIを使っているという事実です。26卒の66.6%が就活でAIを利用し、ES作成にAIを常用する学生も約2割。企業がAIでスカウトを送り、求職者がAIで返信を書く──気がつけば、AIがAIとやりとりしている。お互い「効率的にやりたい」と思った結果、双方から”人”が抜け落ちていく構造です。

問題の本質は「AIか人か」ではなく、この”AI×AIの空洞化”の中で、どこに人の意思を残すか。私たちが求人広告や採用動画をつくるとき意識しているのはまさにこの点で、社員のナマの言葉や繁忙期のリアルなど、その会社にいる人にしか語れない情報こそが、AI時代にいちばん強い採用ブランディングになると感じています。

✅ 今日からできる4つのアクション

ACTION 01

選考プロセスを候補者目線で書き出してみる

応募から内定まで、候補者が「人と接する場面」はどこにあるか?AIに任せている部分と人が対応している部分を可視化してみると、改善のヒントが見えてくるかもしれません。

ACTION 02

スカウトメールに「手書き感」を一文だけ足す

AIで生成したスカウト文をそのまま送るのではなく、相手のプロフィールに触れた一文を加えるだけで、「ちゃんと見てくれている」と感じてもらえる確率はぐっと上がります。

ACTION 03

採用サイトに「社員のリアルな声」を追加する

短いインタビュー動画や、「1日のスケジュール」紹介など、職場の空気感が伝わるコンテンツがあるだけで、候補者の安心感が大きく変わります。まずは1本から始めてみませんか。

ACTION 04

不採用通知にも「温度」を込めてみる

たとえ今回ご縁がなかった方にも、丁寧なお礼と今後の応援の一言があると、企業の印象は大きく変わります。候補者体験(CX)は、採用した人だけのものではありません。

AIを味方にしながら、
「選ばれる会社」になるために──

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無料チェックシートをご用意しています。
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