SHRM最新調査から考える、これからの採用ブランディング
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SHRM最新調査から考える、これからの採用ブランディング

Branding, 2026.04.05 By 中村 尚人

「うちもそろそろAIを採用に取り入れたほうがいいのかな……」ふとそんなことが頭をよぎる瞬間、増えていませんか。ニュースを開けばAI、セミナーに出ればAI。でも実際のところ、どのくらいの企業が、どんな場面でAIを使っているのか──意外とイメージが湧かないという方も多いかもしれません。

今年1月に米国人材マネジメント協会(SHRM)が発表した「The State of AI in HR 2026」は、世界1,722名のHR担当者を対象にした大規模調査。そこから浮かび上がってきたのは、「AI導入は進んでいるけれど、まだ半数以下」というリアルな現在地でした。

一方で、CEOの67%が「AIによってエントリーレベルの採用が増える」と回答した別の調査もあります。つまり、AIは採用の”量”にも”質”にも変化を起こしはじめている。では、この変化の中で採用担当者として何を意識しておくといいのか──今日は一緒に考えてみたいと思います。

📊 AI×HR、導入の「現在地」を数字で見る

SHRMの調査によると、2026年時点でHRにAIを活用している組織は全体の半数以下。「AIが当たり前」というイメージとは少しギャップがあるかもしれません。ただし、CHROの92%は「今後さらにAIが統合される」と見ており、これからの1〜2年が大きな分岐点になりそうです。

HR分野別 AI活用率(SHRM 2026調査)

リクルーティング
27%
HRテクノロジー
21%
人材開発・研修
17%
従業員体験(EX)
14%

出典:SHRM「The State of AI in HR 2026」(n=1,722)

注目したいのは、リクルーティング(27%)がAI活用のトップという点。スクリーニングの自動化、求人原稿の生成支援、面接日程の調整など、採用プロセスの中でAIが最も”実用段階”に近いことがわかります。

📈 CEOの67%が「AIでエントリーレベル採用を増やす」と回答

コンサルティング企業Teneoが、年間売上10億ドル以上のグローバル企業CEO 350名と機関投資家約400名を対象に行った調査では、もう一つの重要なトレンドが見えてきました。

67%

のCEOが「AIによりエントリーレベルの雇用が増加する」と回答

58%

がシニアリーダー職の採用を増やす計画と回答

92%

のCHROがAIの業務統合拡大を予測(SHRM調査)

「AIが仕事を奪う」という話をよく耳にしますが、CEOたちの見方は少し違うようです。AIによって業務が再構成され、新しい役割やポジションが生まれる──たとえば「ディシジョン・デザイナー」「AIエクスペリエンス・オフィサー」といった職種が実際に登場しはじめているそうです。

中途採用の現場でも、「AIを活用できる人」を求めるポジションが増えてきているのではないでしょうか。求人票の書き方や、求めるスキルの表現にも変化が求められる時期かもしれません。

⚠️ 「AI活用ポリシー」が追いついていない現実

AIを導入しはじめた企業が直面するもう一つの課題が、社内ポリシーの整備。SHRMの調査では、AIポリシーを策定済みの企業のうち──

AIポリシーを策定済みの企業

54%

「ポリシーが制限的すぎる」
「現在のAIツールに依存した内容」と回答

わずか25%

のみが「ポリシーが明確で将来にも対応できる」と回答

テクノロジーの進化に合わせてルールをアップデートし続けるのは、本当に大変なことだと思います。ただ、採用の場面でAIを使っていること、そしてそのルールが整備されていることは、求職者にとって「この会社はしっかりしているな」という安心感にもつながるのではないでしょうか。

C

Coachersの視点

HRブランディングの観点から

AIポリシーが「追いつかない」企業が54%──この数字を見たとき、私たちCoachersが感じたのは、ルールの完成度よりも「まず手を動かし続けているかどうか」のほうが、ずっと大事なのではないかということでした。

AIは毎週のようにアップデートされます。完璧なポリシーを作ってから導入しようとすると、ポリシーが出来上がる頃にはツールが変わっている……なんてことも珍しくありません。だからこそ、「トライアンドエラーを繰り返しながら、最新の機能にアンテナを張り、業務への組み込み方を模索し続ける」。この姿勢そのものが、これからの企業の成長力を左右するのではないかと感じています。

そして面白いのは、こうした「試行錯誤を止めない文化」は、採用ブランディングにも自然とにじみ出るということです。たとえば求人広告に「AI活用推進中」と一言書くよりも、「先月はAIで議事録の自動要約を試してみて、うまくいった部分とそうでない部分があった。今はプロンプトを改良中です」──こんなリアルなエピソードのほうが、求職者の心には刺さるかもしれません。

採用サイトや採用動画でも同じことが言えます。「最先端テクノロジーを導入しています」という”完成形”のアピールではなく、「チームで手探りしながら新しいことに挑んでいる”プロセス”」を見せること。それが「この会社、一緒に成長できそうだな」という共感につながるのだと、私たちは考えています。

完璧じゃなくていい。でも、手を止めない会社は、やっぱり魅力的です。AIとの向き合い方に正解はまだ誰にもわかりませんが、試行錯誤を楽しめる空気がある職場には、自然と人が集まってくるのではないでしょうか。その「空気」を採用コンテンツとして形にするお手伝いを、一緒にさせていただければ嬉しいです。

✅ 今日からできる4つのアクション

1

求人票を「AI視点」で読み返す

今出している求人票に、AIやDXに関する言及はありますか?必須スキルの表現が古くなっていないか、一度チェックしてみるだけでも発見があるかもしれません。

2

自社の「AI活用ストーリー」を棚卸し

社内でAIを使っている場面はありませんか?チャットボット、議事録自動化、データ分析など、小さな事例でも採用コンテンツのネタになります。

3

採用サイトに「働く環境」の情報を追加

テクノロジー環境は、求職者が気になるポイントの一つです。使用ツールや働き方の工夫を採用サイトで紹介することで、志望度アップにつながることがあります。

4

「新しい職種」の採用準備を始める

AI関連の新しいポジションが必要になる可能性はありませんか?今のうちにジョブディスクリプションのたたき台を作っておくと、いざというとき慌てずに済みます。

「今の採用活動、このままで大丈夫かな?」と感じたら

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