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採用ピッチ資料って実際どうなの?「志望度99%UP」のデータと、はじめの5ステップ
“求人は出しているけど、応募者に会社の魅力がちゃんと伝わっている気がしない……”——そんなモヤモヤを感じている方、最近増えていませんか。求人票には文字数の制限があるし、面接で全部説明するには時間が足りない。結局、候補者は断片的な情報だけで「応募するか/しないか」を判断している——という状況は、実はとても多いのではないかと思います。
マルゴト株式会社の調査によると、求職者の82%が転職活動中に採用ピッチ資料を目にしたことがあり、見た人の99.1%が「志望度が上がった」と答えています。つまり、”見せるだけで志望度が上がる資料”が、すでに存在しているわけです。
今日は採用ピッチ資料(会社説明資料)について、データを眺めながら「なぜ効くのか」「何を載せればいいのか」を一緒に整理してみたいと思います。
データで見る、採用ピッチ資料のインパクト
「採用ピッチ資料」とは、求人票や採用サイトとは別に、自社のビジョン・カルチャー・仕事内容・働く環境などを1つの資料にまとめて公開するもの。もともとはスタートアップや外資系で広まった手法ですが、最近は中小企業や大手にも浸透が進んでいます。まず、数字で効果を確認してみましょう。
出典:マルゴト株式会社「採用ピッチ資料に関する意識調査」(2024年)
注目したいのは、見た人のほぼ全員が「志望度が上がった」と答えている点です。見せるだけで志望度が上がるなら、出さない理由はないと思えてきませんか。一方で、ベンチャー企業でも導入率は約57%。つまり裏を返せば、まだ多くの企業にとって”差がつく余地”が残っているということです。
なぜ「見せるだけ」で志望度が上がるのか
エン・ジャパンの調査では、転職者の87%が「入社後にギャップを感じた」と回答しています。厚生労働省のデータでは、大卒新卒の3年以内離職率は約32%。ギャップが離職につながり、また採用活動に戻る——というループが、多くの企業で起きています。
候補者は「この会社に入ったらどうなるか」を知りたがっていますが、求人票やコーポレートサイトだけでは十分に伝わりきらない。そのギャップを埋めるのが、採用ピッチ資料の役割です。
出典:マルゴト意識調査(2024年)、エン・ジャパン「入社後ギャップ調査」、厚生労働省(令和6年発表)
候補者が最も知りたいのは「働く環境」。給与でも事業内容でもなく、「ここで働いたら、自分の日常がどう変わるのか」です。採用ピッチ資料はその問いに対して正面から答えられる、数少ないフォーマットだと言えそうです。
「ある企業」と「ない企業」で何が変わる?
採用ピッチ資料があるかないかで、候補者の行動や採用プロセスがどう変わるか。SmartHR社の事例なども踏まえて、ビフォー・アフターを並べてみました。
ピッチ資料は単に「応募を増やす」だけでなく、面接の質・ミスマッチの低減・定着率の向上まで一気通貫で効いてくるのが特徴です。しかも、一度作れば面接前の送付・スカウト文への添付・採用サイトへの掲載と、あらゆる接点で使い回せるのも大きなメリットではないでしょうか。
採用ピッチ資料に入れたい項目チェックリスト
「何を載せればいいか分からない」が最初のハードルだと思います。候補者が知りたい情報の1位が「働く環境」(36%)、2位が「業務内容」(28.8%)だったことを踏まえ、押さえておきたい項目を優先度つきでまとめてみました。
全部をいきなり完璧に揃える必要はありません。「必須」の4項目をまず固めて、あとは少しずつ追加していく形で十分です。SmartHR社も2〜3ヶ月ごとにアップデートを重ねていることからも分かるように、採用ピッチ資料は「完成」ではなく「育てていく」ものです。
採用ピッチ資料を作る5つのステップ
「作ったほうがいいのは分かったけど、何から手をつければ……」という方のために、制作の流れを5ステップにまとめてみました。リソースが限られている中小企業でも、この順番で進めれば無理なく形にできるはずです。
STEP 1「誰に見せるか」を決める——ここが一番大事かもしれません。万人向けの資料は結局、誰にも刺さりません。ターゲットとなる候補者像を先に定義することで、どんな情報をどの順番で見せるかが自然と決まってきます。
STEP 2「社内の当たり前」を言語化する——自分たちにとっての日常は、外から見ると大きな魅力だったりします。社長との距離、意思決定のスピード、チームの雰囲気……。3〜5人にヒアリングするだけでも、意外な”売り”が見つかることが多いです。
STEP 3 構成を組んで、スライドに落とす——先ほどのチェックリストをベースに構成を決め、PowerPointやCanva、Googleスライドで作成します。Speaker DeckやSpeakerなどで公開する企業も多いですが、自社サイトにPDFで掲載するだけでも十分です。
STEP 4 公開して、接点ごとに活用する——作ったら終わりではなく、スカウトメールに添付、面接前に送付、採用ページに掲載と、候補者との全接点で使い回します。面接前に読んでもらえれば、面接自体が「説明の場」から「対話の場」に変わります。
STEP 5 定期的にアップデートする——会社は変わり続けるし、候補者のニーズも変わります。SmartHR社のように2〜3ヶ月に1度の更新が理想ですが、半年に1回でもいい。大切なのは「一度作ったら終わり」にしないことです。
Coachersの考察 ─ 「見せたくない」の先に、選ばれる理由がある
採用ピッチ資料の話をすると、「うちはまだ見せられるものがない」とおっしゃる方がいます。でも、わたしたちCoachersの経験上、自社の魅力が「ない」のではなく「言語化できていない」だけのケースがほとんどです。
もうひとつ、「課題を見せるのが怖い」という声もよく聞きます。ただ、チェックリストの最後にも書いた通り、弱みを正直に見せることで、逆に信頼感が生まれるのがピッチ資料のおもしろいところ。87%が感じている「入社後ギャップ」を減らす最も効果的な方法は、入社前に正直に開示しておくことだと感じています。
わたしたちが普段お手伝いしているHRブランディングの仕事でも、「自社の”当たり前”を外の視点で再発見する」プロセスが一番盛り上がります。採用ピッチ資料を作る過程は、そのまま自社の魅力の棚卸しになる。資料そのものだけでなく、作る過程で得られる「自社への解像度」が、実は一番の収穫かもしれません。
今日からできる、無理のない一歩
まずは”自社の現在地”を一緒に確認してみませんか
- マルゴト株式会社「採用ピッチ資料に関する意識調査」(2024年) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000071723.html
- マルゴト株式会社「採用ピッチ資料129選(2026年最新版)」 https://marugotoinc.jp/blog/saiyo-pitch-case/
- 株式会社hypex「応募数5倍も実現!採用ピッチ資料とは?」 https://hypex.jp/articles/saiyopitch-is
- 東京商工会議所「2025年度 新入社員意識調査」 https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1205795
- 厚生労働省「中途採用・経験者採用者が活躍する企業における情報公表その他取組に関する調査研究」(2025年3月) https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001489721.pdf
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