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「アルムナイ採用」制度を持つ企業が約7割。中小企業はどう向き合うか
「あの人、戻ってきてくれたら助かるのにな」──退職者の顔が頭をよぎったこと、ありませんか。
日経の調査で、退職者を採用候補とする「アルムナイ採用」の制度を持つ企業は約7割に達したと報じられました。「転職者は裏切り者」という空気が薄まり、もはや特別な施策ではなくなりつつあります。
とはいえ、中小企業にとっては「制度を作る」より前に、もう少し手前の話から考えたいところです。今日はこのトレンドを、採用ブランディングの観点で一緒にほどいてみたいと思います。
数字で見る「アルムナイ採用」の現在地
複数の調査を並べると、見ている層や定義によって数字に幅はあるものの、もはや一部の先進企業だけの取り組みではないことがはっきりしてきます。
日経の調査対象は規模の大きい企業が中心なので、中小企業まで含めるとマイナビの40.9%あたりが実態に近いかもしれません。それでも、「制度・実績ともにない」と答えた企業がわずか5.5%という数字は、温度感の変化を象徴しています。「転職者は裏切り者」というかつての空気が、ここ数年で確実に薄まったことが読み取れます。
直近の動きを並べてみる
この潮流をニュースとして見ていくと、業界も規模もバラバラな企業が、それぞれの事情でアルムナイ採用に動いていることが分かります。最近の動きをいくつか並べてみます。
即戦力確保のチャネルとして再評価。大企業の採用設計に組み込まれ始める。
地方の金融機関でも、退職者との関係を保つ場づくりが動き出す。
採用サイト内に専用ページを設け、求人応募とキャリア登録の両輪で運用開始。
こうして並べると、「即戦力獲得」「カルチャーフィット」「採用コスト削減」というメリットだけが理由ではないことが見えてきます。退職者を含めて自社のステークホルダーと捉え直す姿勢そのものが、社内外への強いメッセージになっています。
中小企業の現実的な向き合い方
「うちみたいな小さな会社で、わざわざ制度化するほどでも…」と感じる方も多いかもしれません。でも、実は規模が小さいほど、顔が見える関係を活かせる余地があります。
わたしたちCoachersも6名の小さなチームですが、「一度一緒に働いた仲間とは、その後も緩やかに近況を交換できる関係でいたい」という感覚があり、実際業務委託などの形で関わりがあります。アルムナイ制度は、そうした日々の態度の延長線上にあるものだと捉えています。
アルムナイ採用が約7割の企業に広がったというニュースの本質は、「元社員の再獲得」という戦術の話ではなく、「退職者も自社のステークホルダー」と捉え直す価値観の転換にあると感じています。退職を断絶ではなく関係性の再定義として扱う姿勢が、いま静かに標準になりつつあります。
これはHRブランディングの観点からも示唆に富みます。採用広報で発信している「働きやすさ」「成長できる環境」といったメッセージが本物かどうかは、退職者がどう語るかに現れます。Glassdoorや採用口コミサイトはもちろん、元社員のSNSや雑談の中で、自社のリアルな評判は形成されていきます。退職者との関係づくりは、実は外向けのブランディングの輪郭を整える作業でもあると感じています。
今日からできるアクション
- 日本経済新聞「元社員採用する『アルムナイ』導入7割 『転職者は裏切り者』風潮薄まる」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC247EF0U5A021C2000000/
- マイナビキャリアリサーチLab「【2024年最新調査】アルムナイ採用の現状とは」 https://career-research.mynavi.jp/column/20240826_83728/
- 日本経済新聞「20〜30代をアルムナイ採用 JR東日本や日本郵政、即戦力確保」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC26AP90W3A021C2000000/
- 日本の人事部「J:COM、アルムナイ採用制度を新設」 https://jinjibu.jp/news/detl/26278/
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