87%が「効いた」と答えたリファラル採用──広げきれない理由と、4ステップの始め方
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87%が「効いた」と答えたリファラル採用──広げきれない理由と、4ステップの始め方

Branding, 2026.04.28 By 中村 尚人

「うちの規模で使える採用手法って、もう出尽くしている気がして……」── そんな声を、最近よく耳にします。

けれどHR総研のキャリア採用調査をのぞくと、ちょっと意外な数字が並んでいました。中小企業の87%が「成果が出ている」と答えた採用手法があるのに、実際に使えているのは35%だけ。差し引き5割超の企業が、効くと知ってはいるけれど、まだ動けていないということになります。

その手法とは、リファラル採用(社員紹介)です。なぜ中小企業ほど効くのか、なぜ広がりきらないのか。今日は、Coachers自身の小さな現場感も交えながら、一緒にひもといてみたいと思います。

中小企業ほど「効いている」のに、使われていない

HR総研の調査では、中途採用で活用している手法のうち「リファラル採用」を成果のあった手法として挙げた企業が、全体で81%、そのうち中小企業に限ると87%に達しました。一方で、実際に導入しているのは大企業で52%、中小企業では35%。「効いた」と答える率が高いのに、使っている率は低い──このねじれが、中小企業の採用にとって一番もったいないポイントかもしれません。

KEY METRIC
87%
中小企業の評価
「成果が出た」と答えた中小企業の割合
中途採用で実施している手法のうち、成果があったものとして「リファラル採用」を選んだ中小企業は87%。導入企業の9割弱が、手応えありと評価しています。

理由はシンプルで、中小企業のリファラル採用は「採用コスト」と「ミスマッチ」の両方に同時に効きやすいからです。紹介経由の入社は、社員自身が会社の空気を語ったうえで来てくれるので、入社後のギャップが起きにくい。コスト面でも、紹介報酬の相場は正社員一人あたり10〜30万円程度と、人材紹介手数料(年収の30〜35%)の何分の一かに収まります。

大企業のリファラルと、中小企業のリファラルは違う

「リファラル採用」と一括りにされがちですが、規模によって運用の前提がまったく変わります。大企業のリファラルは制度設計と運用ツールが主役。一方、中小企業では制度よりも「経営者の本気度」と「社員の納得感」のほうが、はるかに効くと言われています。

COMPARISON
大企業のリファラル
制度とツールが主役
専任チーム、リファラル運用ツール、ポイント制の報酬設計。母集団形成の一手段として、KPIで管理されることが多い。
中小企業のリファラル
経営者と現場の本気度が主役
社長自身が「うちで働く理由」を語り、現場社員が安心して紹介できる空気をつくる。制度よりも、顔の見える関係性がそのまま競争力になる。

「制度を作ってから動かそう」と考えると、たいてい止まります。実は中小企業のリファラルは、小さく始めて、走りながら整えるほうが結果的に早いケースが多いんです。次の4ステップは、Coachersがクライアントとよくたどっている始め方です。

小さく始める、リファラル採用の4ステップ

STAGE FLOW
STAGE 1「誰を、なぜ採るか」を社内で言語化する
STAGE 2経営者が一人ひとりに「紹介してほしい」と話す
STAGE 3「応募」ではなく「カジュアル面談」を入口にする
STAGE 4紹介者にフィードバックを返す仕組みをつくる

特に効くのがSTAGE 2です。社員アンケートやSlack告知ではなく、社長や役員が「あなたが信頼できる人を、紹介してほしい」と一人ずつ話しかける。これだけで、紹介の発生確率はかなり変わります。逆にここを飛ばして「紹介したらインセンティブ◯万円」のチラシだけ貼ると、動かないことが多いです。

そしてSTAGE 4を忘れがちです。紹介してくれた社員に「会ってみたよ」「ご縁にはならなかったけれど、こういう理由だった」と必ず返す。紹介は信頼で動くので、結果よりも「ちゃんと向き合ってくれた」という体験のほうが、次の紹介を呼びます。

よくある「進めにくい」をほどいてみる

FAQ
Q
縁故採用との違いは何ですか?
A
最大の違いは、選考の公平性と透明性です。リファラルは紹介を「入口のきっかけ」として扱うだけで、面談・評価基準は他の応募者と同じ。「紹介だから採る」ではなく「同じ基準で見て合う方だったから採る」が前提です。
Q
不採用にした場合の関係性が気になります
A
入口を「カジュアル面談」にしておくと、ぐっと和らぎます。応募=合否ではなく、まずはお互いを知る場として設定しておくと、「合わなかった」という結果が双方にとって自然な選択になりやすいです。
Q
インセンティブはいくらくらいが妥当?
A
中小企業の相場は正社員一人あたり10〜30万円あたりが多めのようです。ただし、金額の大小よりも「紹介してくれてありがとう」が伝わる渡し方のほうが、結果的に紹介の質と再現性に効きます。
C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

「制度がないから動けない」と感じている会社さんはとても多い印象があります。けれどリファラル採用に関しては、制度より先に「語れる言葉」と「経営者の手間」のほうが、ずっと効く気がしています。

求人広告や採用サイトをつくる仕事の根っこにはいつも、「自社のことを社員自身が語れるか」という問いがあります。これはHRブランディングそのもので、紹介してもらうときの一言が出てくるかどうかは、ふだん社員が会社をどう語っているかの延長線上にあるのだと思います。

なので、リファラルに踏み出すかを考えるとき、最初に整えたいのは制度ではなく「うちはどんな会社で、どんな人と働きたいか」の言語化です。求人広告も、採用サイトも、社内向けの言葉も、ここから先は地続きでつながっていきます。

ACTIONS
STEP 01
「紹介したくなる一言」を社内で集めてみる
社員に「うちの会社を一言で表すと?」と聞いてみる。出てきた言葉が、紹介トークの素材になります。
STEP 02
経営者が3名にだけ声をかけてみる
いきなり全社展開ではなく、信頼している社員3名に直接お願いする。動き出しの「初速」をここで作ります。
STEP 03
入口を「カジュアル面談」に変える
紹介された方には、いきなり選考ではなく30分のカジュアル面談を設定。お互いの心理的ハードルを下げます。
STEP 04
紹介者へのフィードバックを定型化する
結果に関わらず必ずお礼と感想を返す。テンプレートを1つ用意するだけで、運用の継続性がぐっと上がります。
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採用活動チェックシート
5領域 × 25問で、採用の盲点を5分で可視化。中小企業の人事担当者向けに、設計/集客/サイト/選考/定着の5カテゴリでまとめた自己診断シートです。わかる質問はスキップOK。気軽にどうぞ。
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Coachersは6人のHRブランディングベンチャーです。求人広告・採用サイト・紹介ツール制作を通じて、社員自身が会社を語れるようになる土台づくりをお手伝いしています。リファラルに踏み出す前の言語化から、ご一緒できます。

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