大卒3年以内離職率33.8%、5〜29人規模は52.0%──小さな会社の定着4ステップ
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大卒3年以内離職率33.8%、5〜29人規模は52.0%──小さな会社の定着4ステップ

Branding, 2026.05.11 By 中村 尚人

「新卒で入ってきた子が、思ったより早く辞めてしまった」──。中途採用の話が増える一方で、新卒の早期離職の悩みは、わたしたちCoachersのもとにも変わらず届きます。

厚生労働省が2025年10月に公表した最新の統計では、大卒新卒の就職後3年以内離職率は33.8%。前年から1.1ポイント低下したものの、規模が小さい会社ほど数字が厳しくなる構造は変わっていません。

「うちの規模だと、何をどこまでやればいいのか」──そんな問いに、できるだけ等身大の打ち手を一緒に考えてみたいと思います。

数字で見る、新卒3年以内離職率の「規模差」

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」(令和4年3月卒業者・2025年10月公表)によると、大卒新卒の3年以内離職率は33.8%。10人入社したら、3年で3人が辞めている計算です。ただし、企業規模別に見ると、その厳しさはかなり違います。

IMPACT MAP
大卒・企業規模別 / 就職後3年以内離職率(令和4年3月卒業者)
5人未満57.5%
5〜29人52.0%
30〜99人41.9%
100〜499人33.9%
500〜999人31.5%
1,000人以上27.0%

5〜29人規模では半数以上(52.0%)が3年で離職している一方、1,000人以上では27.0%にとどまっています。「中小企業の方が早期離職が多い」というのは、肌感覚だけでなく、はっきり数字に出ている構造です。「うちの会社は離職が多くて当たり前」と諦めてしまいたくなる気持ちもありますが、同時に、同じ規模感の中でも定着率が高い会社は確かに存在します。差は、規模ではなく「やっていること」なのかもしれません。

小さな会社でもできる、新卒定着の4ステップ

中小企業の人事担当者さんからよく相談いただくのは、「制度を作る前にやれることはないか」というご質問です。わたしたちCoachersでも、ご支援する中で繰り返し効いている流れがあります。完璧な制度設計より、採用→入社→3カ月→半年という4つの節目を、人事と現場で意識的に区切る。これだけでも、見える景色がだいぶ変わると感じています。

STAGE FLOW
STAGE 1入社前:期待値の握り直し
STAGE 2入社直後:配属先と人事の連携窓口
STAGE 33カ月:小さな成功体験と裁量
STAGE 4半年:同期が再集合する場をつくる

STAGE 1は、入社前の期待値の握り直し。配属、仕事内容、初年度に任せる範囲を、面接時から内定後まで一貫した言葉で伝えられているか。ここがズレると、入社後すぐ「思っていたのと違う」が始まります。STAGE 2は、配属直後に「人事と配属部署が連携する窓口」を一つだけでも置くこと。月1回15分、新人について話す時間があるだけで、現場任せの孤立を防げます。

STAGE 3では、小さな成功体験と裁量を意識的に渡す。「少数精鋭ゆえに若手から責任ある仕事を任せる」と、新卒3年離職率0%を維持するハーゲンダッツ ジャパンも語っています(HRzine 2025年12月)。これは大企業の特権ではなく、むしろ規模が小さい会社ほどやりやすいことです。STAGE 4は、半年後に同期で集まる場をつくること。「またがんばろう」と励まし合う節目があるかどうかで、踏みとどまる確率は変わります。

自社の「新卒の最初の1年」、揃っているか

いきなり大きな制度を組まなくても、まずは「いまの自社ができていること/できていないこと」を可視化するところから始めてみませんか。以下のチェックリストを、社内で一緒に眺めるところからでも、十分にスタート地点になると思います。

CHECKLIST
採用ページと内定通知書で、「初年度に任せる仕事」が同じ言葉で書かれている
配属直後に、人事と配属部署の上長が新人について話す時間が月1回ある
入社3カ月の時点で、新人に「小さく任せる仕事」が1つ以上ある
半年後の「同期が顔を合わせる場」が、入社前から日付で決まっている
「困ったら誰に聞けばいいか」が、配属先以外にも1人以上、新人にわかっている

5つすべてに「はい」と言えれば、規模が小さくても新卒定着の土台はそろっています。逆に、3つ以上「いいえ」が残るようなら、まずはそこから一つずつ揃えていく、で十分だと感じています。制度より、節目を区切る習慣。これは、規模が小さい会社にこそ向いている戦い方です。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

5〜29人で52%、30〜99人で41.9%という数字を「中小だから仕方ない」と片づけてしまうと、打ち手が止まってしまいます。一方で、同じ規模感でも新卒が長く働き続ける会社は確かに存在していて、そこにあるのは派手な制度というより、「節目ごとに、ちゃんと顔を合わせて話す」というシンプルな運用であることが多いと感じています。

HRブランディングの観点から見ると、定着の打ち手は「入社後だけの話」ではありません。採用ページや求人広告の段階で、「初年度に任せる仕事」や「半年後の節目」を具体的に書けているか。ここがズレていると、入社後にどれだけフォローしても「聞いていた話と違う」が先に来てしまいます。入口の言葉と、入社後の現場をそろえる作業こそ、わたしたちが伴走したい部分です。

ACTIONS
採用ページの「初年度に任せる仕事」を一文で書き直す
期待値ズレの起点は、入口の言葉。曖昧な「やる気重視」ではなく、最初の半年で任せたい1つの仕事を具体的に書いてみませんか。
人事×配属上長の「15分定例」を1本だけ追加する
月1回15分でかまいません。新人について現場と人事が話す枠を1つ持つだけで、現場任せの孤立はかなり減ります。
半年後の「同期再集合」を、入社前にカレンダー登録する
「またがんばろう」と思い直す節目があるかどうかで、踏みとどまる確率は変わります。日付だけでも先に確定してしまいませんか。
FAQ / よくある質問
Q. 大卒の3年以内離職率は何%ですか?
厚生労働省が2025年10月に公表した「新規学卒就職者の離職状況」(令和4年3月卒業者)では、大学卒業者の就職後3年以内の離職率は33.8%でした。およそ3人に1人が3年以内に最初の会社を離れている計算になります。
Q. 離職率は企業規模でどのくらい違いますか?
同じ調査では、事業所規模5人未満で57.5%、5〜29人で52.0%、1,000人以上で27.0%と、規模によって2倍以上の開きがあります。従業員30人未満の会社では、大卒新卒者の半数以上が3年以内に離れている計算です。
Q. なぜ規模が小さいほど離職率が高くなるのですか?
研修や配属先を選べる余地が小さいこと、相談できる同期や先輩の数が限られること、キャリアの道筋が見えにくいことなどが重なりやすいためです。一方で、小さな会社にしかない裁量の大きさや意思決定の速さもあります。採用の段階でそこを正直に伝えられているかが分かれ目になります。
Q. 小さな会社が新卒の定着を高めるには、何から始めればよいですか?
まずは入社後1年の道筋を書き出して、選考の段階で見せてしまうことです。最初の3ヵ月で何ができるようになるのか、誰が教えるのか、1年後にどんな仕事を任されるのか。研修制度そのものより、「この会社にいる自分」を想像できるかどうかが定着を左右します。
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採用活動チェックシート
5領域 × 25問で、採用の盲点を5分で可視化。中小企業の人事担当者向けに、設計/集客/サイト/選考/定着の5カテゴリでまとめた自己診断シートです。今回テーマにした「定着」も含まれています。わかる質問はスキップOK。気軽にどうぞ。
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入口の言葉と、入社後の現場。新卒定着のために、一度そろえ直してみませんか。
Coachersは、求人広告・採用サイト・採用動画など、HRブランディングの観点から「入る前と入った後」をひとつながりで設計する制作チームです。6人の小さなチームだからこそ、同じ目線で並走できると感じています。

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中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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