人事評価が “機能している” は18.9%、採用と地続きで見直したい3つの論点
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人事評価が “機能している” は18.9%、採用と地続きで見直したい3つの論点

Branding, 2026.05.15 By 中村 尚人

「うちの評価制度、ちゃんと機能してますか?」── 候補者からそう聞かれて、少し言葉に詰まった経験はありませんか。

2026年5月に日本経営グループが公開した調査では、評価制度が「完全に機能している」と答えた企業は18.9%。裏を返せば、約8割の会社が「改善の余地あり」と感じている、という結果が出てきました。

採用担当の現場からは少し遠いテーマに見えるかもしれません。でも、入社後の「評価のされ方」は、採用ブランディングと地続きの話だと感じています。今日は、その境界線を一緒に整理してみたいと思います。

「完全に機能している」のは18.9%という現実

KEY METRIC
18.9%
完全に機能
評価制度が「完全に機能している」割合
日本経営グループの実態調査(2026年5月公開)で示された数字です。約8割の企業が「改善の余地あり」と回答していて、評価制度の悩みは思った以上に共通言語になりつつある気がしています。

「完全に機能している」が2割弱、と聞いて、思ったより多いと感じる方もいれば、思ったより少ないと感じる方もいるかもしれません。重要なのは、評価制度に課題感を持っているのは、けっして自社だけではないという事実です。むしろ「いまの仕組みのままで本当にいいんだっけ」と立ち止まれる会社の方が、結果的に採用にも強くなれる、と感じています。

そして、ここからが今日の本題です。候補者は、入社前から評価制度に関心を持っています。「評価のばらつきが大きいって聞いたんですけど…」と面接で訊かれたとき、慌てずに語れる言葉を持っているか。採用と評価は、思っている以上に隣り合わせのテーマですよね。

管理職が感じている「3つのつまずきポイント」

IMPACT MAP
評価者間で評価がばらつく63.8%
評価基準があいまい30.0%
フィードバックが形骸化している25.0%

調査では、管理職が抱えている悩みのトップ3として、上記の3項目が挙がっています。評価者間でのばらつき63.8%は、想像以上に多いと感じた方もいるかもしれません。同じ仕事をしていても、上司Aと上司Bで評価が割れる ── これは現場で働く側からすると、いちばん納得感を持ちづらいポイントですよね。

この3つは、別々の問題に見えて、実は地続きの話です。「基準があいまい」だから「評価者によってばらつく」、ばらつくから「フィードバックも形だけになりがち」── そんな連鎖が起きてしまうことが多いと感じています。一気に直そうとせず、どこか1点から少しずつ整えていく、という発想がしっくりくる気がしています。

採用担当の現場で出てくる「3つの質問」

FAQ
Q
面接で「評価制度はどんな仕組みですか」と訊かれたら、どう答えるとよいでしょうか?
A
完璧に答えなくて大丈夫です。むしろ「いま見直しの真っ最中で、こんな観点を大事にしたい」と進化のプロセスごと共有する姿勢のほうが、誠実さが伝わると感じています。
Q
評価制度の話は、求人広告や採用サイトに載せるべきテーマですか?
A
無理に載せる必要はありませんが、「どう評価され、どう次のステップへつながるか」が伝わる情報があると、入社後のミスマッチがぐっと減る印象があります。具体的な事例ベースで書くと響きやすいですよね。
Q
小さな会社でも、評価制度の発信は採用に効くものでしょうか?
A
むしろ規模が小さいほうが、評価する側される側の距離が近いことがプラスに働きやすいと感じています。「上司と週1で1on1」「半年に1回キャリア面談」のような小さな運用も、立派な発信材料になりますよ。

わたしたちCoachersも小さなチームなので、「制度として整える」より先に「お互いに対話を増やす」ことを優先しているのが正直なところです。完璧な評価制度を最初から持っている会社は、ほとんど存在しないですよね。少しずつ整えていく途中であることそのものを、採用の場面でちゃんと言葉にできるかどうかが、案外大きな差になっている気がしています。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

評価制度の話は、つい人事制度の担当者だけの仕事に見えてしまいがちです。でも、採用の入口で候補者が知りたいのは、「入社したあと、自分のがんばりがどう扱われるのか」という未来の景色なんですよね。今回の調査の数字は、その景色がまだ描き切れていない会社が大半である、ということを教えてくれている気がしています。

わたしたちが大切にしているHRブランディングは、「制度が完璧であること」を目指す活動ではありません。むしろ、いまのリアル ── 整え途中の部分も含めて ── を、丁寧に、誠実に翻訳して外に出していく営みだと考えています。評価制度の改善プロセスそのものを、採用メッセージの中に組み込んでみる、という発想もあり得ます。

「うちはまだ評価が手探りなので、採用で言えることがない」── そんな声を聞くたびに、もったいないなと感じます。手探りであることそのものが、いまの中小企業のリアルですし、共感を呼ぶ材料にもなりますよね。Coachersも同じ立場の小さなチームとして、一緒に翻訳のお手伝いができればうれしいです。

今日からできる3つのアクション

ACTIONS
「うちの評価制度」を一文で説明できるか試してみる
候補者に短く語れるかどうかで、自社の言語化レベルが分かります。詰まったところが、整理のスタート地点になりますよね。
入社後1年の評価フローを、採用サイトに1ページ足してみる
「入社→3ヶ月レビュー→半年後の1on1→1年後の評価」のような時間軸で見せると、候補者の不安がほどけやすくなります。
面接官の間で「評価言語」をすり合わせる時間を15分だけ取る
採用の合否基準が揃わない原因は、評価基準の揺らぎと地続きです。次の面接前に、3つの観点だけでも揃えてみませんか。
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