約3分の2が「新卒採用のやり方を変える必要」――中小が今から動く4ステップ
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約3分の2が「新卒採用のやり方を変える必要」――中小が今から動く4ステップ

Branding, 2026.05.23 By 中村 尚人

「新卒採用、今のやり方を変える必要がありますか?」――そう聞かれたら、どう答えるでしょうか。直近の人事調査では、約3分の2が「変える必要がある」と回答しました。

一方で、約4分の3は「新卒採用を続けることは会社の発展にとって重要」とも答えています。やめるわけではない、でも今のままでもない。多くの会社が、その狭間で迷っているように見えます。

中小企業の採用担当として、わたしたちCoachersも同じ感覚を持っています。今日は5年後を見据えた採用構成の見直しについて、一緒に考えてみたいと思います。

「重要だけど、変えなきゃ」が現場の本音

リクルートマネジメントソリューションズが2026年2月に実施した「企業の新卒採用実態調査2026」(従業員100名以上の人事779名)では、新卒採用の現場が抱える「両面性」が浮き彫りになりました。重要性を強く認識しつつ、同時にやり方の見直しを迫られている。数字で並べると次のようになります。

KEY DATA
新卒採用を続けることは重要
約3/4(約75%)
今のやり方を変える必要
約2/3(約66%)
計画人数の達成に苦戦
約6
縮小・廃止を検討した
約1/3(約33%)

注目したいのは、新卒採用に対する否定ではなく「やり方の見直し」が論点になっていることです。新入社員の育成に時間や人員を割けないと感じている管理職が約3分の2、マネジメントに難しさを感じている管理職が約6割。採用の入口だけでなく、入社後の受け入れ体制までを含めた再設計が、課題として浮かんできているように見えます。

5年後、採用構成はこう変わる

同調査では、直近1年間と「約5年後」の採用構成の見通しも比較されています。新卒中心の会社が、徐々に中途とのバランスに移っていく――そんな変化が読み取れます。

COMPARISON
NOW (直近1年)
新卒採用が主の会社
38.3%
「新卒採用とキャリア採用が半々くらい」は10.8%。新卒主体の体制が標準で、中途は補完という位置づけが中心。
5 YEARS LATER
新卒採用が主の会社
25.8%
「半々くらい」が21.6%まで拡大。新卒×中途のベストミックスで会社をつくる流れが強まる見通し。

新卒採用の目的としては「今後の伸びしろの大きい人材」「長期間にわたって勤務する可能性の高い人材」が上位。一方、中途は「即戦力」「不足スキルの補完」「欠員対応」が上位です。同じ「採用」と呼んでいても、役割と打ち手は別物として考えていく段階に入ってきているのかもしれません。

中小企業が今年からできる、見直し4ステップ

100名以上の会社の話?と感じるかもしれませんが、中小企業ほど人数の少なさが効くので、今のうちに「型」を整えておくと数年後の効きが変わってきます。大きな投資をしなくても始められる順序として、4ステップを並べてみました。

STAGE FLOW
STAGE 1新卒/中途で「採る目的」を分けて言語化
新卒は「伸びしろ・長期勤続・組織への刺激」、中途は「即戦力・専門性・欠員補完」を出発点に、1〜2行でいいので自社の言葉に置き換えてみる。
 
STAGE 25年後の人員構成をざっくり描く
年代×職種で「いてほしい人数」を逆算し、新卒/中途のどちらで埋めるかを色分け。空きが多い帯ほど、来年の打ち手が決まりやすい。
 
STAGE 3受け入れ・育成側の負担を点検する
管理職1〜2名に「育成にかけられる時間」「いま困っていること」をヒアリング。3年以内離職33.8%の手前で、現場の限界線が見えてくる。
 
STAGE 4新卒/中途それぞれの伝え方を再設計
求人原稿・採用サイト・面接質問を、新卒向け/中途向けに分岐させる。トンマナは共通のまま、押し出す側面だけを変える。

特にSTAGE 1が肝です。「新卒で伸びしろを採る」「中途で即戦力を採る」と書き分けるだけで、求人原稿・採用サイトの言葉・面接の質問が自然に変わっていきます。同じ会社でも、若手と中堅では刺さるメッセージが違う。当たり前のようでいて、ここを混ぜたまま発信している会社は意外と多い気がしています。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

「新卒採用を続けることは重要(約75%)」と「やり方を変える必要がある(約66%)」が同時に高いという、否定でも肯定でもなく、「重要だからこそ変える」という静かな決意のような数字に見えます。背景には、大卒の3年以内離職率が長らくの32%前後から直近33.8%へとじわり上がっているという足元の事実もあり、「変える」のは入口だけでなく、入ってからの3年をどう支えるかまで含めての話なのかもしれません。

中小企業の場合、新卒と中途を完全に分けたチーム体制を持つのは難しいことが多いと思います。だからこそ大事なのは、HRブランディングとして「誰に・どんな会社として見られたいか」を一本化しつつ、新卒/中途で伝える側面を出し分けることです。たとえば採用サイトの情報設計という視点で見ると、「成長機会」を強調する新卒向けページと、「裁量と専門性」を語る中途向けページが、同じトンマナで並んでいる――そんな構造が理想形に近づきます。

5年後の採用構成は、5年後に決まるのではなく、今年の小さな選択の積み重ねで決まっていきます。わたしたちCoachersも、自社の採用と向き合いながら、見直し続ける側でありたいと感じています。

ACTIONS
新卒/中途で「採る目的」を1行ずつ書き出す
「新卒は◯◯、中途は△△」と1行ずつ書いてみる。混ざっていれば、そこから整理がスタートできます。
 
5年後の人員構成をざっくり1枚にまとめる
年代別・職種別に、5年後どうあってほしいかを1枚に。新卒/中途の比率はその「逆算」で見えてきます。
 
受け入れる現場の管理職に1人ヒアリング
育成に時間が割けない、マネジメントが難しい――現場の声を1人だけでも聞くと、優先順位が変わります。
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中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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