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求人件数190.7%増でも応募は別物──業種で二極化する中途採用の「見せ方」
「求人を出せば、応募はある程度来る」── そんな感覚で母集団を見ていた時期が、わたしたちにもありました。でも最近、その前提が業種によってずいぶん違うのではないか、と感じる場面が増えてきた気がしています。
マイナビの最新レポートを見ると、求人件数は前年同月比で190.7%も伸びた業種がある一方、応募数の動きはまったく別のリズムで動いていました。「全体で何%」では見えない、業種ごとの温度差です。
求人件数と応募数が、同じ方向に動いていない。これは採用担当として、どう受け止めればいいのでしょうか。今日は数字を一緒に眺めながら、「自社はいまどの土俵にいるのか」を考えてみたいと思います。
「増えた業種」と「集まった業種」がズレている
マイナビ「2026年4月度 正社員の求人件数・応募数推移レポート」によると、求人件数と応募数は、どちらも業種ごとにまったく違う伸び方をしていました。下の比較は、その「ズレ」がよく分かる2つの切り口です。
直近の動き(前月比)で見ても、「運輸・交通・物流・倉庫」は求人件数が105.7%、応募数が131.9%と、求人より応募の伸びが大きく出ていました。つまり同じ業種でも、月によって「出す側」と「集まる側」のバランスは揺れ続けています。「うちの業種は応募が来にくい」と一括りにする前に、足元の数字を見る価値はありそうです。
前年比で見ると、市場の「温度差」がはっきりする
同じ「採用市場」と一言で言っても、数字を前年と比べると、業種ごとの体感はかなり違ってきます。代表的な3つを並べてみました。
数字の幅を見ていると、「採用がうまくいかない=自社の力不足」と決めつけるのは、少し早いのかもしれない、と感じます。そもそも自社が立っている業種が、いま追い風なのか向かい風なのか。その前提を押さえてから打ち手を考えるだけでも、力の入れどころが変わってくる気がしています。
「件数 × 応募」の4象限で、自社の立ち位置を捉える
業種ごとの具体名はさておき、自社の求人を「求人件数(=競合の出稿量)」と「応募数(=集まりやすさ)」の2軸で置いてみると、いま注力すべきポイントが見えやすくなります。あくまで考え方の枠ですが、一緒に当てはめてみませんか。
もし自社が「見せ方が効くゾーン」にいるとしたら、媒体を増やすより先に、いまの求人原稿が”自社の魅力”をちゃんと言語化できているかを見直すほうが、費用対効果は高いかもしれません。同じ求人枠でも、伝わり方ひとつで応募の集まりは変わってくる── そんな実感があります。
求人件数と応募数がこれだけ業種でバラつくと、「全体平均」を眺めても自社の打ち手はなかなか見えてきません。大事なのは、自社がどの土俵に立っていて、その土俵では何が効くのかを、まず正しく捉えることだと感じています。
わたしたちCoachersは、これをHRブランディングの問題だと捉えています。応募が集まりにくい局面ほど、「条件」ではなく「この会社で働く意味」が候補者の判断を左右します。求人広告の原稿を一段見直すだけでも、同じ予算で伝わる情報量はずいぶん変わってくるはずです。
市場の風向きは自分たちでは変えられません。でも、「どう見せるか」は今日からでも整えられます。風が向かい風なら、なおさら見せ方で踏ん張る ── そう考えると、できることは案外多い気がしています。
- マイナビキャリアリサーチLab「2026年4月度 正社員の求人件数・応募数推移レポート」 https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260518_110616/
- マイナビキャリアリサーチLab「2026年4月度 中途採用・転職活動の定点調査」 https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260529_111552/
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