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紹介者の金銭目的は11%──「お金で回すリファラル」という誤解を解く
「うちもリファラル採用を増やしたい。でも、紹介してくれた社員にいくら払えばいいんだろう」——制度設計の話になると、まず報酬額の話から始まること、ありませんか。
ところが、利用企業800社・約60万人の活動データを分析したある調査では、紹介の動機を「ボーナス収入のため」と答えた社員はわずか11%。そして掲載求人の58%には、そもそもインセンティブが設定されていませんでした。
お金で回す仕組みではないとしたら、リファラル採用は何で動いているのでしょうか。今日は「戦わない採用」と呼ばれるこの手法の実態を、データから一緒にほどいてみたいと思います。
「高い報酬を出せば集まる」は、思っているほど当たっていない
調査によると、多くの紹介者が動機として挙げたのは「友人へのホスピタリティ」や「会社への当事者意識・帰属意識」でした。つまり報酬は、紹介という行動を生み出すエンジンではなく、「いま自社が募集している」という事実を社員に思い出してもらうきっかけに近いものなのかもしれません。
ここが、リファラル採用を「お金の話」として設計し始めると、なかなか伸びない理由のひとつだと感じています。高額化すればするほどコストは膨らみ、質は下がる。出発点を少しずらすだけで、見える景色が変わってきそうです。
そもそも、半数以上の求人は「報酬なし」で回っている
では、報酬の代わりに何が紹介を後押しするのでしょうか。調査で見えてきたのは、意外にも「人事からの声かけの頻度」でした。週に1回、人事から社員へメール配信をしている企業は、コミュニケーションが月1回未満の企業と比べて、応募獲得数に4.8倍の差が生まれていたといいます。
紹介のきっかけになったコミュニティを見ると、前職の同僚・先輩・後輩が33.3%、ビジネスを通じた知り合いが23.1%、学生時代の友人・知人が22.6%と、特定の人脈に偏っていません。「友人がいないから協力できない」と感じる社員は多いのですが、実際にはどんな社員にも紹介のきっかけは眠っている。それを思い出してもらう接点を、どれだけ用意できるかが分かれ目になりそうです。
報酬以外で「紹介が生まれる」状態をつくる4ステップ
どのステップにも共通しているのは、「社員が自社のことを語れるかどうか」という一点です。報酬の設計に時間をかける前に、社員が友人に見せられる自社の情報がそろっているか。ここを整えるだけでも、紹介の生まれやすさは変わってくるように感じています。
リファラル採用が報酬で動いていないという事実は、わたしたちCoachersにとっても示唆的でした。社員が友人に「いい会社だよ」と言えるのは、その人の中に自社の魅力が言語化されているからです。逆に言えば、魅力が社内で共有されていない会社は、いくら報酬を積んでも紹介が生まれにくい、ということかもしれません。
これは、外向きの採用広報と地続きの話だと感じています。「自社の魅力を37%の社員が語れない」という状態は、求人原稿や採用サイトに載せるべき言葉が、まだ社内で見つかっていないサインとも読めます。HRブランディングの視点で見ると、リファラルの素材づくりと採用広報の言語化は、本来ひとつの作業です。
紹介者・入社者の声を集めて素材に還す——というステップは、そのまま採用サイトのコンテンツにもなります。リファラルのために整えた言葉が、他の入口でも効いてくる。どのチャネルから手をつけても採用課題は地続きだと、あらためて感じる調査結果でした。
- TalentX Lab.「MyRefer(MyTalent Refer)利用企業800社のリファラル採用応募・決定・活動調査レポート」 https://mytalent.jp/lab/resource_321/
- 厚生労働省「高年齢者雇用安定法改正の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1_00001.html
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