中途採用の打ち手は「広告出稿」最多、でも “認知のあと” が手薄かもしれません
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中途採用の打ち手は「広告出稿」最多、でも “認知のあと” が手薄かもしれません

Branding, 2026.06.09 By 中村 尚人

人手不足倒産が過去最多の442件。中途人材は55.4%の企業が「採りたいのに採れない」と答えるいま、採用がうまくいっている会社の打ち手の最多は、やはり「求人媒体への広告出稿」でした。

求人が「出会いの入口」として主役になるのは、自然なことだと思います。ただ──気になるのは、その「認知してもらったあと」。せっかく見つけてくれた人をどう動かすか、という部分が、意外と手薄になっていないでしょうか。

出稿先を増やす前に、「出会ったあと」を整える。今日は、見落とされがちな”認知後の効果最大化”を一緒に考えてみたいと思います。

「接点をつくる」に偏り、「接点を活かす」が手薄

フォーバルの調査で、「予定数を採用できている」中途採用の企業に取り組みを聞くと、最多は「求人媒体への広告出稿」(50.3%)。出会いの入口として求人が主役になるのは、自然なことだと思います。ただ、同じリストを下まで眺めると、少し気になる偏りが見えてきます。

IMPACT MAP
採用のための取り組み(中途人材/n=117・複数回答可)  認知のあとを活かす施策
求人媒体への広告出稿50.3%
 
ハローワーク・地域特化の求人サービス46.3%
 
エージェントの活用33.9%
 
社員からの紹介31.6%
 
採用向けwebサイト・コンテンツの充実24.9%
 
SNS・動画での情報発信13.0%
 

上位は「広告出稿」「ハローワーク」「エージェント」と、人と出会うための接点づくりが並びます。一方で、見つけてくれた人を動かす側の施策──採用向けwebサイト・コンテンツの充実は24.9%、SNS・動画での情報発信は13.0%と、ぐっと下がります。出会いには手を尽くしているのに、「認知してくれた人をどう動かすか」は、まだ4社に1社、7〜8社に1社という温度感。求人という入口がメインになるのは仕方ないとして、その先の“認知後の効果最大化”が後回しになっていると言えそうです。ちなみに「ロボット・AI等による業務効率化」も11.6%にとどまり、打ち手はまだ「人を集めること」に集中しています。

“認知のあと”を最大化する、4つの接点

求人広告が運んでくれるのは「出会い」までです。その先で候補者の気持ちが動くかどうかは、認知のあとに用意した接点で決まってきます。お金をかけ直す話ではなく、いまある接点を少し設計し直す、というイメージで眺めてみてください。

STAGE FLOW
STAGE 1認知:求人で出会う
求人原稿の冒頭で「誰に・何を約束するか」を一文にする。条件の羅列で終わらせず、クリックした先に続きが用意されている状態にしておきます。
 
STAGE 2興味:自分で調べられる
候補者は応募前に必ず裏取りをします。採用サイトや自社発信で「働く実態」を見せる。ここが空白だと、認知が興味に変わる前に離脱してしまいます。
 
STAGE 3応募・面談:対話する
初回連絡のスピードと、面談を「見極めの場」から「相互理解の場」へ。自社で言葉にしづらい魅力は、エージェントなど外部の知見に翻訳してもらうのも一手です。
 
STAGE 4意思決定:選ばれる
最後の決め手は条件だけではありません。「入社後にどんな自分になれそうか」を具体的に手渡せると、迷っている候補者の背中をそっと押せる気がしています。

4つを完璧にそろえる必要はないと思います。ただ、STAGE 1の「出会い」にコストを集中させているうちに、STAGE 2〜4が手つかずのまま、という会社は少なくないかもしれません。認知のあとに小さな空白があるだけで、せっかくの出会いがこぼれてしまう。そこは、たぶん予算より先に見直せる場所です。

求人媒体を中心とした「待ち」の姿勢から、自社の魅力を発信して差別化を図る「攻め」の採用への転換が必要です。
— 平良 学/フォーバル GDXリサーチ研究所 所長

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

「採れない」と感じたとき、つい入口(=出稿量)を増やす方へ意識が向きます。でも今回の数字を眺めていて感じるのは、足りていないのは”認知の量”ではなく、”認知のあとの設計”なのかもしれない、ということでした。9割の求職者がサイトに訪れるデータもあります。せっかく見つけてくれた人を、応募と納得まで運ぶ動線が、思いのほか空いている。

これはまさにHRブランディングが効く領域だと感じています。求人広告の原稿を「業務と条件の一覧」から「ここで働くと何が得られるか」に書き換える。採用サイトの情報設計という視点で、候補者が知りたい順に情報を並べ直す。どれも派手ではないけれど、同じ認知から引き出せる結果が変わってくる、地味で確かな打ち手です。

入口を広げるのは大事。それと同じくらい、「出会ったあと」をていねいに設計する。その両輪がそろったとき、「待ち」が少しずつ「攻め」に変わっていくのかもしれません。今日の求人票を一行書き換えるくらいの距離から、一緒に始めてみませんか。

ACTIONS
求人のクリックの先に「続き」があるか確かめる
求人を見た人が次に開くページ(採用サイト・自社発信)が用意できているか。空白なら、まずは1ページ分の「働く実態」から埋めてみませんか。
 
初回連絡までの時間を一度ストップウォッチで測る
応募から最初の連絡まで何時間かかっているか。認知のあとの離脱は、スピードひとつで意外と変わることがあります。
 
「自社の魅力」を社外の目で翻訳してもらう
中で見ると当たり前の魅力ほど、言葉になりにくいもの。エージェントや外部の知見を借りて、伝わる言い方に置き換えてみるのも一つです。

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Coachersは、求人広告・採用サイト・採用ブランディングを通じて、認知のあとの動線づくりを一緒に整えるお手伝いをしています。どのサービスからでも、まずは現状整理からご一緒できます。

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中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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