年間休日の平均は112.4日──中小の35.4%が120日以上、求人票での伝え方
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年間休日の平均は112.4日──中小の35.4%が120日以上、求人票での伝え方

Branding, 2026.08.14 By 中村 尚人

年間休日の平均は、いま過去最多を更新しています。厚生労働省が2025年12月に公表した「令和7年就労条件総合調査」によると、1企業平均は112.4日。1985年以降でいちばん多い数字です。

ただ、この数字を見て「うちも平均くらいはあるな」と安心できるかというと、少し話が込み入っています。従業員30〜99人規模だけを取り出すと111.2日。1,000人以上との差は6.5日で、週に直せば1日にも届きません。それなのに候補者の画面の上では、もっと大きな差になって現れることがあります。

差をつくっているのは、日数そのものではないのかもしれません。求人検索にある「年間休日120日以上」という、たった一つのチェックボックスの話です。今日はこの数字の内訳と、求人票での見せ方を一緒に見ていきたいと思います。

KEY DATA / この記事の数字
常用労働者30人以上の民営企業の、1企業平均の年間休日総数(2024年1年間) 112.4日
従業員30〜99人規模の企業の、1企業平均の年間休日総数 111.2日
従業員1,000人以上規模の企業の、1企業平均の年間休日総数 117.7日
年間休日が120日以上の企業の割合(30〜99人規模/1,000人以上規模) 35.4%/57.8%

出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(2024年1年間の実績・有効回答3,820社)

年間休日の平均は、いま何日なのでしょうか

常用労働者30人以上の民営企業の年間休日総数は、1企業平均で112.4日です(厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」、2024年の1年間の実績、有効回答3,820社)。企業ごとの日数を単純に平均した数字がこれで、働く人の数で重みづけした「労働者1人平均」で見ると116.6日になります。どちらも1985年以降で最も多い水準です。

数字が2つあるのは、大きな会社ほど休日が多く、そこに人が多く在籍しているからです。会社の数で数えると112.4日、人の数で数えると116.6日。求人票に書く数字は前者に近い感覚なので、自社の水準を確かめるときは112.4日のほうを物差しにするほうが実感に合うかもしれません。

TREND
1企業平均の年間休日総数
112.4
▲ +0.3日
前年調査(112.1日)比
労働者1人平均の年間休日総数
116.6
▲ +0.2日
前年調査(116.4日)比

出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」

規模による差は、日数よりも「割合」に出ています

1企業平均の年間休日総数を従業員規模別に見ると、1,000人以上が117.7日、300〜999人が116.2日、100〜299人が114.5日、30〜99人が111.2日です。いちばん大きい規模といちばん小さい規模の差は6.5日。1年を通した差としては、思ったより小さいと感じた方もいるかもしれません。

ところが「年間休日120日以上の企業がどれくらいあるか」という割合で見ると、景色が変わります。1,000人以上では57.8%が120日以上なのに対し、30〜99人では35.4%。22.4ポイントの開きです。平均日数ではわずか6.5日の差が、「120日」という一本の線を挟んだとたんに、企業の3社に1社か、2社に1社かという差になって現れます。

IMPACT MAP / 年間休日120日以上の企業割合(従業員規模別)
1,000人以上57.8%
300〜999人51.1%
100〜299人45.9%
30〜99人35.4%

出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(120〜129日と130日以上の合計・有効回答3,820社)

同じ調査を全体で見ると、いちばん多い階級は「120〜129日」で37.3%、次が「100〜109日」で27.9%です。日本の企業の休日設定は、この2つの山にきれいに分かれています。120日前後か、105日前後か。そのあいだにある110〜119日は21.4%で、意外に少数派です。

なお、この調査が対象にしているのは2024年の1年間で、公表は2025年12月です。働き方の見直しは各社で進んでいるので、いまの数字は少し上振れているかもしれません。ただ「120日前後と105日前後に山が2つできる」という分かれ方自体は、休日制度の組み方から生まれるものなので、当面あまり変わらない部分だと思っています。

「120日」の線は、どこで効いてくるのでしょうか

求人サイトの検索画面には、たいてい「年間休日120日以上」という絞り込みがあります。候補者がそこにチェックを入れた瞬間、119日の会社も111日の会社も、同じように一覧から消えます。見比べられて負けたのではなく、見比べられる場所に立てていない、という状態です。

ここで一度立ち止まりたいのが、そもそも自社の年間休日を正しく数えられているかという点です。この調査でいう年間休日総数は、就業規則などで定めた所定休日の合計を指します。土日祝だけでなく、夏季休暇や年末年始休暇、創立記念日なども、所定休日として定めてあるなら含めて数える考え方です。カレンダーの赤い日だけを数えて求人票に書いていると、実態より少ない数字になっている可能性があります。

わたしたちCoachersが求人原稿のお手伝いをしていても、就業規則を開き直したら118日あった、というケースにときどき出会います。休みを増やす話の前に、いま持っているものを数え直して、正しく書く。順番としては、こちらのほうが先かもしれません。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

年間休日の数字は、条件表のいち行として扱われがちです。けれど候補者にとってこれは「来年の自分の1年が、どんな形をしているか」を想像する材料でもあります。同じ115日でも、土日祝でならされた115日と、平日休みが混じる115日では、生活の設計がまるで違います。数字は同じでも、伝わっているものは同じではありません。

CANDIDATE VIEW | 求職者目線

求人サイトを開いた候補者が、条件の絞り込みで「年間休日120日以上」にチェックを入れる。この一手間で、119日の会社も一覧から消えます。御社が候補から外れたのではなく、候補に入る前の画面にいなかった、ということが起こりえます。

わたしたちが現場でよく見るのは、就業規則には夏季休暇と年末年始が別に定めてあるのに、求人票には「土日祝休み」とだけ書かれているケースです。数え直して書くだけで線の内側に入れる会社は、35.4%という数字が示すよりも多いのではないか、という気がしています。

そして、線の内側に入れなかったときにできることもあります。休日数で並べないなら、「実際に休めているか」で語る。有給の取得日数、連休の取りやすさ、繁忙期の実態。数字が横並びになりやすい項目ほど、その周りにある事実が差になります。

わたしたちが考えるHRブランディングは、条件を良く見せることではなく、自社にすでにあるものを正確に言葉にすることだと思っています。年間休日はその典型で、盛る必要はまったくないかわりに、正しく数えて、内訳まで書ききることには、まだ伸びしろが残っている領域です。

ACTIONS / 今日からできる3つ
就業規則を開いて、年間休日を数え直す
所定休日として定めた夏季休暇・年末年始・創立記念日などを足し忘れていないか確認します。調査でいう年間休日総数はこれらを含む合計なので、数え漏れがあると実態より少ない数字で検索の外に出てしまいます。
日数のあとに、内訳を1行足す
「年間休日115日(土日祝+夏季3日+年末年始5日)」のように書きます。入社後の現実をあらかじめ具体的に伝えるほどミスマッチが減るという考え方(RJP=現実的職務予告)は、休日欄のような地味な項目でこそ効きます。
「休める実態」を1つだけ添える
有給の平均取得日数や、連休を取っている人の例など、事実を1つ。休日数は120日前後と105日前後の2つの山に集まるため横並びになりやすく、差がつくのは日数より運用のほうです。
FAQ / よくある質問
Q. 年間休日の平均は何日ですか?
厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」によると、常用労働者30人以上の民営企業で1企業平均112.4日、労働者1人平均116.6日です(2024年の1年間の実績)。いずれも1985年以降で最も多い水準です。
Q. 年間休日120日以上の企業はどのくらいありますか?
全体では39.3%です。従業員規模で分かれ、30〜99人では35.4%、1,000人以上では57.8%となっています。
Q. 夏季休暇や年末年始休暇は年間休日に含めてよいのですか?
就業規則などで所定休日として定めているものは、年間休日総数に含めて数える考え方です。この調査も、企業で最も多くの労働者に適用される所定休日の合計を年間休日総数としています。自社の日数に不安があるときは、まず就業規則の休日条項を確認してみてください。
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中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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