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年間休日の平均は112.4日──中小の35.4%が120日以上、求人票での伝え方
年間休日の平均は、いま過去最多を更新しています。厚生労働省が2025年12月に公表した「令和7年就労条件総合調査」によると、1企業平均は112.4日。1985年以降でいちばん多い数字です。
ただ、この数字を見て「うちも平均くらいはあるな」と安心できるかというと、少し話が込み入っています。従業員30〜99人規模だけを取り出すと111.2日。1,000人以上との差は6.5日で、週に直せば1日にも届きません。それなのに候補者の画面の上では、もっと大きな差になって現れることがあります。
差をつくっているのは、日数そのものではないのかもしれません。求人検索にある「年間休日120日以上」という、たった一つのチェックボックスの話です。今日はこの数字の内訳と、求人票での見せ方を一緒に見ていきたいと思います。
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(2024年1年間の実績・有効回答3,820社)
年間休日の平均は、いま何日なのでしょうか
常用労働者30人以上の民営企業の年間休日総数は、1企業平均で112.4日です(厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」、2024年の1年間の実績、有効回答3,820社)。企業ごとの日数を単純に平均した数字がこれで、働く人の数で重みづけした「労働者1人平均」で見ると116.6日になります。どちらも1985年以降で最も多い水準です。
数字が2つあるのは、大きな会社ほど休日が多く、そこに人が多く在籍しているからです。会社の数で数えると112.4日、人の数で数えると116.6日。求人票に書く数字は前者に近い感覚なので、自社の水準を確かめるときは112.4日のほうを物差しにするほうが実感に合うかもしれません。
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」
規模による差は、日数よりも「割合」に出ています
1企業平均の年間休日総数を従業員規模別に見ると、1,000人以上が117.7日、300〜999人が116.2日、100〜299人が114.5日、30〜99人が111.2日です。いちばん大きい規模といちばん小さい規模の差は6.5日。1年を通した差としては、思ったより小さいと感じた方もいるかもしれません。
ところが「年間休日120日以上の企業がどれくらいあるか」という割合で見ると、景色が変わります。1,000人以上では57.8%が120日以上なのに対し、30〜99人では35.4%。22.4ポイントの開きです。平均日数ではわずか6.5日の差が、「120日」という一本の線を挟んだとたんに、企業の3社に1社か、2社に1社かという差になって現れます。
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(120〜129日と130日以上の合計・有効回答3,820社)
同じ調査を全体で見ると、いちばん多い階級は「120〜129日」で37.3%、次が「100〜109日」で27.9%です。日本の企業の休日設定は、この2つの山にきれいに分かれています。120日前後か、105日前後か。そのあいだにある110〜119日は21.4%で、意外に少数派です。
なお、この調査が対象にしているのは2024年の1年間で、公表は2025年12月です。働き方の見直しは各社で進んでいるので、いまの数字は少し上振れているかもしれません。ただ「120日前後と105日前後に山が2つできる」という分かれ方自体は、休日制度の組み方から生まれるものなので、当面あまり変わらない部分だと思っています。
「120日」の線は、どこで効いてくるのでしょうか
求人サイトの検索画面には、たいてい「年間休日120日以上」という絞り込みがあります。候補者がそこにチェックを入れた瞬間、119日の会社も111日の会社も、同じように一覧から消えます。見比べられて負けたのではなく、見比べられる場所に立てていない、という状態です。
ここで一度立ち止まりたいのが、そもそも自社の年間休日を正しく数えられているかという点です。この調査でいう年間休日総数は、就業規則などで定めた所定休日の合計を指します。土日祝だけでなく、夏季休暇や年末年始休暇、創立記念日なども、所定休日として定めてあるなら含めて数える考え方です。カレンダーの赤い日だけを数えて求人票に書いていると、実態より少ない数字になっている可能性があります。
わたしたちCoachersが求人原稿のお手伝いをしていても、就業規則を開き直したら118日あった、というケースにときどき出会います。休みを増やす話の前に、いま持っているものを数え直して、正しく書く。順番としては、こちらのほうが先かもしれません。
年間休日の数字は、条件表のいち行として扱われがちです。けれど候補者にとってこれは「来年の自分の1年が、どんな形をしているか」を想像する材料でもあります。同じ115日でも、土日祝でならされた115日と、平日休みが混じる115日では、生活の設計がまるで違います。数字は同じでも、伝わっているものは同じではありません。
求人サイトを開いた候補者が、条件の絞り込みで「年間休日120日以上」にチェックを入れる。この一手間で、119日の会社も一覧から消えます。御社が候補から外れたのではなく、候補に入る前の画面にいなかった、ということが起こりえます。
わたしたちが現場でよく見るのは、就業規則には夏季休暇と年末年始が別に定めてあるのに、求人票には「土日祝休み」とだけ書かれているケースです。数え直して書くだけで線の内側に入れる会社は、35.4%という数字が示すよりも多いのではないか、という気がしています。
そして、線の内側に入れなかったときにできることもあります。休日数で並べないなら、「実際に休めているか」で語る。有給の取得日数、連休の取りやすさ、繁忙期の実態。数字が横並びになりやすい項目ほど、その周りにある事実が差になります。
わたしたちが考えるHRブランディングは、条件を良く見せることではなく、自社にすでにあるものを正確に言葉にすることだと思っています。年間休日はその典型で、盛る必要はまったくないかわりに、正しく数えて、内訳まで書ききることには、まだ伸びしろが残っている領域です。
- 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査 結果の概況」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/25/index.html
- 厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査の概況」(PDF・第4表 年間休日総数階級別企業割合) https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/25/dl/gaikyou.pdf
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