AI時代の中途採用、75.1%が”求める人物像”を見直し──操作より成果を見る
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AI時代の中途採用、75.1%が”求める人物像”を見直し──操作より成果を見る

Branding, 2026.06.23 By 中村 尚人

AIの話題というと、面接や書類整理の「効率化」に向きがちですよね。でも、もう少し手前にある「そもそも、どんな人を採るのか」という採用の土台のほうが、静かに動きはじめているのかもしれません。

パーソルキャリアの転職サービス「doda」が2026年2月に行った調査では、AIを活用している企業の75.1%が、中途採用で「求める人物像」を見直したと答えています。さらに約6割が、今後3年以内の採用人数にも変化が出ると見込んでいました。

AIを操作できるかどうか以上に、「AIを使って何を成したか」「これから何を生み出せそうか」。求める人材の物差しが変わりつつあるのかもしれません。今日は、自社の採用要件をどう棚卸しするか、一緒に考えてみたいと思います。

AI活用企業の75.1%が、中途採用の「求める人物像」を見直していました

AI時代の中途採用とは、求める人物像そのものが問い直される採用です。dodaの調査(AIを導入・活用している従業員501人以上の企業の採用担当515人が対象)では、中途採用のターゲットが「大きく変わった」が22.1%、「一部変わった」が53.0%。合わせて75.1%の企業で、求める人物像が動いていました。

KEY METRIC
75.1%
見直し
中途採用の「求める人物像」が変わった企業
「大きく変わった」22.1%+「一部変わった」53.0%の合計。AIを活用する企業515社への調査(2026年2月)。多数は「一部変わった」で、激変というより少しずつの見直しが進んでいる様子がうかがえます。

ひとつ補助線を引いておくと、この調査の対象は「AIツールをすでに導入・活用している、従業員501人以上の企業」です。AIで先行する大きめの企業が中心なので、数字はやや進んだ景色だと受け止めるのが誠実だと思います。とはいえ、先行している会社の動きは、少し遅れて自社にも届いてくるもの。「うちはまだ」という段階でも、流れの方向は知っておいて損はなさそうです。

増える職種、減る職種——AIで二極化のきざし

求める人物像と合わせて、採用する職種の重心も動いていました。調査では、増える(増える見込み)職種の最多が「データ・デジタル/IT企画系」減る(減る見込み)職種の最多が「定型・ルーティン業務中心の職種」で、次いで「バックオフィス職種」が挙がっています。

COMPARISON
増える見込み
データ・デジタル/IT企画系
AI活用を前提に、データや企画でビジネスを前に進める職種。最多で「増える」と回答されました。
減る見込み
定型・ルーティン/バックオフィス
定型・ルーティン業務中心の職種が最多、次いでバックオフィス職種。AIで巻き取りやすい領域から見直しが入っています。

これは「バックオフィスが不要になる」という話ではなく、同じ職種でも担う仕事の中身が変わっていく、という流れだと感じています。定型処理がAIに寄っていくぶん、人には設計・判断・調整のような部分が残る。中小企業や非IT職でも、求人票の業務内容を「作業の列挙」から「どんな役割を担ってほしいか」へ書き換える余地は、きっとありますよね。

「AIを操作できる人」を探す、の落とし穴

MYTH vs FACT
MYTH
AI時代に評価されるのは、AIツールを操作できる人。求人も「AI利用経験あり」を条件にすればいい。
FACT
調査では、企業が見ているのは操作スキルそのものより「AIを使ってどんな実績を残したか」「今後どんな価値を発揮できそうか」。加えて、AIで代替されにくい専門性や即戦力、新しいことに挑戦できる・柔軟に考えられる適応力を重視する声も上がっていました。
 

「AI利用経験」をチェック項目にするだけだと、ツールに詳しいけれど成果には結びつけられない人と、ツールはこれからでも価値を生み出せる人を、取り違えてしまうかもしれません。見たいのは操作の有無ではなく、成果や適応のしかた。そう置き直すと、求人や面接で聞くべきことも少し変わってきそうです。

採用担当者が気になりやすい3つの疑問

FAQ
Q
AIが広がると、中途採用で求める人物像はどう変わる?
A
AI活用企業の75.1%が「求める人物像が変わった」と回答しています。操作スキルより「AIで何を成したか・今後何を生み出せるか」、専門性や変化への適応力を見る傾向が見られました(2026年2月・doda調査)。
 
Q
どんな職種の採用が増えて、どんな職種が減りそう?
A
増える見込みの最多は「データ・デジタル/IT企画系」、減る見込みの最多は「定型・ルーティン業務中心」で、次いでバックオフィス職種でした。職種がなくなるというより、担う仕事の中身が移っていくイメージです。
 
Q
中小企業や非IT職でも関係ある話?
A
この調査は501人以上・AI活用企業が中心なので、そのまま当てはまるわけではありません。ただ、要件を「ツールの操作」ではなく「成果と適応力」で言語化し直す考え方は、規模や職種を問わず取り入れやすいと感じています。
 

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

求める人材が「操作できる人」から「成果を出し、変化に適応できる人」へ移っていくと、困るのは求人票の書き方かもしれません。スキル名を並べるだけでは、その人物像はうまく伝わらない気がしています。わたしたちCoachersも、ここはいつも頭を悩ませる部分です。

そこで効いてくるのが、HRブランディングの発想です。「この会社では、AIをどう使って、どんな価値を生み出しているのか/生み出してほしいのか」を先に言葉にしておく。すると、その物差しに納得した人ほど集まってきてくれます。求人原稿の「求める人物像」を、スキルの羅列から行動と成果のエピソードに書き直すだけでも、出会える層は静かに変わっていくと感じています。

AIが定型を巻き取るほど、最後に残るのは「人が何を生み出すか」です。求める像が動いている今は、要件を一度たな卸しする良いタイミングなのかもしれません。

ACTIONS
求人票の「求める人物像」を”成果”で書き直す
「AIツール使用経験」より「AIを使って業務をどう改善したか」を1行入れると、見たい人物像が伝わりやすくなります。
 
「増える/減る職種」を自社版に翻訳する
今後増やしたい役割と、AIで巻き取れそうな定型業務を一度棚卸しして、採用計画の重心を確かめてみませんか。
 
面接で「AIで何を成したか」を具体で聞く
操作の有無ではなく、どんな課題にどう使い、何が変わったかを尋ねる設問を1つ用意すると、成果と適応力が見えてきます。

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中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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