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現場職の中途採用、20代の48%が興味あり──求人票で外す3つの不安
「若手は現場の仕事を嫌がるから」──製造・物流・建設の中途採用では、半ばあきらめの言葉として、この一言をよく聞きます。わたしたちCoachersも、求人原稿の打ち合わせで何度も耳にしてきました。
ところが、20代の求職者に直接聞いた最近の調査を見ると、少し違う景色が出てきます。現場職(調査での表現は「ブルーワーカー職種」)に応募・検討・興味のいずれかを経験した20代は48.0%。約半数が、一度は目を向けているのです。
それなのに、次の転職で現場職を選ぶ可能性が「ある」と答えた人は15.3%にとどまりました。興味は持たれている。でも最後の一歩で止まる。この差の中身は、調査の中にかなりはっきり出ていました。そして少なくとも一つは、求人票の書き方で今日から答えられるものです。
出典:株式会社学情調べ(調査期間2026年7月24日〜8月1日/20代の求職者190名・「Re就活」会員/2026年8月7日発表)
若手は現場職に興味がない、のでしょうか
20代の求職者190名に聞いた株式会社学情の調査では、現場職に「応募したことがある」(11.1%)「検討したことがある」(15.3%)「少し興味を持ったことがある」(21.6%)の合計が48.0%でした。約半数が、一度は現場の仕事に目を向けたことがある計算になります。「若手は現場職に見向きもしない」という前提は、少なくとも入口の段階では当てはまらないようです。
背景には、若手自身の見立てもありそうです。同じ調査で「生成AIの普及により事務職や一般職の仕事が減る可能性」について「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えた20代は84.7%にのぼりました。現場職のイメージとして「手に職をつけられる」を挙げた人が49.5%、「専門的なスキルが身につく」が41.1%という結果と合わせて読むと、AI時代に残る仕事として現場を見ている若手が一定数いる、という読み方もできそうです。
ただし、同じ調査で「体力的にきつそう」が70.0%、「危険が伴いそう」が46.3%とも出ています。期待と不安が、同じ人の中に同居している。この状態の人に向けて、御社の求人票は何を答えているでしょうか。
48%が15.3%になるまでに、何が起きているのか
現場職に興味を持ちながら実際には検討しなかった20代が挙げた理由は、1位が「体力面が不安だった」76.6%、2位が「安全面が不安だった」49.4%、3位が「休みが少なそう」44.2%でした。興味を持った48.0%と、次の転職で選ぶ可能性がある15.3%。その間にあるのは、この3つの不安です。
出典:株式会社学情調べ(2026年7月24日〜8月1日/20代の求職者190名)
気になるのは、3つとも「実際に働いてみたら大変だった」ではなく、「そう見えた」段階の不安だということです。確かめる前に降りている。だとすると、これは仕事そのものの魅力の問題というより、情報が届いていない問題として捉え直せます。魅力を足すのは時間がかかりますが、情報を書き足すのは今日からできます。
実際、同じ調査で「前向きに検討する条件」を聞くと、1位が「土日祝休み」58.4%、2位が「年間休日の多さ」54.5%、3位が「年収アップ」44.2%でした。上位2つは、いずれも休みに関する項目です。裏を返せば、休みの条件で他社と差がつく余地が、まだ残っているということでもあります。
求人票で外せる不安から、順番に手をつける
3つの不安のうち、賃金や設備をすぐに変えなくても手をつけられるのが「書き方」の部分です。ここでは、現場職の求人票を見直すときに、わたしたちが順番に確認している3ステップをご紹介します。どれも、事実を具体的に書き足すだけの作業です。
こうした「良い面も大変な面も、選ぶ前に正直に伝える」考え方は、採用の世界ではRJP(Realistic Job Preview=現実的職務予告)と呼ばれてきました。大変な部分を隠さないほうが、入社後のギャップが小さくなり定着が保たれやすいと、繰り返し指摘されている考え方です。応募を減らしたくなくて大変さを伏せると、結局は入社後に清算することになります。
この調査を読んでいて、いちばん惜しいと感じたのは「興味を持ってもらえているのに、確かめる手前で終わっている」という点でした。採用の打ち手というと母集団を増やす話になりがちですが、今回のデータが示しているのは、すでに入口まで来た人が引き返している、という別の場所の詰まりです。求人広告の原稿を見直すだけでも動く部分が、まだ残っているように思います。
御社の現場職の求人を開いた、24歳の一人を思い浮かべてみます。彼/彼女は、事務職の仕事は減っていくかもしれないと感じていて(同じ調査で84.7%)、手に職をつけられる仕事に少し興味がある。それでも、休日欄に「シフト制」とだけ書いてあると、自分の一週間が想像できません。想像できないものは、応募の候補から静かに外れていきます。
わたしたちが原稿の打ち合わせで感じるのは、企業側は「うちは休みも安全もちゃんとしている」と思っていて、実際そのとおりなのに、それが一行も書かれていないことが多い、ということです。当たり前になっていることほど、書き落とされます。逆に言えば、書いた会社だけが比較の土俵に残れるのかもしれません。
わたしたちがHRブランディングと呼んでいるのは、こういう「すでに持っているものを、候補者に伝わる形にしていく」作業の積み重ねです。新しい制度を作る前に、いま社内にある事実をどれだけ言語化できているか。現場職の採用ほど、その差が出やすい領域だと感じています。
なお、今回の調査は20代の求職者190名という規模で、回答者は20代向け転職サイトの会員です。数字をそのまま自社の市場に当てはめるというより、「興味の段階と、決める段階の間に何があるか」を考えるヒントとして読むのがよさそうです。
- 株式会社学情「若年層の約半数が『ブルーワーカー職種に興味・検討・応募経験あり』」(2026年8月7日発表/調査期間2026年7月24日〜8月1日・20代の求職者190名) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001554.000013485.html
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