2040年に働き手1,100万人不足――ブルーカラー採用への影響と “選ばれる” 伝え方
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2040年に働き手1,100万人不足――ブルーカラー採用への影響と “選ばれる” 伝え方

Branding, 2026.07.06 By 中村 尚人

「工場・物流・建設・介護といった現場職(ブルーカラー)は、募集しても応募が集まらない」。そう感じて、出稿量や媒体を増やすことばかり考えていないでしょうか。もちろんそれも一手ですが、その前に見落としているものがあるかもしれません。

リクルートワークス研究所の試算では、2040年に約1,100万人の働き手が足りなくなり、なかでも不足が集中するのはドライバーや建設・介護といった”現場を支える仕事”だとされています。応募が来ないのは、あなたの会社に魅力がないからではなく、社会全体で担い手が細っている——という側面が大きいのかもしれません。

だとすれば、これからは「たくさん採る」より「選ばれる」ことが効いてきます。広がりうる母集団に、現場の魅力をどう伝えるか。今日は一緒に整理してみたいと思います。

リクルートワークス研究所は、2040年に約1,100万人(2030年でも約341万人)の労働供給不足を試算。不足はドライバー・建設・介護など”現場を支える仕事”に集中する。

担い手が細るのは構造的な流れ。現場職の採用は「たくさん採る」より「選ばれる」設計へと軸足が移りつつある。

応募が来ない一因は魅力の不足ではなく”伝わっていない”こと。仕事内容の具体化・職場の写真・実績データが潜在層に届く鍵になる。

2040年、働き手は約1,100万人足りなくなる――なかでもドライバー・建設・介護など「現場(ブルーカラー)の仕事」

まず、大きな地図から見てみます。リクルートワークス研究所が2023年9月に発表した「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる」では、日本の人口動態をもとに、2040年に約1,100万人の労働供給不足が生じると試算されています。2030年時点でも約341万人。そして不足がとりわけ集中するのは、ドライバー(輸送・機械運転)、建設、生産工程、介護・接客といった、暮らしを足元で支える”現場の仕事”だと指摘されています。

KEY DATA
2040年の労働供給不足
約1,100万人

2030年の労働供給不足
約341万人

出典:リクルートワークス研究所「未来予測2040」(2023年9月発表)。不足はドライバー・建設・生産・介護・接客など”現場を支える仕事”に集中すると試算。

別の大手シンクタンクも同じ方向を示しています。パーソル総合研究所(中央大学などとの共同研究)の「労働市場の未来推計2035」(2024年発表)では、2035年に1日あたり約1,775万時間(384万人相当)の労働力が不足し、これは2023年の約1.85倍にあたるとされます。どちらも2023〜2024年に出された数年先の推計なので、数字そのものは幅を持って見ておきたいところです。ただ、2026年のいまの実感として、人口動態がベースにあるぶん方向性は動きにくく、足元でも現場系の職種は求人が募集に追いつかず、人手不足を理由にした倒産も各地で伝えられています。将来の話というより、すでに始まっている変化として受け止めておくのがよさそうです。

「応募が来ない」の見方を、少し変えてみる

担い手全体が細っていく——そう聞くと気が重くなりますが、ここで大事なのは「母集団が小さい」と「選ばれていない」を混同しないことだと思います。この2つは、打ち手がまったく変わってきます。

MYTH vs FACT
MYTH
現場職は応募が集まらない。そもそも興味を持つ人が少なく、母集団が小さいのだから仕方ない。

FACT
問題は”選ばれ方”であることが多い。実際、オフィス職の層にも「条件次第では現場も選択肢」と前向きに捉える動きが出てきています。AIに代替されにくい安定性や、成果が目に見える手ごたえを評価する声——私たちが現場で感じる肌感覚とも重なります。潜在層は、思うほど閉じていません。

もちろん、全員が現場職を志すわけではありません。それでも、「現場=限られた人の選択肢」という固定観念は少しずつ薄まっているように感じます。だからこそ、関心を持ちかけた人が求人にたどり着いたときに、“ここで働く自分”を具体的に想像できるかが、応募の分かれ目になります。せっかくの追い風を、条件だけの求人でスルーされてしまうのはもったいないですよね。

広がりうる母集団に、現場の魅力をどう伝えるか

求職者は複数の求人を並べて比較しています。だからこそ「何が違うのか」が一目で伝わることが応募を左右します。現場の採用でよくいただく疑問を、いくつか整理してみました。

FAQ
Q
オフィス職の人が現場職を検討するのは、なぜですか?

A
背景の一つに「AIに代替されにくい」という安定への期待があります。加えて、成果が目に見える手ごたえや、デスクにはない裁量を求める声も。求人では「手に職がつく」「あなたの仕事が形として残る」といった、現場ならではの価値を言語化すると響きやすくなります。

Q
求人で、まず何を見せれば応募が増えますか?

A
まずは仕事内容の具体化と、職場の写真です。1日の流れ・使う道具・一緒に働く人の顔が見えると、未経験者ほど自分の姿を想像できます。さらに有給取得率や定着率など実績データを添えると、「働きやすそう」が客観的に伝わります。

Q
未経験・異業種からの応募は、戦力になりますか?

A
育成の道筋を用意できれば、十分に中核人材へ育ちます。ポイントは入社後の成長ステップを求人段階で見せること。「3か月でここまで」「資格取得を会社が支援」など、キャリアパスが描けると、慎重な人ほど一歩を踏み出しやすくなります。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

1,100万人という数字は大きすぎて実感が湧きにくいかもしれません。ただ、ここから読み取れるのは「現場の仕事は、これからますます”人に選んでもらう”ものになる」というシンプルな事実だと思います。数で押す採用が通用しにくくなるぶん、一社ずつの伝え方の差が、これまで以上に効いてくるはずです。

その追い風は、自動では届きません。求職者は求人を横に並べて比べていますから、同じ「未経験歓迎」でも、1日の流れや働く人の表情が見える求人と、条件だけの求人では受け取られ方がまるで違います。HRブランディングの視点で言えば、現場の”当たり前”のなかにこそ、外から見た魅力が眠っていることが多いのです。求人原稿の一行を「シフト応相談」から「昨年の未経験入社は5名、全員が半年で独り立ち」に書き換えるだけでも、伝わる情報量は大きく変わります。

わたしたちCoachers自身も、日々「この会社の魅力を、どう言葉と写真にするか」に向き合っています。担い手が細っていくいまこそ、伝え方を見直す価値があるタイミングかもしれません。難しく考えず、まずは自社の現場を一度”外の目”で眺めてみることから始めてみませんか。

ACTIONS
求人の「1日の流れ」を具体的に書き出す
朝の始まりから終わりまでを時系列で。使う道具・一緒に働く人まで描くと、未経験者が自分の姿を想像できます。

数字で”働きやすさ”を1つ示す
定着率・有給取得率・未経験入社の実績など、手元にある数字を1つ求人に載せるだけで、客観性が一段上がります。

入社後の成長ステップを見せる
「3か月でここまで」「資格取得を支援」など、キャリアの道筋を求人段階で提示。慎重な人の背中を押します。

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現場の魅力、ちゃんと言葉になっていますか?
CoachersはHRブランディングの視点で、求人広告・採用サイト・採用動画を通じて「現場の当たり前」を求職者に届く言葉と写真に翻訳するお手伝いをしています。担い手が細るいまこそ、伝え方の見直しを。

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中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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