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カジュアル面談の進め方──実施企業52.7%、案内文と最初の10分の順番

カジュアル面談の進め方──実施企業52.7%、案内文と最初の10分の順番

カジュアル面談がうまくいかないとき、原因は当日の進行より前にあります。「ざっくばらんにお話ししましょう」だけの案内は、候補者にとっては何を準備すればいいか分からない時間の予告です。

学情の調査では、カジュアル面談を実施している企業は52.7%。いっぽう20代の求職者は85.1%が参加意欲ありと答えています。席を用意すれば、座る人はいます。

この記事では、面接との違いを一行で決めたうえで、案内文の型と、最初の10分で話す順番を置きます。

カジュアル面談とは?面接との違いは「合否を出さないこと」

カジュアル面談とは、応募前の候補者と企業が、合否を伴わずに情報を交換する場です。面接との違いはひとつだけで、その場で選考の判断をしないことにあります。

この一行を先に決めておくと、当日の迷いはほとんど消えます。決めないまま始めると、途中から質問が「確認」に変わります。

志望動機、転職理由、いまの年収。三つ目あたりで、候補者は空気で気づきます。選考ではないと聞いていた場で値踏みされていると分かると、その後の答えは当たり障りのないものに寄っていきます。

やるかどうかで迷っている会社も多いようです。学情の「キャリア採用動向調査2026」では、カジュアル面談を実施している企業は52.7%でした。実施予定もないと答えた企業は21.1%です。

いっぽう同じ調査で、20代の求職者は85.1%が参加意欲を示しています。

カジュアル面談に参加意欲のある20代求職者は85.1%、実施している企業は52.7%

求職者側の85.1%は「参加したい」44.8%と「どちらかというと参加したい」40.3%の合計です。企業と求職者で母数の違う別々の設問なので、差を引き算することはできませんが、参加したい側が先に手を挙げている形にはなっています。

うまくいかない理由は、当日ではなく案内文にある

カジュアル面談がうまくいかない会社は、当日の進行より先に、送っている案内文でつまずいている——というのが、わたしたちが現場で見てきた印象です。手を入れるなら、面談スキルよりこちらが先です。

「ざっくばらんに」は、送る側には気楽さの表明でも、受け取る側には情報がありません。準備は要るのか、何を聞いていいのか、服装はどうするのか。判断材料がないまま当日を迎えることになります。

案内文に書くことは多くありません。次の4つが埋まっていれば、面談は成立します。

  • 選考ではないこと(合否を出さない・履歴書は不要)
  • 誰が出るか(名前・職種・在籍年数)
  • 何を話す時間か(例:仕事の中身と、いま詰まっていること)
  • 所要時間と、そのあとどうなるか(応募するかは後日決めてよい)

最初の10分に話す順番

カジュアル面談の最初の10分は、会社の説明ではなく「選考ではないと伝える・こちらの話をする・相手の関心を聞く」の順に使います。この順番を外すと、残りの時間の使い道が決まりません。

順番に理由があります。人は、相手が自分のことを話した分だけ自分のことを話す。自己開示の返報性と呼ばれ、対人心理の分野で繰り返し指摘されてきた性質です。先にこちらが開かないと、相手は開きません。

  1. 最初の1分:選考ではないと、言葉にする
    今日は合否を出しません、履歴書も見ません、と先に言う。言わなければ、候補者は面接として振る舞います。取り繕った受け答えのまま面談が終わり、判断材料はどちらにも残りません。
  2. 次の4分:面談に出る自分の話をする
    役職名ではなく、何年目で、いま何をしていて、なぜこの会社にいるのかを話す。先に開いた分だけ相手が開きます(自己開示の返報性)。会社概要の読み上げは、この時間には向きません。
  3. 残りの5分:今日ここに来た理由を聞く
    転職理由ではなく「今日、何が聞けたら来た甲斐がありますか」と聞く。残りの時間で何を話すかがここで決まります。聞かないと、こちらが話したいことだけを話して終わります。
例:カジュアル面談の案内文の型

①この時間の位置づけ〈選考ではない/合否は出ない/履歴書は不要〉 ②出る人〈名前・職種・在籍年数〉 ③話す内容〈仕事の中身/いま詰まっていること〉 ④所要時間と、そのあと〈◯分/応募するかは後日で構わない〉

記入例(架空の文面):「このたびはご関心をお寄せいただきありがとうございます。今回は選考ではありませんので、合否は出しません(履歴書もご不要です)。当日は開発部の田中(在籍6年・バックエンド)が出て、いま担当している受発注システムの作り直しと、そこで詰まっていることをお話しします。45分を予定しており、応募されるかどうかは後日あらためてご判断いただけます。」

Coachers編集部の考察

カジュアル面談は「採用の入口を広げる打ち手」として語られがちですが、実際に効いているのは広げたことより、早い段階で判断材料を渡していることのほうだと見ています。応募という重い一歩の前に、軽い一歩を置ける点に価値があります。

求職者目線

案内を受け取った候補者は、たいてい情報量で参加するかどうかを決めています(わたしたちが現場で見てきた限り)。誰が出るのか分からない45分より、「開発部の6年目が、いま詰まっている話をします」のほうが、予定を空ける理由になります。

面談の上手さより、案内文の具体性のほうが先に効く。手を入れる順番を間違えないほうがいいと思います。

今日からできる3つ

  1. 案内文に「選考ではない」と明記する
    合否を出さない・履歴書は不要、の2つを書き足すだけでよい。書かなければ、候補者は面接として準備してきます。準備してきた人を相手に、ざっくばらんな時間は作れません。
  2. 出る人を、役職ではなく「何年目で何をしているか」で紹介する
    候補者が知りたいのは肩書ではなく、入社したときに隣に座る人の実像です。名前と職種だけでは、会社説明会と区別がつきません。
  3. 最初の10分の順番を決めて、面談に出る全員に渡す
    ①選考ではないと伝える ②自分の話 ③相手の関心を聞く、を紙1枚にする。人によって進め方が違うと、同じ会社なのに受ける印象が変わり、面談をやるほど像がぼやけます。

よくある質問

Q. カジュアル面談と面接の違いは?

その場で合否を判断するかどうかです。カジュアル面談は応募前の情報交換の場で、合否を出さず、履歴書の提出も求めないのが一般的です。

Q. カジュアル面談のあと、そのまま選考に進めてよい?

進めて構いません。ただし、面談中に合否の判断をしないことと、面談後にあらためて応募の意思を確認することは分けてください。選考ではないと伝えた場で見極めていると、候補者には伝わります。

Q. 履歴書や職務経歴書は提出してもらう必要はある?

求めないのが一般的です。提出を求めた時点で、候補者にとっては応募と同じ準備が必要になり、参加のハードルが上がります。

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出典

株式会社学情「キャリア採用動向調査2026」2026年6月1日公表・調査時期 企業2026年3月16日〜4月10日(有効回答295件)/20代求職者2026年4月5日〜15日(有効回答154件) prtimes.jp

同調査レポート(株式会社学情 人事ライブラリ・2026年7月7日掲載) service.gakujo.ne.jp

中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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