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生成AIスキルが採用基準に、約8割が重視──中核人材の採れ方はどう変わるか
「AIを使えるかどうか」を、採用の場で問う日がくる──少し前ならまだ先の話に聞こえたかもしれません。でも、その線はもう動き始めているようです。
デロイト トーマツが2026年1月に実施した調査では、約8割(79.7%)の企業が「生成AI活用スキルは幹部の採用基準に影響する」と答えました。しかも見ているのは、ツールを触れるかではなく”使って成果を出した実績”でした。
これは幹部採用の話ですが、求める基準が変わる動きは、やがて中核人材の採用にも降りてきます。中途で中核人材を採りたいわたしたちは、何を見直しておけるでしょうか。一緒に考えてみたいと思います。
生成AIスキルは、もう「あれば良い」ではなくなりつつある
結論から言うと、生成AIを使いこなせるかどうかが、人材を見極める標準的なものさしの一つになり始めています。デロイト トーマツが2026年1月19〜21日に実施した調査(生成AIを業務で活用している企業の経営層・幹部・採用担当者1,004人が対象)では、「生成AI活用スキルが幹部の採用基準に影響する」と答えた企業が、「非常に影響する」「ある程度は影響する」を合わせて79.7%にのぼりました。
ひとつ前提を添えておきたいのですが、この調査の対象は「すでに生成AIを業務で活用している企業」です。世の中全体より一歩前のめりな顔ぶれで、しかも回答者はデロイト(AI活用を支援する立場)の調査に答えた層でもあります。数字はやや高めに出ていると、割り引いて読むくらいがちょうどいいかもしれません。それでも「使えるかどうかを採用で問う」という流れ自体は、もう特別なことではなくなってきたと感じています。
企業が見ているのは「操作できるか」ではなく「使った実績」
この調査でいちばん採用担当として腹落ちしたのは、見極め方の中身でした。影響ありと答えた企業のうち、スキルを「確認しない」はわずか3.8%。残りの約96%は、実務での活用事例・プロジェクトへの関与経験・知識や理解度を確かめている、と答えています。つまり「AIを触ったことがある」ではなく、「実務でどう使い、何につなげたか」を聞いているわけです。
背景には、AIを使った判断そのものへの慎重さもありそうです。同じ調査では、生成AIを活用した意思決定が重要になる場面として「会議・ミーティングでの意思決定」37.8%、「リスク・コンプライアンスに関する判断」33.5%、「経営・事業戦略に関する意思決定」33.1%が挙がりました。一方で、誤情報の利用(35.2%)や責任所在の不明瞭化(33.8%)といったリスクも意識されています。だからこそ「触れる」だけでなく「リスクを分かったうえで成果につなげられる」かを確かめたい、ということなのだと思います。
中途で中核人材を採るなら、何を見直せるか
幹部採用の話だから自社にはまだ早い、と片づけてしまうのは少しもったいない気がしています。求める基準が上から変わるとき、その波はやがて中核人材の採用にも降りてきます。とはいえ、いきなり「AI必須」と求人に書けばいいわけでもありません。よくある疑問を3つ、整理してみました。
この調査を読んで感じたのは、「求める基準が上がる」と「選ばれる工夫」は、いつもセットだということです。AIを使いこなせる人材ほど、複数の会社から声がかかります。要件を上げるほど、その人材から見て「ここで働きたい」と思える理由が要る。片方だけ強くしても、噛み合わないんですよね。
そして候補者の側も、いまや生成AIや検索で企業を下調べする時代です。「AIを活かせる環境がある」と社内で思っていても、求人原稿や採用サイトにそれが書かれていなければ、相手には伝わりません。HRブランディングの視点で言えば、ここは”事実をどう言語化して届けるか”の勝負どころだと感じています。求人原稿の一行を、実際の働き方が伝わる言葉に置き換えるだけでも、見え方は変わります。
わたしたちCoachers自身も、AIをどう仕事に織り込むかを日々探っている最中です。だからこそ、「使える人を採る」だけでなく「使える環境を見せて、来てもらう」両輪で考えていきたい。今日はその出発点を、一緒に確かめられたらうれしいです。
- デロイト トーマツ グループ「デロイト トーマツ調査:経営・事業の幹部採用基準に変化~約8割が『生成AI活用スキル』が影響を及ぼすと回答」 https://www.deloitte.com/jp/ja/about/press-room/nr20260422.html
- Web担当者Forum「生成AIの活用スキル、約8割の企業が『幹部採用基準に影響』【デロイトトーマツ調べ】」 https://webtan.impress.co.jp/n/2026/05/12/52579
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