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生成AIで書類選考の見極めが難しい企業7割──中途採用の”選び方”を組み直す
整った職務経歴書が、いつもより少しだけ多く届く。文章は読みやすく、志望動機の筋も通っている——けれど、いざ会って話すと「書類の印象と、なんだか違う」。そんな小さな違和感を覚えたこと、ありませんか。
背景には、生成AIの普及があります。レバレジーズが2026年2月に新卒・中途採用の担当者1,625名へ行った調査では、「生成AIの影響で、書類だけで人物を見極めるのが難しくなった」と答えた企業が69.7%にのぼりました。応募書類が”底上げ”され、文章の巧拙では差がつきにくくなっている、ということかもしれません。
では、書類選考はもう意味がないのでしょうか。調査を読むと、企業の動きは「やめる」より「重心を移す」方向に見えます。書類が効きにくくなった時代に、中途採用でどう人を見極めるか——”対話”と”母集団”という2つの手がかりから、一緒に考えてみたいと思います。
「書類で人を見極めるのが難しい」が、なぜ7割に届いたのか
生成AIの普及で、応募書類の景色が変わりつつあります。候補者はChatGPTなどを使って職務経歴書や志望動機を整え、読みやすく筋の通った文章に仕上げられるようになりました。結果として、文章そのものの巧拙で差がつきにくくなっています。
ここで注意したいのは、これが「候補者が悪い」という話ではないことです。応募書類を整えるためにツールを使うのは、いまや自然な準備行動です。企業側も同じで、書類の要約や整理にAIを活用しています。候補者もAI、企業もAIという構図が生まれ、書類は少しずつ”通過儀礼”に近づいているのかもしれません。だとすれば、見極めの力点をどこに置き直すか——が次の問いになります。
企業はどう動いた?──書類選考をめぐる3つの変化
同じ調査では、企業が実際にとった対応も見えてきます。ポイントは、多くが書類選考を「廃止する」のではなく、基準を緩めて面接の間口を広げる方向に動いていることです。
「基準を緩めて面接を増やした(53.2%)」と「書類選考を廃止した(33.5%)」を合わせると、86.7%が”間口を広げる”方向に動いています。狙いのひとつは、導入効果の1位に挙がった「埋もれた才能の発掘(62.4%)」。書類の段階でこぼしていた人を、会って確かめる場に引き上げよう、という発想です。これは選考というより母集団の設計に近い動きだと感じています。
AIに任せきり、ではない──”人が見る”は消えていない
「間口を広げる」と聞くと、判断まで機械に丸投げする姿を想像するかもしれません。けれど実態は少し違います。効率化を進めつつも、最後は人が確かめる——という企業が多数派でした。
つまり、AIが担うのは「間口を広げ、候補を整理する」ところまで。“この人と働きたいか”を確かめる仕事は、まだ人の手に残っています。書類で差がつきにくくなったぶん、その確かめの場——つまり面談・面接での対話の質が、これまで以上に効いてくる、と言えそうです。なお、この調査は2026年2月時点のもの。生成AIの進化は速いので、いま同じ質問をすればまた違う数字が出るかもしれませんが、”人が最後に見る”という骨格はしばらく普遍的に思えます。
よくある疑問
候補者もAI、企業もAI——という構図が進むと、書類そのものでは差がつきにくくなります。だとすると、勝負どころは書類の”手前”と”後ろ”に移る気がしています。手前は「誰に来てもらうか」、後ろは「会って何を確かめるか」。この2つは、AIでは平準化しにくい領域です。
とりわけ手前の”誰に来てもらうか”は、HRブランディングの核心そのものです。求人原稿や採用サイトで、仕事の手触りや一緒に働く人の顔が具体的に伝わっているほど、”その会社に惹かれた人”が集まりやすくなります。整った母集団は、書類選考に頼らずとも見極めの負担を軽くしてくれる、と感じています。
書類選考を効率化することと、人を見る目を手放すことは、別物です。わたしたちCoachersも、AIに任せられる工程は任せながら、”この人と働きたいか”を確かめる対話にこそ時間を使いたいと考えています。
- レバレジーズ株式会社「AI面接導入に関する実態調査」(2026年2月実施/新卒・中途採用に課題を感じる企業の担当者1,625名) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000881.000010591.html
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