スカウト返信率は6.7%まで低下──「送れば返る」時代に見直したい採用設計
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スカウト返信率は6.7%まで低下──「送れば返る」時代に見直したい採用設計

Branding, 2026.06.16 By 中村 尚人

「スカウトを送っても、返信が来ない」── 中途採用でダイレクトリクルーティングを使っていると、一度はこう感じたことがあるかもしれません。文面を直したり、件名を変えたり、手元の改善を重ねても、思うように反応が増えない。そんな手応えのなさ、ありませんか。

実は、スカウトの返信率は業界全体で長く下がってきています。採用支援各社の集計では、2018年に16.2%あった返信率が、2025年には6.7%まで低下したとされています。これは個社の努力不足というより、市場の構造が変わってきたサインかもしれません。

「送れば返ってくる」時代が変わりつつある今、返信率を上げる前に何を整えておけばいいのか。わたしたちCoachersも同じ採用の現場にいる立場として、一緒に考えてみたいと思います。

なぜスカウトの返信率は下がっているの?

スカウトの返信率とは、送ったスカウトのうち候補者から返信が返ってきた割合のことです。その平均値が、ここ数年で大きく動いてきました。採用支援各社が公開している集計を時系列で並べると、長期的な低下の傾向が見えてきます。

TIMELINE
2018年
 
返信率 約16.2%
ダイレクトリクルーティングがまだ広く普及する前。「送れば一定数は返ってくる」感覚があった時期。
 
2024年
 
返信率 約7.2%
前年からはわずかに持ち直した年。ずっと一直線に下がり続けているわけではない、という点も押さえておきたいところです。
 
2025年
 
返信率 約6.7%
再び微減。7年前と比べると、ざっくり半分以下の水準に。一方で開封率は全体平均で50〜70%程度とされ、「開かれてはいるが返信まで届かない」構図が見えます。

下落の背景としてよく挙げられるのが、ダイレクトリクルーティングの利用企業が増えたことです。送り手が増えれば、候補者一人が受け取るスカウトの数も増えます。受信箱がスカウトであふれれば、一通あたりはどうしても埋もれやすくなる。つまり「自社の文面が悪くなった」のではなく、「相対的に届きにくくなった」面が大きいわけです。

ここで添えておきたいのは、これらの数字が採用支援・採用代行の各社が独自に集計したものだという点です。母数の取り方や対象の層は各社で異なり、「スカウトは難しくなっている」という話は、支援サービスの必要性とも結びつきます。数字の方向感は参考にしつつ、最終的には自社の返信率を基準に判断するのが現実的かもしれません。

返信率を上げる前に、整えておきたい設計とは?

返信率というと、つい「文面の書き方」に意識が向きがちです。もちろん文面も大切ですが、その手前にある「誰に送るか」「送る相手が自社をどれだけ知っているか」を整えると、同じ一通でも反応が変わってくることがあります。手をつける順番を、フローで整理してみました。

STAGE FLOW
STAGE 1「誰に送るか」を絞り込む
返信率は、文面より先にターゲットの精度で決まる部分が大きいと言われます。求める要件に合う層へ送り先を絞り、的外れな一斉送信を減らすところから始めてみませんか。
 
STAGE 2「会社を知ってもらう」土台を用意する
スカウトを受け取った人の多くは、その場で社名を検索します。採用サイトや求人原稿で「どんな会社か」がすぐ伝わる状態にしておくと、返信を迷う時間が短くなります。
 
STAGE 3一人ひとりに向けた文面にする
冒頭で「なぜあなたに送ったのか」を具体的に伝えると、テンプレ感が薄れます。相手の経歴に触れた一文を一つ足すだけでも、印象は変わってきます。
 
STAGE 4次の一歩のハードルを下げる
いきなり応募ではなく、「まず15分だけカジュアルにお話ししませんか」のような軽い入口を用意します。返信のコストが下がると、迷っている人の一歩を後押しできます。

この4つは、どれか一つだけを頑張るより、順番に積み上げるほど効いてくる性質のものだと感じています。特にSTAGE 2の「会社を知ってもらう土台」は、スカウトだけでなく求人広告や採用サイトなど、ほかの採用活動とも地続きです。一度整えておくと、複数の入口で効いてくるのが利点かもしれません。

スカウト返信率の、よくある疑問

FAQ
Q
スカウトの返信率の平均は、どのくらい?
A
採用支援各社の集計では、全体でおおむね5〜7%前後が一つの目安とされています。ただし媒体・対象層・母数の取り方によって大きく変わります。他社平均より、自社の数字を基準に置くほうが現実的かもしれません。
 
Q
なぜ返信率は下がってきたの?
A
利用企業が増え、候補者一人が受け取るスカウトの数が増えたことが大きいと言われています。一通あたりが埋もれやすくなった、という構造的な変化です。自社の文面が急に悪くなったわけではない、と捉えると気持ちが楽かもしれません。
 
Q
まず何から手をつければいい?
A
文面の前に、「誰に送っているか(ターゲティング)」と「送る相手が自社をどれだけ知っているか(認知)」の2点から見直すと、打ち手が整理しやすくなります。改善の余地が文面なのか、土台なのかが見えてきます。
 

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

スカウトは、見方を変えれば「まだ自社を知らない人に、いきなり送る一通」です。返信率が下がっているという数字は、候補者側が大量のスカウトに埋もれている状況の裏返しでもあります。送る量や文面だけで競おうとすると、どうしても消耗戦になりがちです。

HRブランディングの視点で見ると、返信率は「送る瞬間」だけで決まるものではありません。候補者がその前にどれだけ自社を知っているか──つまり認知の蓄積で、同じ文面でも反応が変わってきます。求人原稿や採用サイトで「どんな会社か」が一目で伝わる状態を整えておくと、スカウトという入口の手応えも変わってくる気がしています。

わたしたちCoachersも、つい「もっと送ろう」「件名を直そう」と手元の改善に走りがちです。でも一度、送る前の土台に立ち返ってみる。遠回りに見えて、実はそれが返信率への近道かもしれない、と感じています。

ACTIONS
直近のスカウト返信率を一度集計してみる
媒体ごとに開封率と返信率を出すと、課題が「文面」なのか「ターゲット」なのか、当たりがつけやすくなります。
 
文面に「なぜあなたに」を一文足す
テンプレの冒頭を、相手の経歴に触れた一文に置き換えてみる。小さな変更でも、受け取った印象は変わってきます。
 
受け取った人が見る「会社の入口」を点検する
採用サイトや求人原稿が、スカウト経由で初めて自社を知る人にも伝わる中身になっているか、相手の目線で見直してみませんか。

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5領域 × 25問で、採用の盲点を5分で可視化。中小企業の人事担当者向けに、設計/集客/サイト/選考/定着の5カテゴリでまとめた自己診断シートです。スカウトの「送る前の土台」を点検したいときにも。わかる質問はスキップOK。気軽にどうぞ。

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中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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