バーンアウト経験は正社員の29.3%、若手管理職36.3%──採用から考える燃え尽き防止
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バーンアウト経験は正社員の29.3%、若手管理職36.3%──採用から考える燃え尽き防止

Branding, 2026.06.25 By 中村 尚人

入社のときはあれほど意欲にあふれていた人が、半年・一年で急に力尽きたように見える──そんな場面に、心当たりはありませんか。本人のせいにも、特定の上司のせいにも見えにくく、「なぜだろう」と立ち止まってしまう瞬間です。

マイナビの最新調査では、正社員の17.3%が「現在バーンアウト(燃え尽き症候群)である」と回答し、過去の経験まで含めると29.3%、つまり4人に1人以上が燃え尽きを経験していました。とくに若年層の管理職では36.3%にのぼります。

燃え尽きは「入社後の話」に見えますが、採用担当のわたしたちにできることも、実はあるのかもしれません。今日は採用の入口という視点から、この数字を一緒に読み解いてみたいと思います。

マイナビの調査では、正社員の17.3%が「現在バーンアウト状態」、過去経験を含めると29.3%が燃え尽きを経験していた。
若年層の管理職は36.3%が現在バーンアウト状態で、全体(17.3%)の約2倍。業務過剰・対人関係・承認不足が主なきっかけとされる。
燃え尽きは入社後の課題に見えて、採用段階での「仕事のリアルな情報開示」と期待値のすり合わせが予防の起点になりうる。

正社員の29.3%が「燃え尽き」を経験している

バーンアウト(燃え尽き症候群)とは、意欲的に働いてきた人が、慢性的なストレスの蓄積によって心身のエネルギーを失い、急に意欲や成果が低下してしまう状態を指します。マイナビが20〜50代の正社員4,096名に行った調査では、「現在バーンアウトである」が17.3%、「過去にバーンアウトだったことがある」が12.0%。合わせて29.3%が、燃え尽きを経験していました。

KEY METRIC
29.3%
経験あり
4人に1人以上が燃え尽きを経験
「現在」と「過去」を合わせた経験率。裏を返せば約7割は未経験で、全員に起きるわけではありません。ただ、これだけ身近な現象だという前提で採用や受け入れを設計したい数字です。

補足として、これは医師の診断ではなく自己申告による回答である点には留意が必要です。とはいえ「自分は燃え尽きていた(いる)」と感じている人がこれだけいるという事実は、職場の体感としても無視できないものだと感じます。

誰が燃え尽きているのか──若手管理職に集中するワケ

同じ調査を年代と役職で分けて見ると、燃え尽きが特定の層に偏っていることがわかります。とくに目立つのが若年層(20〜30代)の管理職で36.3%。全体の17.3%や、中高年層の管理職18.7%と比べても突出して高い水準です。

IMPACT MAP
若年層の管理職36.3%
中高年層の管理職18.7%
若年層(全体)18.4%
正社員 全体17.3%
中高年層(全体)16.4%
数値は「現在バーンアウトである」と回答した割合(マイナビ調査)。

きっかけとなった過度なストレスとして挙がったのは、「業務過剰」「対人関係」「承認不足」など。若手管理職は、自らも実務を抱えながら部下のマネジメントも担う「プレイングマネージャー」になりやすく、業務量が増える一方で「頑張りが認められている実感」は得にくい──そんな構造的な負荷が背景にあるのかもしれません。「管理職になりたい人が減っている」という近年の傾向とも、地続きの話に見えます。

FAQ
Q
バーンアウト(燃え尽き症候群)とは何ですか?
A
意欲的に働いてきた人が、慢性的なストレスの蓄積で心身のエネルギーを失い、急に意欲や成果が低下する状態です。マイナビ調査では正社員の17.3%が「現在該当する」と回答し、過去経験を含めると29.3%にのぼりました。
Q
なぜ若手管理職に多いのですか?
A
若年層の管理職は36.3%が「現在バーンアウト」と回答しています。業務過剰・対人関係・承認不足が主なきっかけとされ、実務とマネジメントを同時に担うプレイング負荷が背景にあると考えられます。
Q
採用の段階でできることはありますか?
A
求人や面接で仕事の大変な部分や支援体制も含めて正直に伝え、入社後の期待値をすり合わせることです。「良いことばかり」で惹きつけると入社後のギャップが燃え尽きの火種になりやすいため、リアルな情報開示が予防の一歩になります。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

燃え尽きは「入社後の労務・マネジメントの話」として語られがちです。もちろんその側面は大きいのですが、採用に携わるわたしたちの立場から見ると、もう一つ手前に「期待値の入口」があるように感じています。入社前に思い描いていた仕事と、実際の負荷や役割のギャップが大きいほど、エネルギーは早く目減りしてしまうからです。

採用の場面では、どうしても良い面を強く打ち出したくなります。けれどHRブランディングの本質は「実態より良く見せる」ことではなく、「自分たちらしさを、いい面も大変な面も含めて正直に伝える」ことだと考えています。求人広告の原稿を見直すときも、仕事のやりがいと一緒に「どんな時に踏ん張りが必要か」「どんな支援があるか」を一文添えるだけで、入社後のギャップはずいぶん変わってくる気がします。

わたしたちCoachers自身も、日々の業務に追われると「採れたかどうか」に意識が向きがちです。でも、せっかく出会えた人が燃え尽きずに力を発揮し続けられるかどうかは、採用の入口の伝え方から静かに始まっている──そう捉え直すと、原稿の一行や面談の一言の重みが少し変わってくるのかもしれません。

ACTIONS
「大変な部分」と「支援体制」もセットで伝える
求人原稿や面接で、やりがいだけでなく「踏ん張りどころ」と「そのときの支援」を一文添える。入社後の期待値ギャップを小さくします。
入社後3〜6か月の現実を、採用段階で言語化する
最初の数か月にありがちな負荷や、誰に相談できるかを採用サイト・面談で先に共有。「聞いていなかった」を減らします。
若手を管理職に引き上げる前後で業務量と承認を点検する
プレイングと管理の二重負荷になっていないか、頑張りを認める仕組みがあるか。昇進の設計を採用要件・育成計画とつなげて見直します。

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