新入社員78.7%が期待、70.8%が不安──「入社後ギャップ」を採用で防ぐ
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新入社員78.7%が期待、70.8%が不安──「入社後ギャップ」を採用で防ぐ

Branding, 2026.06.11 By 中村 尚人

4月に迎えた新しい仲間は、入社からそろそろ2ヶ月。あのとき見せてくれた「これから頑張ります」という表情を、今も覚えていらっしゃいますか。

マイナビの最新調査では、2026年の新入社員の78.7%が社会人生活に「期待している」と答えました。その一方で、70.8%が「仕事をうまくこなせるか」に不安も感じています。この期待と現実のあいだに生まれるのが、いわゆる入社後ギャップ(リアリティショック)です。

これは新卒だけの話ではない気がしています。中途で入った方にも同じことが起きていないでしょうか。今日は、入社後ギャップを「採用の段階で」どう減らせるか、わたしたちCoachersも一緒に考えてみたいと思います。

入社後ギャップはなぜ起きる?──まず「入口の期待」を見てみる

結論から言うと、入社後ギャップは「入社前に抱いた期待」と「入社後に体験する現実」のズレから生まれます。だとすると、最初に見るべきは”入口でどんな期待を持って入ってくるのか”です。マイナビが2026年4月入社の新入社員7,986名に聞いた調査では、社会人生活に期待していると答えた人が78.7%。前年から4.7pt増えています。

KEY METRIC
78.7%
社会人生活に「期待」
入口の期待は、高い水準にある
期待の中身は「自分が成長できる」が64.1%で最多、次いで「収入」39.8%、「新しいことに挑戦できる」36.3%。お金だけでなく、成長や挑戦の機会を楽しみに入ってくる人が多い、ということです。

ただし、同じ人たちが不安も抱えています。最も多い不安は「仕事をうまくこなせるか」70.8%、次いで「上司・先輩・同僚との人間関係」56.0%。つまり、入社直後は「期待」と「不安」が同居している状態です。ここに”現実”が加わって、期待していたものと違う、と感じたとき、ギャップが表面化します。

リアリティショックとは?──放置するとどうなる?

リアリティショックとは、入社前に抱いていた企業や仕事のイメージと、入社後の実態とのあいだにズレを感じて、戸惑いや落胆が生まれることです。そして放置すると、定着に響きます。少し前のデータですが、その関係をはっきり示した調査があります。

「思っていたのと違う」を感じた若手は76.6%。その差は、入社3年目の満足度を74.4%と14.3%に分けていた。
— パーソル総合研究所×CAMP「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」(2019)

この調査では、入社前後で何らかのギャップを感じた人が76.6%。さらに、内定承諾の直後は満足度に差がなかったのに、ギャップが大きい層は3年目までに満足度が大きく下がり、「満足」と答える人がギャップの小さい層の約5分の1にまで落ち込んでいました。鍵は「入社前にどれだけ会社の実態を理解できていたか」。逆に言えば、ギャップは採用の段階で減らせるということでもあります。

中途採用でも起きる?──現場で起きていること

結論として、入社後ギャップは中途採用でも起きます。むしろ「即戦力」として期待されるぶん、お互いの期待値が高く、ギャップが大きくなることもあります。しかも中途は入社後のオンボーディングが手薄になりがち。たとえば、こんな方を思い浮かべてみました。

PERSONA
B
Bさん(35歳・営業/中途入社3ヶ月)
前職より裁量の大きさに惹かれて転職した中堅層
面接で聞いた「裁量が大きく、挑戦できる環境」に期待して入社。ところが現場では引き継ぎ資料も体制図もなく、最初の1ヶ月は「誰に何を聞けばいいか」を探す日々でした。期待していた挑戦の前に、見えない段差が続く。「自分の選択は間違っていたのかな」と、口には出さないまま考え始めています。

Bさんの「思っていたのと違う」は、能力の問題ではありません。入社前に見えていた情報と、入社後の実態がズレていたこと。打ち手は2つあります。入社前にリアルを伝えておくことと、入社後にギャップを言葉にできる場をつくること。特に前者は、採用の世界でRJP(リアルな仕事情報の事前開示)と呼ばれてきた考え方です。求人原稿や面接、採用サイトで、いい面だけでなく実際の1日や大変さも添えておく。少し勇気がいりますが、入ってからの「こんなはずじゃ」を減らす、いちばん手前の打ち手かもしれません。

FAQ
Q
リアリティショックとは何ですか?
A
入社前に抱いていた企業や仕事のイメージと、入社後の実態とのズレに、戸惑いや落胆を感じることです。給与・裁量・仕事のやりがい・人間関係など、さまざまな面で起こります。
 
Q
中途採用でもリアリティショックは起きますか?
A
はい、起きます。「即戦力」として期待されるぶん期待値が高く、オンボーディングも手薄になりやすいため、新卒以上にギャップが大きくなる場面もあります。
 
Q
大変な面まで正直に伝えると、応募者が減りませんか?
A
一時的に応募数は絞られるかもしれません。ただ、 RJP(リアルな情報の事前開示)の狙いは「自社に合う人に、納得して入ってもらう」こと。結果として入社後ギャップと早期離職が減りやすく、長い目で見ると採用の歩留まりは安定しやすいと考えられています。
 

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

「入社後ギャップ」と聞くと研修やオンボーディングの話に思えます。でも、ギャップの種は、もっと手前──候補者が会社を知る「採用の瞬間」にまかれている気がしています。期待は採用のときに膨らみ、その期待と現実の差が、入社後のリアリティショックの大きさを決めていく。だとすると、定着の話は採用の話と地続きなのだと思います。

わたしたちが大切にしているHRブランディングは、「よく見せる」ことではなく「正しく伝える」ことだと考えています。たとえば採用サイトの情報設計という視点で見ると、魅力の隣に、入社後のリアルな1日や乗り越える山を一つ添えておくだけでも、来てくれた人の「期待」が空回りしない期待に変わっていくのかもしれません。

期待して入ってくれた人を、がっかりさせたい会社はどこにもありません。わたしたちCoachersも同じ気持ちで採用に向き合っています。今日の数字が、自社の「入口の伝え方」を見直す小さなきっかけになれば嬉しいです。

ACTIONS
求人原稿・採用サイトに「大変な面」を一文だけ足す
魅力の隣に、実際の1日や乗り越える山を正直に。盛りすぎない言葉が、入社後の「こんなはずじゃ」を減らしてくれるかもしれません。
 
選考に「現場社員と話す15分」を入れる
人事には聞きにくいリアルを、現場の人から。候補者が入社後を具体的に想像できるほど、ギャップは小さくなっていきます。
 
入社3ヶ月めに「ギャップ面談」を1回入れる
「入る前のイメージと、何が違いましたか?」と聞くだけの15分。言葉にできる場があるだけで、ひとりで抱え込む人が減る気がしています。

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採用活動チェックシート
5領域 × 25問で、採用の盲点を5分で可視化。中小企業の人事担当者向けに、設計/集客/サイト/選考/定着の5カテゴリでまとめた自己診断シートです。「入口の伝え方」を見直すきっかけにもどうぞ。わかる質問はスキップOK。気軽にどうぞ。

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「期待して入ってくれた人」を、がっかりさせない採用へ。
Coachersは、求人広告・採用サイト・採用ブランディングを通じて、入口の「伝え方」から定着までを一緒に考えるパートナーです。求人原稿のリアルさを見直したい、入社後ギャップを減らしたい——そんなときは気軽にご相談ください。

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中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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