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AI関連職の63%は非テック──”うちは無縁”をやめ求人でAIを見せる中途採用
「AI人材の獲得競争」と聞くと、正直、自社には縁遠い話に感じる——。そう受け取った採用担当の方にこそ、ひとつの数字を見ていただきたいのです。いま増えているAI関連の職種のうち、63%はIT・テック以外の領域にあります(米Indeedの分析)。
医療、教育、マーケティング、物流、管理。いわゆる”普通の会社”の職種に、AIがそっと乗り始めている。しかも求職者が「AI関連の仕事」を検索する回数は、ChatGPT登場以降で11倍に膨らんでいます。なぜ、非テックの職種でAIが広がるのでしょう。そして、それは御社の求人にどう関係するのでしょうか。
結論を先に言えば、身構える必要はありません。むしろ「この仕事でAIをどう使うか」を求人票や採用サイトに一言添えるだけで、急に増えたその関心を、自社の側にたぐり寄せられるかもしれない。今日は、そんな見せ方の話を一緒に考えてみたいと思います。
出典:Indeed Hiring Lab「AI and Job Postings」(2026年7月)、「Job Seeker Searches for AI Roles」(2026年4月)。いずれも米国データ(CC BY 4.0)。
AIは、もう「IT企業だけ」の話ではない
出典:Indeed Hiring Lab「AI and Job Postings」(2026年7月・米国)
Indeed Hiring Labの分析によると、求人タイトルにAIを含む職種名の数は、2022年の264種から2026年初頭には822種へと3倍超に増えました。増えたのは「AIエンジニア」のような専門職だけではありません。既存の仕事に”AIを使う”という一言が乗った職種——たとえばAIを使うマーケター、AIを補助に使う事務や現場管理——が、業種の垣根を越えて広がっているのです。
ひとつ正直にお断りしておくと、これは米国Indeedのデータで、日本の数字そのものではありません。日本の職種構成や普及スピードは、これより緩やかかもしれない。ただ「AIが特定の専門職の外側へ、じわじわと染み出していく」という方向そのものは、国を問わず起きている普遍的な流れだと感じています。数字の大きさは割り引いても、向きは参考にしてよさそうです。
「AI人材の奪い合い」という思い込みを外す
求職者の側の動きも見ておきましょう。同じIndeed Hiring Labの調べでは、求職者が「AI関連の仕事」を探す検索は、ChatGPTが世に出て以降で約11倍に増えています。ひと続きの右肩上がりではなく、新しいAIモデルが出るたびに関心が跳ね、いまも高い水準にある——そんな波の形をしているそうです。
この「求人側の広がり」と「求職者側の関心」を重ねると、見えてくるのは奪い合いの図ではありません。多くの求職者が「自分の仕事はAIでどう変わるのか」を気にし始めているのに、企業側の発信はまだ追いついていない、という余白です。専門的なAI人材を高額で採ろうという話ではなく、いまいる職種にAIがどう関わるのかを、言葉にできているかどうか。そこが問われている気がしています。候補者の目に自社がどう映るかは、このあとの考察で掘り下げます。
この話でいちばん惜しいのは、「AIは自社に関係ない」と早々に線を引いてしまうことだと感じています。実際には、既存の仕事にAIがどう乗るかは、業種を問わず起き始めている。だとすれば、それをどう言葉にして候補者に見せるかは、テック企業でなくても十分に勝負できる領域です。採用サイトや求人原稿の情報設計という視点で見ると、ここは意外と手つかずの余白かもしれません。
御社の求人を開いた一人の候補者は、いま静かにこう考えているかもしれません。「この会社に入ったら、自分の仕事はAIでどう変わるんだろう」。AI関連の仕事を探す検索が11倍に増えたという事実は、その関心が一部の人だけのものではなくなったことを示しています。
ところが多くの求人票は、その問いに何も答えていません。逆に言えば、「この職種では来期からAIツールをこう使っていく」と一段落書くだけで、候補者の目にはほとんど”独占状態”で映る。特別なことを書く必要はなく、いまの現場のリアルを一つ添えるだけで、他社との差になり得ます。
そもそもHRブランディングとは、大げさな刷新ではなく「自社にすでにあるものを、候補者に届く言葉に翻訳する」営みだと私たちは考えています。AIについても同じで、無理に新しい取り組みを増やすより、いまの仕事とAIの接点を一つ拾い上げて見せるほうが、たいてい誠実で、伝わります。
わたしたちCoachers自身も、日々の制作にAIをどう組み込むかを手探りしている当事者です。だからこそ、「立派に語れないと出せない」と構えすぎず、等身大の一言から始めてみるのがいいのではと感じています。
- Indeed Hiring Lab「AI and Job Postings: From Destruction to Creation?」(2026年7月8日) https://www.hiringlab.org/2026/07/08/ai-and-job-postings-from-destruction-to-creation/
- Indeed Hiring Lab「Job Seeker Searches for AI Roles Have Grown 11x Since ChatGPT Released」(2026年4月28日) https://www.hiringlab.org/2026/04/28/job-seeker-searches-for-ai-roles-have-grown/
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