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AI面接のデメリット1位は「会社の雰囲気が分からない」──伝える3つの場所
「AI面接なんて入れたら、候補者に嫌われるのでは」。わたしたちもそう思っていたのですが、実際にAI面接を受けた人に聞いた調査を読んで、少し考えが変わりました。AI面接と人による面接のどちらを希望するかという問いに、53.3%が「AI面接」と答えています。「人による面接」は22.2%でした。
ただ、同じ人たちがデメリットの1位に挙げたのは「会社の雰囲気が分からない」で30.0%。嫌がられていたのはAIそのものではなく、AI越しだと会社が見えないことのようでした。回答者90名の小さな調査なので傾向として読むくらいがちょうどいいのですが、この順番は採用の打ち手をだいぶ変える気がしています。
53.3%
30.0%
78.9%
出典:HUGAN(ラグザス株式会社)調べ・2026年8月13〜17日・全国のAI面接経験者90名(男性61名/女性29名)へのインターネット調査
経験者の53.3%は、人よりAIを選んだ
AI面接を実際に受けた人の53.3%は、人による面接よりAI面接のほうを希望すると答えています。「人による面接」を選んだのは22.2%、「どちらでもよい」が24.4%でした(HUGAN調べ・2026年8月・AI面接経験者90名)。
出典:HUGAN(ラグザス株式会社)調べ・2026年8月13〜17日・AI面接経験者90名
選ばれた理由は「緊張しにくい」51.1%、「時間を選べる」47.8%、「公平だと思う」40.0%の順でした。
意外だったのは3番目です。AIに測られる不安より、面接官との相性で決まってしまう不安のほうが大きい。そう読める人が4割いました。
次の転職活動でも受けたいかという問いには、「積極的に受けたい」30.0%と「条件次第なら受けたい」48.9%を合わせて78.9%。「受けたくない」は合計6.7%でした。
ただし、これはAI面接を受け切った人たちの声です。案内を見た時点で辞退した人はこの90名に入っていません。導入で応募が減るかどうかまでは、この調査からは分からない点は押さえておきたいところです。
デメリット1位は「会社の雰囲気が分からない」
AI面接の経験者が挙げたデメリットの1位は「会社の雰囲気が分からない」で30.0%でした。2位は「会話ができない」27.8%、3位は「感情が伝わらない」23.3%と続きます。
出典:HUGAN(ラグザス株式会社)調べ・2026年8月13〜17日・AI面接経験者90名/「特になし」24.4%。棒の長さは項目間の比較用に同じ倍率で伸ばしています
並び順を見ていて、あれ、と思いました。上位に来ているのは、AIの精度への不満ではありません。
「AIが正しく評価できるか不安」は14.4%、「評価基準が分からない」は7.8%。どちらも下位です。上位4つはすべて、会社側から候補者へ何かが渡らなかったことへの物足りなさでした。
ここに、面接という場のねじれがあるように思います。面接はずっと、見極めと魅力づけの二役を同時にこなしてきました。会社が候補者を測る時間であると同時に、候補者が会社を測る時間でもあった。
そしてAIが引き受けられるのは、いまのところ前者だけです。見極めを自動化したぶん、魅力づけの時間が黙って消える。デメリットの上位に並んだのは、その空いた穴だったのだと思います。
つまりAI面接の導入は、選考の効率化であると同時に、魅力づけの引っ越しでもあります。引っ越し先を決めないまま入れると、候補者から見た会社は薄くなります。
雰囲気を伝える3つの置き場所
AI面接を入れた会社が会社の雰囲気を伝えられる場所は、求人票の仕事内容欄・採用サイトの「人」が見えるページ・選考案内メールの3か所です。どれも候補者が選考中にほぼ必ず目を通し、かつAIが話さない場所だからです。
3つとも、AI面接を入れる前から存在していた場所です。新しく作るものはありません。役割が変わっただけです。
AI面接を入れるかどうかの相談を受けるとき、論点はたいてい「精度は大丈夫か」に集まります。ただ今回の数字を見るかぎり、候補者が気にしていたのはそこではありませんでした。
AI面接を終えた候補者の手元に残るのは、質問への自分の答えだけです。会社について新しく分かったことは、ほとんど増えていません。デメリット1位が「会社の雰囲気が分からない」30.0%だったのは、そういうことだと思います。
在職中の転職活動なら、時間を選べるAI面接はありがたい。でも、受け終わったあとで「で、この会社ってどういう会社だったっけ」となる。わたしたちが現場でよく聞くのも、この置いてけぼり感のほうです。だから候補者は、選考の外——求人票と採用サイト——に戻って答えを探しにいきます。
そう考えると、AI面接の導入で本当に問われるのは選考ツールの性能ではなく、HRブランディングのほうかもしれません。面接官が場の空気で埋めていたものを、あらかじめ言葉と写真にしておけているか、という話だからです。
求人広告の原稿を書いていても同じことを感じます。会社の雰囲気は、雰囲気という言葉では伝わりません。時刻、人数、誰と話すか。具体を並べたときだけ立ち上がってくるので、わたしたちCoachersもそこを一緒に掘るところから始めています。
- HUGAN(ラグザス株式会社)「「人よりAIに面接してほしい」AI面接経験者の53.3%がAI面接を希望、人による面接希望は22.2%」(2026年8月13〜17日調査・n=90) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000403.000072123.html
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