AI面接のデメリット1位は「会社の雰囲気が分からない」──伝える3つの場所
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AI面接のデメリット1位は「会社の雰囲気が分からない」──伝える3つの場所

Branding, 2026.08.26 By 中村 尚人

「AI面接なんて入れたら、候補者に嫌われるのでは」。わたしたちもそう思っていたのですが、実際にAI面接を受けた人に聞いた調査を読んで、少し考えが変わりました。AI面接と人による面接のどちらを希望するかという問いに、53.3%が「AI面接」と答えています。「人による面接」は22.2%でした。

ただ、同じ人たちがデメリットの1位に挙げたのは「会社の雰囲気が分からない」で30.0%。嫌がられていたのはAIそのものではなく、AI越しだと会社が見えないことのようでした。回答者90名の小さな調査なので傾向として読むくらいがちょうどいいのですが、この順番は採用の打ち手をだいぶ変える気がしています。

KEY DATA / この記事の数字
AI面接の経験者が、人による面接より「AI面接」を希望すると答えた割合(人による面接は22.2%)
53.3%
同じ経験者が挙げたAI面接のデメリット1位「会社の雰囲気が分からない」の回答率
30.0%
次の転職でもAI面接を受けたい(「積極的に」30.0%+「条件次第なら」48.9%の合計)
78.9%

出典:HUGAN(ラグザス株式会社)調べ・2026年8月13〜17日・全国のAI面接経験者90名(男性61名/女性29名)へのインターネット調査

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この記事で扱う「会社の雰囲気が伝わっているか」は、25問の自己診断シートの選考・サイト領域で確認できます。
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経験者の53.3%は、人よりAIを選んだ

AI面接を実際に受けた人の53.3%は、人による面接よりAI面接のほうを希望すると答えています。「人による面接」を選んだのは22.2%、「どちらでもよい」が24.4%でした(HUGAN調べ・2026年8月・AI面接経験者90名)。

KEY METRIC / AI面接と人による面接、どちらを希望するか
53%
「AI面接がいい」53.3%に対し、「人による面接がいい」は22.2%。経験者に限れば、人よりAIを選ぶ人のほうが倍以上いました。

出典:HUGAN(ラグザス株式会社)調べ・2026年8月13〜17日・AI面接経験者90名

選ばれた理由は「緊張しにくい」51.1%、「時間を選べる」47.8%、「公平だと思う」40.0%の順でした。

意外だったのは3番目です。AIに測られる不安より、面接官との相性で決まってしまう不安のほうが大きい。そう読める人が4割いました。

次の転職活動でも受けたいかという問いには、「積極的に受けたい」30.0%と「条件次第なら受けたい」48.9%を合わせて78.9%。「受けたくない」は合計6.7%でした。

ただし、これはAI面接を受け切った人たちの声です。案内を見た時点で辞退した人はこの90名に入っていません。導入で応募が減るかどうかまでは、この調査からは分からない点は押さえておきたいところです。

デメリット1位は「会社の雰囲気が分からない」

AI面接の経験者が挙げたデメリットの1位は「会社の雰囲気が分からない」で30.0%でした。2位は「会話ができない」27.8%、3位は「感情が伝わらない」23.3%と続きます。

IMPACT MAP / AI面接のデメリット(複数回答)
会社の雰囲気が分からない30.0%
会話ができない27.8%
感情が伝わらない23.3%
質問が一方的20.0%
AIが正しく評価できるか不安14.4%
評価基準が分からない7.8%

出典:HUGAN(ラグザス株式会社)調べ・2026年8月13〜17日・AI面接経験者90名/「特になし」24.4%。棒の長さは項目間の比較用に同じ倍率で伸ばしています

並び順を見ていて、あれ、と思いました。上位に来ているのは、AIの精度への不満ではありません。

「AIが正しく評価できるか不安」は14.4%、「評価基準が分からない」は7.8%。どちらも下位です。上位4つはすべて、会社側から候補者へ何かが渡らなかったことへの物足りなさでした。

ここに、面接という場のねじれがあるように思います。面接はずっと、見極めと魅力づけの二役を同時にこなしてきました。会社が候補者を測る時間であると同時に、候補者が会社を測る時間でもあった。

そしてAIが引き受けられるのは、いまのところ前者だけです。見極めを自動化したぶん、魅力づけの時間が黙って消える。デメリットの上位に並んだのは、その空いた穴だったのだと思います。

つまりAI面接の導入は、選考の効率化であると同時に、魅力づけの引っ越しでもあります。引っ越し先を決めないまま入れると、候補者から見た会社は薄くなります。

雰囲気を伝える3つの置き場所

AI面接を入れた会社が会社の雰囲気を伝えられる場所は、求人票の仕事内容欄・採用サイトの「人」が見えるページ・選考案内メールの3か所です。どれも候補者が選考中にほぼ必ず目を通し、かつAIが話さない場所だからです。

1
求人票の仕事内容欄——一日の流れを時刻で書く
「営業活動全般」ではなく「9時に朝会、午前は既存客2件、午後は見積作成」のように時刻を入れて並べます。雰囲気はムードを語る言葉ではなく、時間の使い方から伝わります。
2
採用サイト——面接官になる人を先に見せる
二次以降で会う予定の人を、名前と担当と一言コメントで先に出しておきます。AI面接の段階で「この先にこの人がいる」と分かるだけで、無人の印象はかなり薄まります。
3
選考案内メール——なぜAI面接なのかを人の言葉で添える
「在職中の方が時間を選べるように導入しています」「結果は必ず人が見ます」の2行と、担当者名の署名を足します。案内文はAI面接の直前に必ず読まれる、最後の人肌です。

3つとも、AI面接を入れる前から存在していた場所です。新しく作るものはありません。役割が変わっただけです。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

AI面接を入れるかどうかの相談を受けるとき、論点はたいてい「精度は大丈夫か」に集まります。ただ今回の数字を見るかぎり、候補者が気にしていたのはそこではありませんでした。

CANDIDATE VIEW | 求職者目線

AI面接を終えた候補者の手元に残るのは、質問への自分の答えだけです。会社について新しく分かったことは、ほとんど増えていません。デメリット1位が「会社の雰囲気が分からない」30.0%だったのは、そういうことだと思います。

在職中の転職活動なら、時間を選べるAI面接はありがたい。でも、受け終わったあとで「で、この会社ってどういう会社だったっけ」となる。わたしたちが現場でよく聞くのも、この置いてけぼり感のほうです。だから候補者は、選考の外——求人票と採用サイト——に戻って答えを探しにいきます。

そう考えると、AI面接の導入で本当に問われるのは選考ツールの性能ではなく、HRブランディングのほうかもしれません。面接官が場の空気で埋めていたものを、あらかじめ言葉と写真にしておけているか、という話だからです。

求人広告の原稿を書いていても同じことを感じます。会社の雰囲気は、雰囲気という言葉では伝わりません。時刻、人数、誰と話すか。具体を並べたときだけ立ち上がってくるので、わたしたちCoachersもそこを一緒に掘るところから始めています。

ACTIONS / 今日からできる3つ
自社の選考を、候補者の目で最後まで通してみる
応募から一次通過までに、会社を知る材料が何回出てくるか数えます。ゼロなら、消えているのは見極めではなく魅力づけの側です。
仕事内容欄の抽象語を、時刻に置き換える
「幅広い業務」を「9時に朝会、午前は2件訪問」に書き換えます。入社前後のズレが離職につながりやすいことは繰り返し指摘されており、具体を先に出すほど後で効いてきます。
選考案内メールに、担当者の署名と2行を足す
なぜAI面接なのかと、結果は人が見ることを書きます。デメリット2位「会話ができない」27.8%への、いちばん安い返事になります。
FAQ / よくある質問
Q. AI面接を導入すると、応募者は減りますか?
今回の調査では、経験者90名のうち次は「受けたくない」と答えたのは合計6.7%でした。ただしこれは受け切った人の声で、案内を見て辞退した人は含まれません。減る前提で身構えるより、AI面接だけでは伝わらない会社の雰囲気を別の場所で補うほうが現実的かもしれません。
Q. AI面接は一次選考だけに使うほうがよいのでしょうか?
経験者が挙げたデメリットは「会話ができない」27.8%、「感情が伝わらない」23.3%と双方向性に関するものが並びました。会社を知ってもらう場は人が担い、AIは時間と場所の制約を外す役割に寄せる。この分け方なら、両方の良さが残せそうです。
Q. 会社の雰囲気は、具体的にどこで伝えればよいですか?
求人票の仕事内容欄、採用サイトの「人」が見えるページ、選考案内メールの3か所です。いずれもAIが話さない場所で、候補者が選考中に必ず目を通します。新しく作る必要はなく、すでにあるものの役割を変えるだけで足ります。
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主要50媒体比較ガイド
求人媒体50社の特徴・得意な職種・費用感を1枚で見比べられる資料です。会社の雰囲気をどこまで書けるかは媒体によって差があるので、原稿の設計と合わせて選ぶときにお使いください。
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Coachersは求人広告の制作から採用サイト・採用動画まで、候補者から会社がどう見えるかを一本の線で設計するHRブランディングの会社です。いまの求人票と採用サイトを見せていただくところから、一緒に考えます。
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中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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