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AI面接は “1次はOK・最終は人と” ──転職者3人に1人が示す任せどころ
「AI面接」と聞くと、反対の声のほうが先に耳に入ってきませんか。機械に人を判定させるなんて、と。ところが、実際に転職を経験した人たちに聞くと、少し意外な結果が出てきます。
一次面接をAIが担うことについては、「前向き」が29.7%と、「否定的」の18.2%を上回りました。一方で、最終面接をAIに任せることには、否定的が33.0%と一気に増えます。同じ人が、選考の段階によってAIへの気持ちを変えているのです。
この「1次はいい、でも最終は人と会いたい」という境界線は、どこから来ているのでしょうか。そして中途採用でAI面接を使うとき、どこまで任せると候補者に選ばれ続けられるのか。一緒に考えてみたいと思います。
出典:レバレジーズ調べ「AI面接に関する意識調査」(2026年6月5〜8日実施・過去3年に転職経験のある正社員 n=515)
「1次はAIでいい、最終は人と」──段階で割れる本音
レバレジーズ社が2026年6月に、過去3年で転職を経験した正社員515人に行った調査は、AI面接への感情が「賛成か反対か」の二択では語れないことを示しています。同じ回答者が、選考のどの段階かによって、AIへの受け止めをはっきり変えているのです。
出典:レバレジーズ「AI面接に関する意識調査」(2026年6月・n=515)
整理すると、候補者が求めているのは「AIか、人か」ではなく、使いどころです。入口では、面接官の主観や相性に左右されずに評価してほしい。だから一次のAI化には前向きになれる。けれど、内定に近づくほど「この人たちと働けるか」を自分の目で確かめたくなり、最後は人に会いたくなる。ごく自然な感情の流れだと思います。
なお、AI面接を実際に受けたことがある人はまだ7.8%にとどまります。多くの候補者にとってAI面接は「未経験の何か」であり、良くも悪くも身構える対象です。だからこそ、導入の”見せ方”や案内の丁寧さが、そのまま体験の印象を左右する段階にあるといえそうです。
AI面接が本当に効くのは、「入口を広げる」ところ
同じ調査では、転職活動の負担として「履歴書・職務経歴書の作成に時間がかかる(55.4%)」「在職中で面接時間の確保・調整が難しい(42.7%)」が上位に挙がりました。さらに、面接の日程が合わずに選考そのものを辞退した経験がある人が約3割います。忙しい在職者ほど、日程調整の壁でこぼれ落ちているのです。
出典:レバレジーズ「AI面接に関する意識調査」(2026年6月・n=515)
ここにAI面接の本当の使いどころがあります。候補者の受け止めが前向きな「一次」や、日程調整の負担が重い「入口」にAIを置けば、これまで時間や日程の都合でこぼれていた人にも会えるようになる。企業側の実態調査でも、AI面接の効果として「従来の書類基準では不合格になっていた層から優秀な人を採用できた」という声が上位に挙がっています。AI面接は”選別を強める道具”ではなく、母集団の入口を広げる道具として設計したほうが、候補者の納得感とも噛み合うわけです。
逆に、最終の意思決定までAIに委ねてしまうと、候補者は「自分の熱意も人柄も見てもらえなかった」と感じ、たとえ通過しても志望度が下がりかねません。候補者からこの選考体験がどう見えているかは、次の考察で少し掘り下げてみます。
今回のデータで印象的だったのは、候補者がAIそのものを嫌っているわけではない、という点でした。むしろ入口の公平さには期待している。反発が生まれるのは、「最後まで人に会えないまま、機械の判定だけで終わった」と感じたとき。つまり問われているのは技術の是非ではなく、選考という体験の設計です。
在職中で忙しいなか、御社を含む数社に応募した一人の候補者を想像してみてください。夜しか時間が取れない、日程がなかなか合わない——そんなとき、都合のいい時間にスマホで受けられるAIの一次面接は、正直ありがたい。「まず土俵に上がれた」という安心感があります。だからこそ、最後まで一度も人と話せないまま合否だけが届くと、その落差に戸惑うのです。
わたしたちが採用支援の現場でお会いする転職者の方も、「効率化はうれしい。でも最後は、一緒に働く人の顔が見たかった」と話されることがあります。AIをどこに置き、どこで人が迎えるのか。その線引きが、そのまま「この会社は候補者をどう見ているか」のメッセージになります。
採用サイトや選考案内の情報設計という視点で見ると、「なぜこの段階でAIを使うのか」「最終はきちんと人が会う」ことをひとことでも伝えるだけで、候補者の身構えはずいぶんやわらぎます。これはまさにHRブランディングの領域で、ツールの導入とセットで”伝え方”を整えることが、選考体験の質を分けていきます。
わたしたちCoachersも、効率化と候補者体験は対立させるものではなく、両立させるものだと考えています。AIに任せて浮いた時間を、最後の「人と人の対話」にどう使うか。そこにこそ、選ばれる会社の差が出るのだと思います。
- レバレジーズ株式会社「転職経験者の約3割が面接日程が合わず選考辞退、1次面接のAI化には約3人に1人がポジティブと回答」(2026年) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000964.000010591.html
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