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副業・兼業人材という選択肢――認める企業6割・実施1割のギャップ
「正社員で、フルタイムで」――中途採用というと、つい その前提で考えてしまいますよね。でも、ほしいスキルを持つ人が、必ずしもフルタイムで来てくれるとは限りません。
副業・兼業という働き方を認める企業は、いまや60.7%と6割を超えました。一方で、実際に副業をしている人はまだ10.7%。「門戸は開いたけれど、実態はこれから」という、少し不思議なギャップが生まれています。
副業・兼業人材は、採用の母集団を広げる「もう一つの選択肢」になり得るのか。今日は、その実態と、受け入れて成果を出している会社の共通点を、一緒に見ていきたいと思います。
副業を認める企業はどのくらい?――いまや6割超
結論からお伝えすると、従業員の副業・兼業を認める制度がある企業は60.7%。リクルートグループのジョブズリサーチセンター(JBRC)の調査によると、2020年の49.5%から年々増え、直近では2022年調査と比べて+8.9ポイントになりました。「副業OK」は、もう特別な制度ではなくなりつつあるようです。
ここで一つ、気をつけておきたいことがあります。「認めている」と「実際に動いている」は別物だ、ということです。制度として門戸を開いた企業は6割を超えましたが、その先の実態を見ると、少し景色が変わってきます。
「門戸は開いた」のに、なぜ実態は追いつかない?
制度として認める企業は6割を超えた一方、実際に副業をしている個人は10.7%にとどまります。社外から副業・兼業人材を「受け入れている」企業も53.7%(2022年比+5.1pt)と増えてはいますが、「制度はある/受け入れたい」という意向と、「実際に動いている」実態のあいだには、まだ距離があるようです。
このギャップは、企業側の「受け入れる体制」がまだ追いついていないサインかもしれません。制度をつくることと、実際に外部の人を迎えて成果につなげることのあいだには、いくつかの準備が要る、ということですよね。なお、受け入れ率は調査によって幅があり、パーソル総合研究所の調査では29.1%、エン・ジャパンの調査では24%という結果も出ています。数字そのものより、「広がりつつある流れ」として読むのがよさそうです。
受け入れて「成果が出た」会社は、何が違う?
同じJBRCの調査では、副業・兼業人材の受け入れが「事業にプラスだった」企業とそうでない企業を比べると、差がはっきり出たのは“受け入れ方”でした。具体的には、(1)業務内容・期待する成果を明確にしている、(2)受け入れ時のルールを取り決めている、(3)労働時間を管理しているの3点です。特別なことではなく、「最初に決めておく」ことの差、とも言えそうです。よくいただく疑問を、3つにまとめてみました。
副業・兼業人材を受け入れるとき、つい「条件と業務内容」の話に目が行きがちです。でも、相手の立場に立つと、その人もまた「どの会社の、どの仕事に、自分の限られた時間を使うか」を選んでいます。フルタイムでなくても、選ばれる・選ばれないは起きているんですよね。
ここはHRブランディングの考え方とつながっています。自社の何が魅力で、どんな人とどんな仕事ができるのか。求人広告の原稿を「副業・兼業で関わる人が読んでもワクワクするか」という視点で見直すだけでも、集まる人の質は少し変わってくるかもしれません。
わたしたちCoachersも、つい「正社員をどう採るか」に意識が向きがちです。でも、採用の選択肢を一つ増やすことは、採用課題そのものを少し軽くしてくれる気がしています。副業・兼業という入口も、その会社らしさが伝わってこそ、なのだと思います。
- ジョブズリサーチセンター(JBRC/インディードリクルートパートナーズ)「兼業・副業に関する動向調査2024」 https://jbrc.recruit.co.jp/data/data20250529_3778.html
- パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」 https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/sidejob4/
- エン・ジャパン「『副業・兼業』に関する企業の実態調査」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001092.000000725.html
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