採用コストは中途1人約100万円──チャネル構成を見直す3つの視点
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採用コストは中途1人約100万円──チャネル構成を見直す3つの視点

Branding, 2026.06.21 By 中村 尚人

「先月の中途採用、ひとり採るのにいくらかかりましたか?」——そう聞かれて、すぐに数字が浮かぶ方は、意外と少ないかもしれません。求人媒体の掲載費、紹介手数料、面接にかかった自分たちの時間。気づけば、いろいろなところにコストが散っていますよね。

2026年の中途採用は、1人あたり約100万円前後が相場とされ、人材紹介を使えば年収の30〜35%が手数料として乗ります。一方で、求人広告を軸にすると、その半分以下に収まることもあるようです。

「忙しくて、つい使い慣れたチャネルに頼ってしまう」——これは、わたしたちCoachersも同じです。今日は、採用コストの相場をいったん並べてみて、自社の使い方を見直すきっかけを、一緒に考えてみたいと思います。

中途採用、いま1人あたりいくらかかっている?

結論から言うと、2026年の中途採用は1人あたり約100万円前後が一つの目安です。人材紹介を利用した場合は内定者の年収の30〜35%が手数料となり、年収400万円の人材なら1名あたり120〜140万円ほど。年間10名を採れば、紹介手数料だけで1,000万円を超える計算になります。ここで言う採用単価(CPH:Cost Per Hire)とは、ひとりを採用するためにかかった費用の合計を、採用人数で割った金額のことです。

KEY DATA
中途採用 1人あたりの相場
約100万円前後
人材紹介の手数料(対 内定年収)
30〜35%

採用コストは、求人広告費や人材紹介料といった目に見える「外部コスト」だけではありません。求人票を書く時間、面接にあてた人件費、内定者フォローの手間といった「内部コスト」も、本来はひとりを採るための費用です。外部コストだけを見て「うちは安い」と思っていても、内部コストまで足すと印象が変わる——そんなことも珍しくない気がしています。

人材紹介と求人広告で、コストはどれだけ違う?

先に答えを言うと、手法によって採用単価は2倍以上ひらくことがあります。同じひとりを採るのでも、人材紹介経由なら120万円前後、求人広告を活用すれば50万円前後、というように、入口の選び方でコストの桁が変わってくるのです。下のグラフは、複数の調査で語られている中途採用1人あたりの費用感を、目安として並べたものです。

IMPACT MAP
人材紹介(年収400万円の例)約120万円/名
 
求人広告を活用(中途の平均単価)約50万円/名
 
求人広告費のみ(全職種平均/2023)約38.5万円/名
 

もちろん、これは「人材紹介がダメで求人広告が正しい」という話ではありません。人材紹介には、母集団形成の手間が少ない、急ぎのポジションを埋めやすい、といった確かな価値があります。大切なのは、それぞれの手法のコストと成果を、同じものさしで並べて見ること。そのうえで、自社にとっての「効きどころ」にリソースを寄せていけると良いのかもしれません。実際、人材紹介への依存を見直し、ダイレクトリクルーティングやリファラル、求人媒体の直接運用を組み合わせる企業が増えていると言われています。

「紹介なら確実」は本当?──コストの見え方を変える

採用コストの話でよく出てくるのが、「紹介は高いけれど、確実で手間がかからないから仕方ない」という感覚です。これはこれで実感のこもった言葉なのですが、「確実さ」の中身と、その対価を、いちど分けて見てみると、別の選択肢が見えてくることもあります。

MYTH vs FACT
MYTH
人材紹介は割高でも、確実に採れて手間もかからないから、コストは仕方ない。
FACT
求人広告や媒体の直接運用でも採用は成り立ち、単価が紹介の半分以下になる例もある。「確実さ」は便利さと引き換えのコストでもあり、見える化して初めて他の手法と比べられます。
 

紹介に頼ること自体が問題なのではなく、「比べないまま、なんとなく続けている」状態が、コストを見えにくくしているのだと思います。直近1年の採用を、チャネル別に「単価」と「その後の定着」で並べてみるだけでも、自社の効きどころがぼんやり見えてくるはずです。採用後すぐに辞めてしまえば、どんなに安く採れても投資は無駄になりますから、単価だけでなく定着までをセットで見たいところですよね。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

採用コストの話は、つい「どこを削るか」に寄りがちです。でも、わたしたちCoachersがいつも立ち止まるのは、「削った先に、何が会社に残るのか」という点です。

人材紹介に任せきりにしていると、コストは下がりにくいだけでなく、「自社の魅力を、自分たちの言葉で伝える力」が育ちにくい、という側面もある気がしています。求人広告の原稿を見直したり、採用サイトの情報設計を整えたりする作業は、目先の単価を下げる以上に、HRブランディング——つまり「自社で人を惹きつける力」を会社の中に積み上げていく投資でもあります。

どのチャネルから入っても、最後は「この会社で働きたい」と思ってもらえるかどうか。コストの議論を、自社の見せ方を磨くきっかけに変えていけたら、と感じています。

ACTIONS
1人あたり採用単価(CPH)を一度だけ計算してみる
外部コストに加え、求人票作成や面接にかけた時間(人件費)もざっくり足して、内部コスト込みの単価を出してみます。完璧でなくて大丈夫です。
 
直近1年の採用を「チャネル別」に並べてみる
紹介・広告・リファラルなどを、単価とその後の定着の両面で見比べます。自社の「効きどころ」がうっすら見えてくるはずです。
 
求人原稿か採用サイトを、ひとつだけ見直す
タイトルや仕事内容の伝え方を少し変えるだけでも、媒体経由の応募の質が動くことがあります。低コスト手法を「育てる」一歩として。

採用コストについて、よくある疑問

FAQ
Q
中途採用1人あたりのコスト相場は?
A
約100万円前後が一つの目安です。人材紹介を使うと年収の30〜35%(年収400万円なら120〜140万円)、求人広告中心なら全職種平均で求人広告費38.5万円(2023年)など、手法で大きく変わります。
 
Q
人材紹介と求人広告では、どれくらい違う?
A
中途の平均単価で、人材紹介は120万円前後、求人広告活用時は約50万円と2倍以上の差がつくことも。ただし紹介は母集団形成の工数が少ないなどの利点もあり、単純な高い・安いだけでは比べきれない点には注意が必要です。
 
Q
コスト削減の第一歩は、何から?
A
外部コストだけでなく、人件費や工数といった内部コストも含めた1人あたり採用単価(CPH)を把握することです。現状が見えて初めて、どこを削り、どこに投資するかの判断ができます。
 

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中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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