人事の最大課題は「採用」26.4%──”採ったあと”が68%を占める意味
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人事の最大課題は「採用」26.4%──”採ったあと”が68%を占める意味

Branding, 2026.06.29 By 中村 尚人

昨日は「応募が取れる求人原稿が作れない人が65.2%」という数字を取り上げ、”書き方”の手順を一緒に考えました。今日は、同じ65.2%をあえて別の角度から読み直してみたいと思います。

「応募が取れる原稿が作れない」と聞くと、つい文章力の問題のように感じます。でも同じ調査をめくると、採用担当の59.1%が”1名で担当”、求人1本を30分以内で作る人が約6割、という別の数字も出てきます。

作れないのは、書く力が足りないからでしょうか。それとも、考える時間や素材が足りていないからでしょうか。わたしたちCoachersも同じ悩みを持つ立場から、もう一歩だけ踏み込んで読み解いてみます。

求人媒体テンリクを運営する天職市場が2025年1月に実施した調査(n=132)で、「応募が取れる求人原稿が作成できない」は65.2%だった。
同じ調査では採用担当の59.1%が1名で担当、求人1本を30分以内で作る人が約6割で、”書き方”以前に時間と体制が足りていない。
「作れない」を文章力ではなく”仕組みの問題”として捉え直すと、書き方を磨く前に確保すべき時間・素材・優先順位が見えてくる。

「作れない」の前に、”作る体制”を見てみる

求人原稿作成についての実態調査とは、企業の採用・求人広告担当者に作成の実態を尋ねた調査です。天職市場が2025年1月に実施し(n=132・小規模サンプルのため傾向として読みます)、課題のトップは「応募が取れる求人が作成できない」65.2%でした。昨日はこの数字を入口に”書き方”を考えましたが、同じ調査には作り手の体制を映す数字も並んでいます。

KEY METRIC
59.1%
1名担当
求人作成は”ひとり仕事”が約6割
採用担当の59.1%が1名で対応。さらに採用マネジメントと原稿作成を兼ねるプレイングマネージャーが4割を超えます。求人1本を30分以内で仕上げる人も約6割。”じっくり書く”前提が、そもそも崩れているのかもしれません。

この数字を見ると、「応募が取れる原稿が作れない」のは、文章のうまい・下手だけの話ではなさそうだと感じます。一人で何本も回し、1本あたり30分。その条件では、誰に届けるかを考える時間も、自社の魅力を集める時間も確保しづらい。書く力の前に、書くための”余白”が足りていないのです。

課題の中身を並べると、”書き方”は一部だった

求人原稿づくりの課題を複数回答で並べると、上位に来るのは「ターゲットに沿った原稿が作れない(53.8%)」。一方で「何を書けばいいかわからない(27.3%)」のような純粋な書き方の悩みは、それより下に位置します。工数・人手や検証の手が回らないという”体制”の課題も2割台で続きます。

IMPACT MAP
応募が取れる求人が作成できない65.2%
ターゲットに沿った原稿が作成できない53.8%
何を書けばいいかわからない27.3%
AIを活用したいが方法がわからない25.8%
工数がかかりすぎる・人手が足りない24.2%
検証・改善に手が回らない23.5%
※求人原稿作成の課題(複数回答)。「書けない」より「誰に向けて・どう改善するか」に課題が広がっている。

MYTH vs FACT
MYTH
応募が取れないのは、原稿の”書き方”が下手だから。書き方を学べば解決する。
FACT
課題の多くは”書き方の前段”にある。「ターゲットに沿わない(53.8%)」「工数・人手不足(24.2%)」「検証に手が回らない(23.5%)」。一人担当59.1%・1本30分以内6割という体制では、書く力より”考える時間と素材”が不足している。

つまり、書き方のテクニックは大事ですが、それは氷山の一角。手前にある「誰に届けるかを決める」「自社の素材を集める」「出した後に振り返る」という工程に時間を割けるかどうかが、応募の取れ方を左右している、と読めます。だとすれば打ち手は、原稿術を増やすことより、その手前の時間を仕組みでつくることかもしれません。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

同じ「65.2%」でも、昨日は”書き方”として、今日は”体制”として読みました。どちらも正しいのですが、HRブランディングの視点で見ると、面白いのは「作れない」の正体が個人の文章力ではなく、一人で抱える仕組みの問題だったことだと感じています。

求人広告の制作を、担当者の力量の話から”仕組み”の話に置き換えると、できることが変わります。誰に届けるかを先に1行で決めておく、自社の魅力の素材を日頃から少しずつ貯めておく、出した後に短く振り返る。こうした手前の工程に時間を回せると、同じ30分でも原稿の伝わり方は変わってくるはずです。

わたしたちCoachersも、つい「もっと良い表現を」と仕上げの方ばかり気にしてしまいます。でも本当に効くのは、書く前の準備に余白をつくること。一人で抱え込まず、社内外の手も借りながら、求人づくりを”仕組み”にしていけたらと思っています。

ACTIONS
求人1本にかけている時間を一度測ってみる
30分以内で仕上げているなら、考える時間が足りていないサインかもしれません。まず現状の所要時間を把握すると、どこに余白が要るか見えてきます。
書き始める前に「誰に届けるか」を1行で書く
課題の53.8%が「ターゲットに沿わない」。原稿に着手する前に、たった1行でも宛先を言葉にしておくと、その後の筆が進みやすくなります。
検証・改善の時間を月1回だけ予定に固定する
23.5%が「検証に手が回らない」状態。短時間でも”振り返り枠”をカレンダーに置くだけで、出しっぱなしを防ぎ、次の原稿が良くなっていきます。

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求人づくりを、ひとりの頑張りから”仕組み”へ
Coachersは、求人広告・採用サイト・採用ブランディングを通じて、書く前の「誰に・何を」を一緒に整え、応募が取れる求人づくりを支援するHRブランディングファームです。一人で抱え込む前に、お気軽にご相談ください。

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中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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