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有効求人倍率1.17倍、でも新規求人は13カ月連続減──二極化する採用市場の読み方
「有効求人倍率が下がったらしい」というニュースを見て、”少しは採用が楽になるのかな”と感じた方は少なくないかもしれません。わたしたちCoachersも、数字だけを見ると同じように受け取りそうになります。
でも2026年5月の数字を丁寧に読むと、少し違う景色が見えてきます。有効求人倍率は1.17倍と依然として高い水準を保つ一方で、新規求人はなんと13カ月連続で減り続けているのです。
「求人倍率が下がった=採用しやすくなった」とは、どうやら言い切れない。この数字の裏で何が起きているのか、そして中途採用の現場で何ができるのか、一緒に読み解いてみたいと思います。
有効求人倍率1.17倍は「採用が楽になった」サインなのか
結論から言えば、「楽になった」とは言い切れない、というのが実態に近そうです。有効求人倍率とは、ハローワークに寄せられた求人数を求職者数で割った指標で、1倍を超えれば「求職者より求人のほうが多い=売り手市場」を意味します。5月の1.17倍は前月から0.01ポイント下がったとはいえ、1倍を大きく上回る水準が続いています。完全失業率も2.5%で横ばい。全体像としては、まだまだ人を採りにくい環境です。
注目したいのは、倍率の小さな低下が「求職者が増えたから」ではなく、企業側が新規求人を絞ったからという側面です。新規求人は前年同月比で8.9%減り、これで13カ月連続の減少。物価高騰や省人化の流れのなかで、企業が募集そのものを慎重にしている姿が浮かびます。応募が集まりやすくなったというより、市場全体が”様子見”に入っていると読むほうが自然かもしれません。
「平均1.17倍」の裏で進む、職種の二極化
全体の倍率は、あくまで多くの職種をならした平均値です。実際には、職種によって採用のしやすさは驚くほど違います。2026年4月の職種別(常用・除パート)を見ると、その差がはっきりします。数字が大きいほど「1人の求職者を多くの企業で取り合っている」状態です。
一般事務のように1人の枠に3〜4人が応募する職種もあれば、建築技術者や営業のように1人を数社で奪い合う職種もある。同じ「中途採用」でも、置かれている状況はまるで違います。だからこそ、「平均1.17倍」を自社の実感にそのまま当てはめると、打ち手を見誤りかねません。まず自社が採りたい職種は、集まりやすい側なのか、取り合う側なのか——ここを見極めることが出発点になりそうです。
「数を打つ採用」から「選ばれる採用」へ
企業が求人を絞り、職種によっては候補者を取り合う——この局面で効きにくくなるのが、「とにかく多くの媒体に出して母数で勝負する」という数の発想です。求人枠が減れば、同じ職種の求人はむしろ密集し、平凡な原稿は埋もれやすくなります。いま問われているのは、限られた1件を、どれだけ”選ばれる”ものにできるかです。
これは「出稿をやめよう」という話ではありません。出す前に魅せ方を整えるだけで、同じ予算でも届き方が変わる、という順番の問題です。数字が示す市場の変化は、奇しくも「魅力づけに投資する価値が上がっている」というメッセージにも読めます。
よくある疑問(FAQ)
今回の数字を眺めていて感じたのは、「マクロの1つの数字だけを見ると、判断を誤りやすい」ということでした。有効求人倍率も新規求人数も、それ単体では”追い風”にも”向かい風”にも読めてしまう。大事なのは、自社が採りたい職種という解像度まで数字を落として見ることかもしれません。
そして、求人が絞られ職種で二極化するほど、効いてくるのがHRブランディング・採用ブランディングの発想だと感じています。候補者からすれば、選択肢が減ったわけではありません。むしろ「どこを選ぶか」を、これまで以上にシビアに見比べています。求人広告の原稿を一段見直すだけでも、「なぜこの会社なのか」の伝わり方は変わります。数を足す前に、いまある1件の言葉を磨く——遠回りに見えて、二極化の時代には近道になりやすい気がしています。
わたしたちCoachers自身も採用に向き合う一社として、「倍率が下がったから」と気を緩めず、届けたい人に届く魅せ方を地道に整えていきたいと思っています。
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年5月分)について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73416.html
- 日本経済新聞「5月の有効求人倍率1.17倍、2カ月ぶり低下 完全失業率は横ばいの2.5%」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA294TF0Z20C26A6000000/
- @type(タイプ)「【2026年6月最新】有効求人倍率の推移を職種別に紹介!」 https://topics.type.jp/womantype-all/market-trends/
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