ブログ
転職者の51%が「企業のAI環境」で選ぶ時代──AIで選ばれる採用の見せ方
「AIを使いこなせる人を採りたい」——そんな声が増えています。でも先日ある調査を見て、少し意外に感じました。実は候補者の側も、”この会社はAIを使える環境か”で転職先を見定め始めているようなのです。
直近1年以内に転職した人の51.37%が、転職先選びで企業のAI活用状況を気にした、という結果でした(株式会社ゼロアクセル、2026年6月公表・n=175)。評価する側とされる側が、いつのまにか少し逆転しているのかもしれません。
数字を追いかけて煽るつもりはありません。ただ”選ぶ・選ばれる”の関係が変わりつつある今、わたしたち採用する側は何を見せればいいのか。一緒に考えてみたいと思います。
「AIを使える会社か」を、半数が見ている
結論から言うと、転職先選びで企業のAI活用状況を気にした人は51.37%——ほぼ半数でした。「積極的に気にした」22.6%と「少し気にした」28.77%の合計です。裏を返せば残りの約半数は気にしておらず、まだ全員の関心事とは言えません。ただ、”働く環境としてAIが使えるか”が、報酬や働き方と並ぶ判断材料になりつつあるのは確かなようです。
これまで「AI×採用」というと、企業が候補者のAIスキルを評価するという文脈で語られがちでした。実際、同じ調査では選考でAIスキルを「求められた」と感じた人が62.94%にのぼります。けれど今回おもしろいのは、その矢印が候補者→企業にも向き始めていること。”評価される側”だと思っていた候補者が、静かにこちらを評価している、という構図です。
候補者はもう、AIで”準備”を整えて面接に来る
なぜ候補者が企業のAI環境を気にするのか。その背景には、転職活動そのものにAIが溶け込んでいる現実があります。転職者の61.15%がAIを活用し、その使いどころは応募準備の中心にまで及んでいます。面接の受け答え練習、企業リサーチ、書類作成——かつては属人的だった”準備の質”が、AIで底上げされているのです。
ここで大事なのは、”だから候補者を疑おう”ではないと感じています。書類や面接回答がAIで磨かれている前提に立つと、選考で見るべきは「AIで整えられない部分」——その人の経験の具体、判断のクセ、再現性——に自然と絞られていきます。同時に、企業リサーチの半数がAI経由なら、自社の情報がAIに正しく拾われる状態かも無視できません。候補者が生成AIで「この会社、AI使ってるのかな」と調べたとき、答えが見つからなければ、それ自体が”見えない減点”になりかねないからです。
採用担当者からよくある3つの疑問
今回の数字で一番おもしろいと感じたのは、”評価する・される”の矢印が双方向になったことです。企業が候補者のAIスキルを見るのと同じくらい、候補者も企業のAI環境を見ている。片方向のジャッジではなく、お互いに見せ合う関係に近づいているのかもしれません。
ここで効いてくるのがHRブランディングの発想です。AIを大々的に導入していなくても、「日々の業務でこう使っている」「これから整えていく」という等身大の姿を、求人原稿や採用サイトの情報設計として言語化しておく。派手さより、候補者がAIで調べたときに”ちゃんと出てくる・腹落ちする”ことのほうが、いまは信頼につながる気がしています。
ただし、n=175の一調査です。断定はできませんし、業種や職種で温度差もあるはずです。わたしたちCoachersも、数字に振り回されず「自社は何を正直に見せられるか」から一緒に考えていきたいと思っています。
- HRプロ「中途採用も”AI前提”の時代へ。転職者の6割超がAI活用、企業のAI環境も選択基準に」 https://www.hrpro.co.jp/trend_news.php?news_no=3790(株式会社ゼロアクセル調査/2026年5月27日〜6月9日/n=175/2026年6月12日公表)
CONTACT
採用に関するご相談・お問い合わせはこちら
採用ブランディング、クリエイティブ制作、求人運用、RPOなど、
採用に関するあらゆるご相談を承ります。まずはお気軽にお問い合わせください。