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採用計画の立て方──中小企業の59.6%が予定人数を採れない、下期の4手順
「来期は何人採るか」——採用計画をつくるとき、まずその数字から書き始める会社は多いかもしれません。わたしたちCoachersも、計画書の一行目はいつも人数でした。
ただ、リクルートワークス研究所が2025年10〜11月に行った調査では、上半期に必要な人数を確保できなかった企業が56.6%。従業員5〜299人に絞ると59.6%でした。外れていたのは、人数の読みではなかったのかもしれません。
出典:リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2026年度見通し、2025年度上半期実績 正規社員)」(2025年10〜11月調査・2026年2月公表)。確保状況は2025年度上半期に中途採用を実施した企業 n=3,387(従業員5〜299人は n=1,591)。D.I.は2026年度に中途採用数が「増える」-「減る」の差(n=4,071)。
採用計画は、どこでずれるのでしょうか
採用計画がずれる原因の多くは、採用人数の読み違いではありません。その人数に届くまでに何人減るかが、計画に入っていないことのほうが多いです。
リクルートワークス研究所の調査では、2025年度上半期に中途採用を実施した企業のうち、必要な人数を「確保できなかった」と答えたのは56.6%でした。
リクルートワークス研究所「中途採用実態調査」(2026年2月公表)/上半期に中途採用を実施した企業 n=3,387
業種で見ると、医療・福祉66.3%、建設業62.6%、運輸業62.1%が「確保できなかった」と答えています。
一方で、採用を増やしたい気持ち自体は落ちていません。2026年度の中途採用D.I.(「増える」-「減る」)は13.8ポイントで、5年連続のプラスです。
ただ前年度の17.5ポイントからは3.7ポイント下がりました。増やしたいけれど、勢いは少し落ち着いた——そんな数字に見えます。
増やす計画は立つ、けれど半分以上が届かない。この間にあるのが、選考の途中で人が減っていく歩留まりです。
応募→書類通過→面接通過→内定→承諾と、段階ごとに細くなっていく形は、採用ファネルと呼ばれます。名前がつくと、計画の中で扱いやすくなります。
計画に人数だけを書くと、このファネルの細り方が見えません。逆に言えば、細り方さえ分かれば、必要な応募数は計算できます。
採用計画の立て方──4つの手順
中途採用の計画は、次の4つに分けると組み立てやすくなります。順番が大切で、3と4を先に決めると、1と2があとから帳尻合わせになりがちです。
手順2の逆算は、紙1枚で足ります。下の型に、直近1年の自社の数字を入れてみてください。
記入例は書き方を示すための架空の数字です。通過率が分からない欄は、まず「不明」と書いておくだけでも、次に何を測ればいいかがはっきりします。
1名あたりに必要な応募数は、記入例1で約27件、記入例2で約11件。同じ「1名採用」でも2倍以上の開きが出ます。
人数だけの計画では、この差が最後まで見えません。だから「今年は運が悪かった」という総括になりがちなのだと思います。
立てた計画は、求人票のどこに出るのでしょうか
採用計画のうち候補者の目に触れるのは、計画書ではなく求人票の数行です。とくに手順3で必須要件をどこまで絞ったかは、応募条件の欄にそのまま出ます。
5つ全部を満たす人だけが「自分のことだ」と読みます。
【歓迎】マネジメント経験/宅建
手前の層まで「応募していい」と読めます。
条件を薄くする話ではありません。書いてある内容は同じで、置き場所を変えただけです。
採用計画の巧拙は、こうして一枚の求人票に集約されて候補者に届きます。計画書そのものは、誰にも読まれません。
求人原稿のご相談をいただくとき、最初に見せていただくのは求人票ですが、そのうしろにはたいてい採用計画があります。
そして「何人採る」は決まっているのに「何件応募が要る」は決まっていない、というのが、いちばんよく出会う形です。
御社の求人を開いた候補者は、採用計画の存在を知りません。見えているのは、応募条件の欄に並んだ数行だけです。
その数行を読んで、5つのうち4つは当てはまるけれど1つ足りない、と分かったとき、多くの人は応募ボタンを押しません。「必須」と書かれた条件は、足りなければ落ちる条件として読まれます。
わたしたちが現場でよく聞くのは、「応募が来ないので条件をひとつ歓迎に移したら、しばらく前から見ていたらしい人が応募してきた」という話です。
その人は最初から市場にいて、押していなかっただけなのかもしれません。だとすれば手順3は、計画の中でいちばん安く動かせる場所だと思います。
何を必須とするかを決める作業は、HRブランディングの入口でもあると感じています。どんな人と働きたいかの表明が、そのまま条件欄に出るからです。
求人広告の原稿を書こうとして「うちは結局どこを譲れないんだったか」で手が止まる。そこから採用計画が整い始めることは、実際によくあります。
なお、この調査が見ているのは2025年度の上半期です。2026年のいまは数字が動いているかもしれません。ただ「歩留まりが入っていない計画はずれる」という部分は、時期を問わず変わらないところだと思っています。
- リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2026年度見通し、2025年度上半期実績 正規社員)」(2025年10月1日〜11月7日調査・2026年2月9日公表) https://www.works-i.com/surveys/report/20260209_midcareer.html
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