求人媒体の比較表は、探せばいくらでも出てきます。それでも「媒体を変えたのに応募が増えなかった」という話を、毎月のように聞きます。
転職活動でいちばん重視されている情報源は、求人媒体そのものではありませんでした。企業の公式ウェブサイトが36.4%で1位です。媒体は入口で、決め手はその先にあるのかもしれません。
この記事では、媒体を決める前に決めておく3つと、掲載してからの2週間で見る数字を書きます。
求人媒体は、どこから選べばいいのか
中途採用で求人媒体を選ぶときは、媒体の比較表からではなく「採りたい一人が、どこで会社を調べるか」から決めるのがおすすめです。
見る場所が決まると、出す媒体も、そこに置いておく情報も同時に決まります。
株式会社Bloomが2026年3月に実施した調査(同社サービス登録者767名・単一回答)では、転職活動の情報収集で最も重視する情報源の1位は企業の公式ウェブサイトで36.4%でした。
2位は転職エージェントからの情報で25.0%、3位が口コミサイト・SNSで22.8%と続きます。公表されている上位3つに、求人媒体そのものは入っていません(4位以下は公表されていません)。
媒体は「何人の目に触れるか」を決めます。「誰が応募するか」は、その先で見られている情報が決めているのだと思います。
おもしろいのは、その「見る場所」が年代で入れ替わることです。同じ調査の内訳では、20代と50代でまったく違う答えが出ています。
20代が最も重視する情報源は企業の公式ウェブサイトで42.3%。口コミサイト・SNSは24.5%で、公式サイトのほうが上回っています。自分で会社のページを開いて確かめる層です。
50代が最も重視する情報源は転職エージェントからの情報で43.1%。人づてで会社を知る層です。ここに厚く届けるなら、資料はエージェントの手元に置くことになります(30代・40代の内訳は公表されていません)。
媒体を決める前に、決めておく3つ
求人媒体を決める前に決めておきたいのは、採りたい一人・その人が会社を調べる場所・そこに置いておくものの3つです。この3つが空いたまま媒体を選ぶと、媒体を変える往復が始まります。
- 採りたい一人を、年代と現在地まで書く
「営業を1名」で止めず、「26歳・法人営業3年目・いまは同業の中堅にいる」まで書きます。年代が決まらないと、次の「調べる場所」が決められません。 - その人が会社を調べる場所を1つに決める
公式サイトか、エージェント経由か、口コミ・SNSか。若手なら公式サイト、ベテラン層ならエージェントの手元、と置いてみて、外れたら次の掲載で入れ替えます。 - その場所に置くものを、1つだけ用意する
全部を整えなくて大丈夫です。公式サイトならその職種の1ページ、エージェント経由なら渡す1枚。媒体の申込みより先に、これを作っておきます。
① 採りたい一人:〈年代〉〈職種〉〈いまどこにいる人か〉
② 会社を調べる場所:〈公式サイト/エージェント/口コミ・SNS〉
③ そこに置くもの:〈 〉
④ 決め手にしてほしい一文:〈 〉
⑤ 2週間で見る数字:〈応募数/面接予約数〉
記入例(架空):20代の施工管理を1名。① 26歳・施工管理・地場ゼネコンで3年目。② 公式サイト(20代が最も重視する情報源は企業の公式ウェブサイト42.3%)。③ 現場の1日を追った写真6枚と、3年目の先輩の一日。④「残業は月20時間以内。現場は2件までしか持たせません」。⑤ 2週間で応募3件・面接予約2件。応募が0なら媒体、予約が0なら公式サイト側を直す。
掲載してからの2週間で見る数字
掲載後の2週間で見ておきたいのは、応募数と面接予約数を「分けて」数えることです。合計だけを見ていると、媒体の問題か、媒体の先の問題かが切り分けられません。
応募が0に近いなら、媒体か原稿の側です。応募はあるのに面接に進まないなら、媒体ではなく、そのあとに見られている情報や連絡の側を疑うほうが早いと感じています。
- 応募数を、媒体ごとに分けて数える
- 面接予約数を、応募数と別の欄で数える
- 掲載期間中に、公式サイトのその職種のページを更新する
- エージェント経由なら、渡した1枚の更新日が分かる
- 次の掲載で「何を1つ変えるか」を決めておく
応募が来ないとき、いちばん手をつけやすいのが媒体の入れ替えです。ただ媒体を変え続けても数字が動かないとき、変わっていないのは「媒体の先に何が置いてあるか」のほうだったりします。
求人を見つけた候補者が次にすることは、たいてい会社名の検索です。今回の調査で最も重視する情報源に公式ウェブサイトが挙がったのは、応募を決める直前にそこを開いているからかもしれません。
媒体で見つけてもらった人も、そこに何も置かれていなければ、判断材料がないまま他社と比べられます。
わたしたちが現場でよく聞くのは、「求人は読んだけれど、会社のことが分からなかった」という声です。媒体の枠に入りきらなかった話が、どこにも置かれていない状態だったのだと思います。
媒体選びの失敗に見えているものの多くは、媒体そのものの問題ではないのかもしれません。媒体は届く人数を決め、応募するかどうかはその先の情報が決める。そう分けて見ると、次に直す場所が一つに絞れます。
わたしたちCoachersも、求人広告の原稿だけを直しても動かず、採用サイトの1ページを足して初めて数字が変わった、という経験を何度もしてきました。HRブランディングは、その「媒体の先」を先に用意しておく考え方だと思っています。
今日からできる3つ
- 採りたい一人を、年代と現在地まで書き出す
年代が決まると見る場所が決まるからです。今回の調査では、20代と50代で最も重視する情報源が入れ替わっていました。 - 申込みより先に、その職種のページを1枚だけ用意する
最も重視する情報源の1位が公式ウェブサイト(36.4%)だからです。媒体で見つけた人が最後に開く場所を、空のままにしないためです。 - 掲載から2週間、応募数と面接予約数を分けて数える
分けないと、媒体の問題か媒体の先の問題かが切り分けられず、媒体を変え続ける往復になってしまうからです。
よくある質問
Q. 求人媒体は何社くらい併用するのがいいですか?
数ではなく、1媒体あたりに割ける手入れの量で決めるのがおすすめです。原稿を直す・応募に早く返す、といった運用は媒体ごとに発生します。まず1〜2媒体で2週間の数字を見て、足りないほうを足していくのが安全だと感じています。
Q. 応募が来ないとき、媒体を変えたほうがいいですか?
応募が0に近いときは媒体か原稿を、応募はあるのに面接に進まないときは媒体の先(公式サイト・連絡の速さ)を疑うほうが早いです。2週間の応募数と面接予約数を分けて数えると、どちらの問題かが見分けられます。
Q. 求人媒体と人材紹介は、どう使い分ければいいですか?
狙う年代で分けると考えやすいです。株式会社Bloomの調査(n=767)では、50代が最も重視する情報源は転職エージェントからの情報で43.1%、20代は企業の公式ウェブサイトで42.3%でした。ベテラン層は紹介経由に情報を渡し、若手層は自社の情報を厚くする、という組み立てになります。
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出典
株式会社Bloom「世代により転職活動時の情報源に差、20代は企業公式サイトを最重視」(調査名:大手企業への転職活動に関するアンケート)2026年4月23日公表・調査2026年3月11〜15日・n=767 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000057795.html



