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求人サイト訪問数ランキング2026──”入口の大きさ”だけで媒体を選ばない
いま掲載している求人媒体、最後に「選び直した」のはいつだったか覚えていますか? 「前任者の頃からずっとこの媒体」「大手だからなんとなく安心」──忙しい毎日の中では、そんな選び方になってしまうのも自然なことですよね。
2026年6月10日、SNS採用マーケティングを手がけるリソースクリエイション社が、最新の「求人サイト訪問数ランキング」(2026年3月〜5月集計)を発表しました。中途向けの1位はdodaで5,273万訪問。2位マイナビ転職とは約1.3倍、3位リクナビNEXTとは約2.7倍の差がついています。
ただ、この数字を見て「一番大きい媒体に載せれば安心」と考えてしまうと、少しもったいないかもしれません。候補者は媒体で出会ったあと、検索して公式の採用情報を確かめ、SNSまで見にいく時代。今日は最新データを眺めながら、媒体選定とその先の”受け皿”をセットで考えてみたいと思います。
求人サイト訪問数ランキング、中途の上位はどこ?
結論からお伝えすると、中途向け求人サイトの訪問数(2026年3月〜5月の3ヶ月合計)は、1位 doda(5,273万)、2位 マイナビ転職(3,927万)、3位 リクナビNEXT(1,920万)でした。求人サイト訪問数ランキングとは、SimilarWebなどのアクセスデータをもとに、各求人サイトに「どれだけの人が訪れたか」を集計・比較したものです。いわば媒体ごとの”入口の大きさ”を測る物差しですね。
発表元の解説によると、dodaは20代〜30代半ばの若手・中堅層が中心で、営業・金融・メディカル・エンジニアなど分野特化の専門サイトを併設している点が特徴。マイナビ転職は利用者の約7割が「3ヶ月以内の転職」を希望するアクティブ層で、地方採用やU・Iターンにも強み。リクナビNEXTはIndeed PLUS連携で、掲載求人が外部サイトへ自動配信される仕組みを持っています。同じ”大手総合サイト”でも、集まっている人と得意な戦い方はけっこう違うんですよね。
新卒・アルバイト領域の1位も見ておきましょう。こちらも「とりあえず最大手」ではなく、ターゲットごとの顔ぶれの違いが見えてきます。
新卒では2位にONE CAREER(606万)、3位にOfferBox(510万)と、クチコミ型・逆求人型がランクイン。アルバイトでは2位バイトル(2,456万)、3位マイナビバイト(676万)でした。総合ナビの規模には届かなくても、「クチコミを読み込みたい学生」「スカウトを待つ学生」のような行動特性ごとに、別の入口が育っていることが分かります。
なぜいま、媒体選びの重みが増しているのでしょうか
背景にあるのは、採用競争そのものの激化です。リリース内で引用されている学情の調査では、2026年度に「賃上げ」を実施した企業は約75%。実施理由は「人材確保・定着のため」が7割を超えて最多でした。つまり4社に3社が、人を採るため・引き留めるためにコストを積んでいる状況です。
賃金で差がつきにくくなるほど、候補者は「どこで求人に出会うか」「その求人から何が伝わるか」で動くようになります。発表元の総括でも、求職者がSNSで自ら企業情報を集めるのが主流になり、従来の求人広告だけに頼る選考プロセスは見直しを迫られていると指摘されていました。媒体の選定とその後の発信は、もうセットで考える時代なのかもしれません。
訪問数が多い媒体に出せば、応募は来るのでしょうか
ここが今日いちばん考えたいところです。結論めいた言い方をすると、訪問数は「媒体の集客力」であって、「自社求人への応募数」を約束するものではありません。5,273万の訪問があっても、自社の求人ページにたどり着き、読んで、心が動く人がいなければ応募にはつながらない──当たり前のようで、つい忘れてしまう構造ですよね。
訪問数の大きい媒体ほど、候補者は一度にたくさんの求人を見比べています。つまり入口が大きいほど、自社の求人が「並べて比較される」回数も増えるということ。媒体選定と同じくらい、比較に耐える原稿になっているかが問われます。そしてもうひとつ、原稿のさらに先にある”受け皿”の話があります。
媒体で出会ったあと、候補者はどこを見ているのでしょうか
結論から言うと、候補者の多くは媒体で求人に出会ったあと、そのまま応募ボタンを押すのではなく、いったん検索して「公式の採用情報」で裏取りをします。以前ご紹介した調査では、候補者の76%が生成AIで企業研究を行い、約9割(88.4%)は公式の採用情報で内容を確かめると回答していました。今日のランキングの発表元も「求職者がSNSで自ら企業情報を収集するのが主流となり、従来の求人広告だけに頼る選考プロセスは見直しを迫られている」と総括しています。
では、検索の先にある受け皿──HPや採用ページの情報が薄いと、何が起きるのでしょうか。別の調査では、「実態が見えない」ことを理由に46.1%の候補者が静かに離脱するという結果が出ています。一方で企業側はというと、中途採用の打ち手は「広告出稿」が最多なのに、採用webサイトの強化は24.9%、SNS・動画活用は13.0%にとどまるのが現状。入口への投資に対して、受け皿への投資が手薄になりがちなんですよね。候補者の動きを整理すると、こんな流れになります。
こうして見ると、「HPが薄いとSNSも見にいく」というより、SNSチェックはもう標準動作で、公式の受け皿が薄いと”静かな離脱”か”第三者情報だけでの判断”につながる、というのが実態に近そうです。媒体選定(入口)と受け皿(公式の採用情報)は、セットで初めて機能する──そんな見方ができそうですよね。よくいただく疑問も整理してみました。
訪問数ランキングは、わたしたちもつい順位に目を奪われてしまうのですが、よく見ると「候補者の行動の地図」として読めるデータだと感じています。総合ナビの巨大な入口の横で、クチコミ型やスカウト型が確かな存在感を持っている。そして入口のあとには、検索と裏取りという”第二の選考”が待っている。媒体は出会いの場所であって、意思決定の場所ではなくなりつつあるんですよね。
気になるのは、打ち手が広告=入口に集中しがちな一方で、受け皿への投資が後回しになりやすいという”ねじれ”です。HRブランディングの視点で言えば、媒体は”出会いの場所”、受け皿は”出会ったあとの会話”。せっかく入口にお金をかけても、会話が薄ければ46.1%は黙って帰ってしまう。採用サイトの情報設計という観点では、裏取りに来た候補者が「仕事の中身・働く人・数字」に1〜2クリックで届くかどうかが、ひとつの分かれ目になる気がしています。
わたしたちCoachersも、入口の改善だけで応募が伸びた経験もあれば、受け皿を整えて初めて応募の”質”が変わった経験もあります。賃上げ75%の競争環境だからこそ、「入口の大きさ」と「受け皿の深さ」を分けて点検し、セットで育てていくことが、遠回りに見えて一番の近道かもしれません。
今日からできること
- 株式会社リソースクリエイション「【最新】求人サイト訪問数ランキングまとめ<2026年6月版>」(PR TIMES、2026年6月10日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000115.000087010.html
- 株式会社学情 賃上げ実施に関する企業調査(上記リリース内引用) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001538.000013485.html
- 訪問数集計元:SimilarWeb https://www.similarweb.com/ja/
- ファングリー「採用広報に関する意識調査」(候補者の離脱46.1%) https://fungry.co.jp/news/2026-recruitment-pr-awareness-survey/
- 転職活動における生成AI利用実態調査(生成AI企業研究76%・公式情報での裏取り88.4%) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000655.000055900.html
- 中途採用の打ち手に関する調査(広告出稿最多・採用webサイト24.9%・SNS動画13.0%) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000091.000117855.html
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