求人サイト訪問数ランキング2026──”入口の大きさ”だけで媒体を選ばない
BLOG

ブログ

求人サイト訪問数ランキング2026──”入口の大きさ”だけで媒体を選ばない

Branding, 2026.06.12 By 中村 尚人

いま掲載している求人媒体、最後に「選び直した」のはいつだったか覚えていますか? 「前任者の頃からずっとこの媒体」「大手だからなんとなく安心」──忙しい毎日の中では、そんな選び方になってしまうのも自然なことですよね。

2026年6月10日、SNS採用マーケティングを手がけるリソースクリエイション社が、最新の「求人サイト訪問数ランキング」(2026年3月〜5月集計)を発表しました。中途向けの1位はdodaで5,273万訪問。2位マイナビ転職とは約1.3倍、3位リクナビNEXTとは約2.7倍の差がついています。

ただ、この数字を見て「一番大きい媒体に載せれば安心」と考えてしまうと、少しもったいないかもしれません。候補者は媒体で出会ったあと、検索して公式の採用情報を確かめ、SNSまで見にいく時代。今日は最新データを眺めながら、媒体選定とその先の”受け皿”をセットで考えてみたいと思います。

求人サイト訪問数ランキング、中途の上位はどこ?

結論からお伝えすると、中途向け求人サイトの訪問数(2026年3月〜5月の3ヶ月合計)は、1位 doda(5,273万)、2位 マイナビ転職(3,927万)、3位 リクナビNEXT(1,920万)でした。求人サイト訪問数ランキングとは、SimilarWebなどのアクセスデータをもとに、各求人サイトに「どれだけの人が訪れたか」を集計・比較したものです。いわば媒体ごとの”入口の大きさ”を測る物差しですね。

IMPACT MAP ── 中途向け求人サイト訪問数(2026年3月〜5月合計)
doda5,273万
 
マイナビ転職3,927万
 
リクナビNEXT1,920万
 

発表元の解説によると、dodaは20代〜30代半ばの若手・中堅層が中心で、営業・金融・メディカル・エンジニアなど分野特化の専門サイトを併設している点が特徴。マイナビ転職は利用者の約7割が「3ヶ月以内の転職」を希望するアクティブ層で、地方採用やU・Iターンにも強み。リクナビNEXTはIndeed PLUS連携で、掲載求人が外部サイトへ自動配信される仕組みを持っています。同じ”大手総合サイト”でも、集まっている人と得意な戦い方はけっこう違うんですよね。

新卒・アルバイト領域の1位も見ておきましょう。こちらも「とりあえず最大手」ではなく、ターゲットごとの顔ぶれの違いが見えてきます。

KEY DATA ── 領域別・訪問数1位(同期間)
新卒1位:マイナビ新卒
2,982万訪問
アルバイト1位:タウンワーク
3,486万訪問

新卒では2位にONE CAREER(606万)、3位にOfferBox(510万)と、クチコミ型・逆求人型がランクイン。アルバイトでは2位バイトル(2,456万)、3位マイナビバイト(676万)でした。総合ナビの規模には届かなくても、「クチコミを読み込みたい学生」「スカウトを待つ学生」のような行動特性ごとに、別の入口が育っていることが分かります。

なぜいま、媒体選びの重みが増しているのでしょうか

背景にあるのは、採用競争そのものの激化です。リリース内で引用されている学情の調査では、2026年度に「賃上げ」を実施した企業は約75%。実施理由は「人材確保・定着のため」が7割を超えて最多でした。つまり4社に3社が、人を採るため・引き留めるためにコストを積んでいる状況です。

KEY METRIC
75%
賃上げを実施
2026年度に賃上げを実施した企業は約75%(4社に3社)
実施理由の最多は「人材確保・定着のため」で7割超(学情調査)。給与で並ばれるほど、媒体選びと”見せ方”の差が応募数に効いてきます。

賃金で差がつきにくくなるほど、候補者は「どこで求人に出会うか」「その求人から何が伝わるか」で動くようになります。発表元の総括でも、求職者がSNSで自ら企業情報を集めるのが主流になり、従来の求人広告だけに頼る選考プロセスは見直しを迫られていると指摘されていました。媒体の選定とその後の発信は、もうセットで考える時代なのかもしれません。

訪問数が多い媒体に出せば、応募は来るのでしょうか

ここが今日いちばん考えたいところです。結論めいた言い方をすると、訪問数は「媒体の集客力」であって、「自社求人への応募数」を約束するものではありません。5,273万の訪問があっても、自社の求人ページにたどり着き、読んで、心が動く人がいなければ応募にはつながらない──当たり前のようで、つい忘れてしまう構造ですよね。

COMPARISON ── 媒体選定の考え方
BEFORE
“入口の大きさ”で選ぶ
知名度と訪問数の大きい媒体に掲載して様子を見る。順位が下がると「媒体のせいかな」と乗り換えを検討。原稿は掲載時のまま。
AFTER
“ターゲット適合×原稿の質”で選ぶ
採りたい人がいる媒体かを利用者層・機能から確認し、訪問数は「その上での規模感」として参照。掲載後は応募データを見ながら原稿を磨き続ける。

訪問数の大きい媒体ほど、候補者は一度にたくさんの求人を見比べています。つまり入口が大きいほど、自社の求人が「並べて比較される」回数も増えるということ。媒体選定と同じくらい、比較に耐える原稿になっているかが問われます。そしてもうひとつ、原稿のさらに先にある”受け皿”の話があります。

媒体で出会ったあと、候補者はどこを見ているのでしょうか

結論から言うと、候補者の多くは媒体で求人に出会ったあと、そのまま応募ボタンを押すのではなく、いったん検索して「公式の採用情報」で裏取りをします。以前ご紹介した調査では、候補者の76%が生成AIで企業研究を行い、約9割(88.4%)は公式の採用情報で内容を確かめると回答していました。今日のランキングの発表元も「求職者がSNSで自ら企業情報を収集するのが主流となり、従来の求人広告だけに頼る選考プロセスは見直しを迫られている」と総括しています。

では、検索の先にある受け皿──HPや採用ページの情報が薄いと、何が起きるのでしょうか。別の調査では、「実態が見えない」ことを理由に46.1%の候補者が静かに離脱するという結果が出ています。一方で企業側はというと、中途採用の打ち手は「広告出稿」が最多なのに、採用webサイトの強化は24.9%、SNS・動画活用は13.0%にとどまるのが現状。入口への投資に対して、受け皿への投資が手薄になりがちなんですよね。候補者の動きを整理すると、こんな流れになります。

STAGE FLOW ── 媒体で出会ったあとの候補者の動き
STAGE 1媒体で「認知」する
dodaやマイナビ転職などの媒体で求人に出会う段階。ここまでは媒体の訪問数=入口の大きさと、並べて比較される前提の原稿の質が効きます。
 
STAGE 2検索して「裏取り」する
社名で検索し、公式の採用ページやHPで仕事内容・働く人・数字を確認。約9割が公式情報で裏取りし、SNSや口コミも並行してチェックするのが標準動作です。
 
STAGE 3受け皿を見て「判断」する
実態が伝わる受け皿があれば応募へ。情報が薄いと46.1%は何も言わずに離脱し、残る人もSNS・口コミなど自社がコントロールできない情報で判断します。

こうして見ると、「HPが薄いとSNSも見にいく」というより、SNSチェックはもう標準動作で、公式の受け皿が薄いと”静かな離脱”か”第三者情報だけでの判断”につながる、というのが実態に近そうです。媒体選定(入口)と受け皿(公式の採用情報)は、セットで初めて機能する──そんな見方ができそうですよね。よくいただく疑問も整理してみました。

FAQ
Q
いま訪問数が最も多い転職サイトはどこですか?
A
2026年3月〜5月の集計ではdodaが5,273万訪問で1位でした(リソースクリエイション調べ、集計元SimilarWeb)。2位マイナビ転職3,927万、3位リクナビNEXT1,920万です。
 
Q
訪問数が多い媒体に掲載すれば、応募も増えますか?
A
必ずしもそうとは言えません。訪問数は媒体全体の集客力で、自社求人の閲覧数・応募数はターゲット適合と原稿の質に左右されます。母集団が大きいほど比較対象も増えるため、原稿の磨き込みがセットで必要です。
 
Q
複数の求人媒体は、どう使い分ければいいですか?
A
「規模の総合サイト+ターゲット特化型」のように役割を分けて併用するのが考えやすい形です。例えば急ぎの充足は3ヶ月以内転職希望者が多い媒体、専門職は特化サイトやスカウト型、というように、媒体ごとの利用者の行動特性に合わせます。
C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

訪問数ランキングは、わたしたちもつい順位に目を奪われてしまうのですが、よく見ると「候補者の行動の地図」として読めるデータだと感じています。総合ナビの巨大な入口の横で、クチコミ型やスカウト型が確かな存在感を持っている。そして入口のあとには、検索と裏取りという”第二の選考”が待っている。媒体は出会いの場所であって、意思決定の場所ではなくなりつつあるんですよね。

気になるのは、打ち手が広告=入口に集中しがちな一方で、受け皿への投資が後回しになりやすいという”ねじれ”です。HRブランディングの視点で言えば、媒体は”出会いの場所”、受け皿は”出会ったあとの会話”。せっかく入口にお金をかけても、会話が薄ければ46.1%は黙って帰ってしまう。採用サイトの情報設計という観点では、裏取りに来た候補者が「仕事の中身・働く人・数字」に1〜2クリックで届くかどうかが、ひとつの分かれ目になる気がしています。

わたしたちCoachersも、入口の改善だけで応募が伸びた経験もあれば、受け皿を整えて初めて応募の”質”が変わった経験もあります。賃上げ75%の競争環境だからこそ、「入口の大きさ」と「受け皿の深さ」を分けて点検し、セットで育てていくことが、遠回りに見えて一番の近道かもしれません。

今日からできること

ACTIONS
利用中の媒体の「閲覧数→応募数」を3ヶ月分並べてみる
媒体の訪問数ではなく、自社求人の閲覧数と応募数の歩留まりを確認。閲覧が多いのに応募が少なければ、媒体ではなく原稿側に伸びしろがあるサインです。
 
採用したい人物像と媒体の利用者層を1枚で照合する
年齢層・職種・転職温度感(すぐ動きたい人か、情報収集中か)をメモにして、いまの媒体と突き合わせてみる。ズレが見えたら特化型やスカウト型の併用を検討します。
 
自社名で検索して、候補者の動線を一度歩いてみる
媒体の求人→検索→採用ページ・HP→SNSの順に、候補者と同じ動線をたどってみる。「仕事の中身・働く人・数字」が受け皿で確かめられるか、薄い箇所をメモするだけでも次の一手が見えてきます。
FREE DOWNLOAD
採用活動チェックシート
5領域 × 25問で、採用の盲点を5分で可視化。中小企業の人事担当者向けに、設計/集客/サイト/選考/定着の5カテゴリでまとめた自己診断シートです。わかる質問はスキップOK。気軽にどうぞ。
CONTACT
媒体選び(入口)から採用サイト(受け皿)まで、一緒に整えませんか?
Coachersは求人広告制作を起点に、採用サイト・動画・紹介資料まで、出会いの入口と裏取りに耐える受け皿をまとめて設計するHRブランディングカンパニーです。「うちのターゲットはどの媒体にいる?」「受け皿はどこから直す?」という素朴な相談からどうぞ。

お問い合わせフォームへ ›

REFERENCES

 

中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

CONTACT

採用に関するご相談・お問い合わせはこちら

採用ブランディング、クリエイティブ制作、求人運用、RPOなど、
採用に関するあらゆるご相談を承ります。まずはお気軽にお問い合わせください。