御社の求人票は、一枚だけで読まれてはいないはずです。候補者は、ほかの会社の求人と見比べながら応募先を決めています。
dodaのデータでは、エージェントを使って内定を得た人の応募社数は平均31.9社。66.4%は11社以上に応募していました。
この記事では、給与や休日で勝てない会社でも求人票で差がつく3つの欄と、その書き方の型を置きます。
求人票の差別化とは?並べて読まれたときの違いのこと
求人票の差別化とは、候補者が複数の求人を並べて比べたときに、自社の求人にしかない情報で選ばれる状態をつくることです。
ポイントは「並べて」のほうにあります。候補者は一社ずつ順番に検討しているわけではありません。
dodaが公開しているデータでは、dodaエージェントサービスを使って内定を得た人の応募社数は平均31.9社でした。94.9%が2社以上、66.4%が11社以上に応募しています。
dodaエージェントサービスを使って内定を得た人のデータです。エージェント経由の応募は数が増えやすいため、転職者全体の平均ではありません。応募しただけでこの数なので、応募の前にはさらに多くの求人が見比べられていると考えられます。
なぜ求人票は似てしまうのか
求人票が似てしまうのは、どの会社も「間違っていない文」で欄を埋めるからです。間違っていない文は、他社の求人に置いても通じます。
確かめる方法があります。自社の求人票の社名を、同じ媒体に載っている競合の社名に入れ替えて読んでみる。それでも違和感なく読める文は、差別化の役に立っていません。
わたしたちはこれを社名入れ替えテストと呼んでいます。たとえば次のような文は、ほぼどの会社に置いても通じます。
- 事業拡大に伴う増員募集です
- 未経験の方にも先輩が丁寧に教えます
- 風通しのよい社風です
- お客様の笑顔にやりがいを感じられる仕事です
差がつく3つの欄
給与や休日で勝てない会社が求人票で差をつけるなら、直す欄は「タイトルと冒頭」「募集背景」「合わない人」の3つです。どれも条件を変えずに書き換えられます。
条件の欄は数字で並ぶので、書き方で差がつきにくい場所です。一方この3つは、わたしたちが見てきた求人票では、空いているか社名入れ替えテストに通らない文で埋まっていることが少なくありません。
- タイトルと冒頭の3行:一覧で見える場所に、固有の事実を置く
多くの求人を見比べる候補者が最初に目にするのは、タイトルと冒頭になりやすい場所です。「法人営業」ではなく、誰に・何を・どれくらいの規模で売るのかを書く。ここで他社と同じ言葉だと、本文まで開かれにくくなります。 - 募集背景:なぜ今、なぜこの人数なのかを1文で書く
「事業拡大に伴う増員」は、どの会社にも書けます。退職の補充なのか、新しい取引先が増えたのか。理由が具体的だと、入社後に任される仕事の輪郭が候補者に伝わります。 - 合わない人:向いていない人を1行だけ書く
良いことだけ並ぶ求人は、比べるほど見分けがつかなくなります。仕事の厳しい面も含めて先に伝えることは、RJP(現実的職務予告)と呼ばれる考え方です。
①タイトルと冒頭〈誰に〉〈何を〉〈どれくらいの規模で〉 ②募集背景〈いま人が要る理由〉〈この人数である理由〉 ③合わない人〈この仕事で避けられないこと〉が苦手な方には向きません
記入例(架空の文面):①「県内の工務店約120社に、住宅用の断熱材を届けるルート営業」 ②「取引先が2年で3割増え、いまの営業2名では訪問が月1回に届かなくなったため、1名を募集します」 ③「決まった取引先を長く担当する仕事です。毎月新しい相手を開拓したい方には向きません」
求人票の差別化というと、何を足すかから考えがちです。ただ、並べて読まれる前提に立つと、先にやるのは足すことより、どこにでも置ける文を削ることだと見ています。
何十件もの求人を見比べている候補者は、一件ずつ丁寧に読むより、違いが見つからない求人から閉じていくのかもしれません。そうだとすれば、残るのは条件の良い求人より、ほかで読まなかった一文がある求人です。
条件で並べば、規模の大きい会社が有利です。書き方で並べば、自社のことをいちばん知っている会社が有利になります。
今日からできる3つ
- 同じ媒体で競合の求人を3件開き、自社の求人と並べる
候補者と同じ画面で見ないと、どこが似ているかは分かりません。自社の求人票だけを読み返しても、似ている文は自然に読めてしまいます。 - 欄ごとに社名入れ替えテストをかけ、通らない文に印をつける
社名を入れ替えても通じる文は、比べられたときに差として残りません。印のついた欄が、書き直す場所の一覧になります。 - 募集背景を「なぜ今・なぜこの人数」の1文に書き換える
3つの欄のうち、社内の事実だけで書けるのが募集背景です。候補者に取材する必要も、条件を変える必要もないため、最初に手をつけやすい場所です。
よくある質問
Q. 求人票で差別化できるのはどこ?
条件を変えずに書き換えられる「タイトルと冒頭」「募集背景」「合わない人」の3つです。給与や休日のように数字で並ぶ欄より、書き方の違いが比較に残りやすい場所です。
Q. 給与や休日で他社に勝てない会社でも差別化できる?
できます。条件は正確に書いたうえで、仕事の中身と募集の理由を、社名を入れ替えると通じなくなる具体さで書くことが差になります。
Q. 「合わない人」を書くと応募が減らない?
合わない人からの応募は減るかもしれません。ただ、合う人にとっては仕事の中身が伝わる一文になります。入社後に合わないと分かるより、応募前に分かるほうが双方の負担は小さく済みます。
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出典
doda(パーソルキャリア株式会社)「『何社受ける?』転職成功者の平均応募社数、書類や面接の通過率は?」2026年5月25日掲載・2025年4月〜2026年3月にdodaエージェントサービスを利用して内定を得た人のデータを元に算出 doda.jp



