AIで企業研究した転職者の87%が選考辞退──「AI検索で選ばれる」採用情報の整え方
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AIで企業研究した転職者の87%が選考辞退──「AI検索で選ばれる」採用情報の整え方

Branding, 2026.07.10 By 中村 尚人

応募が急に減ったわけでも、こちらでお見送りしたわけでもないのに、いつの間にか候補者が静かに消えている──そんな”気づけない離脱”に、心当たりはないでしょうか。

その引き金が、面接でも求人票でもなく、候補者がChatGPTに「この会社ってどう?」と打ち込んだ数十秒のやりとりだったとしたら。LANY社の調査では、AIで企業を調べた転職者の87.4%が、AIの回答をきっかけに応募や選考をやめた経験があると答えています(2026年4月調査・n=111)。

もう候補者は、わたしたちの知らないところで”AIに会社を紹介してもらい””AIに下調べを任せて”いるのかもしれません。だとすれば打ち手はひとつ、AIに正しく、そして魅力的に語ってもらえる会社になること。今日はその第一歩を、一緒に考えてみたいと思います。

LANY社の調査では、AIで企業研究した転職者(n=111)の87.4%が、AIの回答をきっかけに応募や選考を辞退した経験があると回答しました。

同じ層の94.6%はAIから「自分の知らなかった企業」を提案されており、候補者の企業選びの入口はAI検索へと動き始めています。

これからの採用は、自社の一次情報(採用サイト・採用広報)をAIに正しく魅力的に拾わせる「AI検索での見え方」づくりが、集客と魅力づけの新しい起点になります。

なぜ候補者は「何も言わず」消えていくのか

サイレント辞退とは、候補者が不満や辞退の理由を企業に伝えないまま、静かに選考から離れていくことです。従来なら「他社に決まって」「条件が合わず」と理由が返ってきましたが、いま増えているのは、企業がその理由に気づけないまま終わるパターンです。

LANY社(LANY LLMO LAB)が2026年4月に行った調査では、AIで企業情報を調べた転職者111人のうち、87.4%が「AIの回答をきっかけに応募や選考をやめた経験がある」と答えました。数十秒のやりとりが、面接に進む前の”最初のふるい”になっているわけです。母数は「AIで企業研究をした層」に限られますが、その層ではもう、AIが選考の入口に立っていると言えそうです。

KEY METRIC
87.4%
選考辞退の経験

AIの回答がきっかけの”サイレント辞退”
AIで企業研究した転職者(n=111)のうち、AIの情報をきっかけに応募や選考をやめた経験がある人の割合。理由が企業に伝わらないまま、面接前に離れていくケースが少なくありません。
出典:株式会社LANY「転職×AI実態調査」(2026年4月・n=111)

企業研究は「自分で検索する」から「AIに聞く」へ

なぜ、理由が伝わらないまま辞退が起きるのか。背景には、候補者の企業研究のやり方そのものが変わってきたことがあります。これまでは検索窓に社名を打ち込み、公式サイトや口コミを自分の目で読んでいました。いまはAIに「この業界のおすすめは?」「この会社の評判は?」と聞き、要約や比較をしてもらってから動く——そんな入り方が増えています。

COMPARISON
これまでの企業研究
自分で検索して読む
社名で検索 → 公式サイト・口コミ・求人票を自分で見比べる。企業は「自社ページに来てもらえれば」伝えるチャンスがありました。

AI検索時代の企業研究
AIに要約・比較してもらう
AIに質問 → 提案された数社を、AIの要約ごしに比較して絞り込む。自社ページに来る前に、AIの語り口で第一印象が決まります。

この変化には、明るい面もあります。同じ調査では94.6%が「AIから、自分の知らなかった企業を提案された」と回答しました。つまり、これまで指名検索されなかった無名の会社にも、AI経由で候補に入る入口が生まれているということ。知られていない企業ほど、AIに正しく載れば伸びしろが大きいとも読めます。一方で、AIに載らない・悪く語られると、面接どころか土俵にすら上がれない。そんな二面性が同時に進んでいます。

AIは何を根拠に、あなたの会社をどう語っているか

では、AIは何をもとに会社を語るのでしょうか。調査では、AIで企業を調べた人の92.8%が「ネガティブな情報を目にした」と答えています。AIは公式の一次情報が薄いと、まとめ記事や第三者の口コミを引いて答えを組み立てる傾向があり、そこにネガティブな声が混ざりやすいのです。

KEY DATA
AIから知らない企業を提案された
94.6%

AI検索でネガティブ情報を目にした
92.8%

出典:株式会社LANY「転職×AI実態調査」(2026年4月・n=111)。いずれもAIで企業研究した転職者ベース。

実際に辞退した人(n=97・複数回答)に引き金を聞くと、「他社と比較して不利な評価だった」が69.1%、「ネガティブな口コミや退職者の声を引用された」が40.2%と続きます。裏を返せば、自社の魅力や事実をAIが引ける形で置いておけば、比較の土俵で不利になりにくいということ。求人原稿や採用サイトの情報が古い・薄いままだと、AIは”外の声”のほうを頼りにしてしまいます。

ひとつ正直にお伝えすると、この調査を行ったLANY社はAI検索最適化(採用LLMO)を手がける会社で、対象も「AIで企業研究をした転職者111人」に絞られた小さなサンプルです。数字はやや幅を持って読むのが誠実だと感じています。それでも、「候補者が最初に会うのがAIになりつつある」という方向感そのものは、多くの採用担当者の実感とも重なるのではないでしょうか。

AIに正しく載るために、何から始める?

FAQ
Q
候補者は本当にAIで企業を調べているの?

A
少なくともAIを使う層では、企業研究の入口になりつつあります。今回の調査対象はAIで企業研究した転職者に限られますが、その中では94.6%がAIから知らない企業を提案されていました。まずは「自社の候補者はどう調べているか」を、面談などで一度聞いてみるのがおすすめです。

Q
まず何を整えればいい?

A
自社が一番正しく語れる一次情報(採用サイト・採用広報)を、事実ベースで具体的に厚くすることからです。AIは公式の一次情報を裏取りに使う傾向があり、数字や具体的な言葉で書かれた情報ほど引用されやすくなります。古い実績や曖昧な表現の更新から始めてみませんか。

Q
採用サイトを直せばAIに良く出る? 第三者の情報は?

A
一次情報の整備は土台ですが、それだけでは足りないこともあります。AIは第三者メディアや口コミも参照するため、誤解されやすい点には公式で事実をもって応え、社員の声やインタビューなど外部で語られる機会も少しずつ増やしていく——この両輪が効いてきます。

C
Coachers編集部
HRブランディングの観点から

今回の話は「SEOの延長」というより、候補者が最初に会う相手が、人でも求人票でもなくAIになったという接点の変化だと感じています。面接や説明会にたどり着くずっと手前で、印象の下地ができてしまう。だからこそ、その下地を放置しないことが大事になってきました。

言いかえれば、AIは”いま一番忙しい採用広報担当”のようなものかもしれません。HRブランディングの視点で見ると、採用サイトの情報設計を事実で厚く整えておくことは、候補者だけでなくAIにも正しく引用してもらうための土台になります。魅力を「盛る」のではなく、「正しく・具体的に置いておく」だけでも、語られ方は変わっていきます。

わたしたちCoachers自身も、日々AIに情報を委ねる場面が増え、同じ課題の前に立っています。今回の数字はAI利用層n=111という小さな調査で、断定はできません。それでも入口が動いている手応えは確かにあります。まずは”自社をAIに一度聞いてみる”ことから、一緒に始めてみませんか。

ACTIONS
自社をAIに聞いてみる
ChatGPTなどに「(自社名)ってどんな会社?」「(業界)でおすすめの企業は?」と入力し、何が出てくるか・出てこないかを確認してみましょう。現状把握が最初の一歩です。

一次情報を事実で厚くする
採用サイトや採用広報で、古い・薄い・曖昧なままの箇所を、具体的な数字や言葉に更新します。AIが裏取りに引ける形にしておくのがポイントです。

誤解されやすい点に事実で応える
口コミやまとめで曲がって伝わりやすい点を、公式で正直に説明するページや記事を用意します。ネガティブを隠すのではなく、事実で上書きする発想です。

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Coachersは、求人広告・採用サイト・採用ブランディングを通じて、候補者にもAIにも正しく魅力が伝わる採用情報づくりをお手伝いしています。「自社がAIにどう映っているか気になる」段階からでも、お気軽にご相談ください。

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中村 尚人

中村 尚人 取締役 / ディレクター

新卒で株式会社日立製作所に入社。2021年にCoachers立ち上げメンバーとして参画。採用関連のクリエイティブやマーケティングの戦略設計、ディレクションを担当。

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