「20代の中途採用」と一口に言っても、社会人2年目と5年目では、会社を離れたい理由が違います。同じスカウト文面を両方に送っているなら、どちらかには響いていないかもしれません。
学情が2026年8月に20代の転職希望者へ聞いた調査では、職歴3年以上の「ヤングキャリア」の転職理由1位は「給与・年収アップ」で48.1%。職歴3年未満の「第二新卒」では「会社の風土や考え方が合う企業で働きたい」が33.0%で1位でした。
この記事では、20代の中途採用を職歴3年で分けて考える理由と、スカウト文面の一文目を書き分ける型と記入例、返事を待つ時間の考え方をまとめます。
20代の中途採用とは?第二新卒とヤングキャリアの違い
20代の中途採用は、職歴3年未満の「第二新卒」と、職歴3年以上の「ヤングキャリア」に分けて考えると、打ち手を選びやすくなります。
企業側の調査も見ておきます。2026年3〜4月に人事担当者295件へ聞いた学情の調査では、キャリア採用の対象年齢は「20代後半」85.8%、「30代前半」80.0%、「20代前半」68.7%の順でした。
20代のキャリア採用を実施している企業が求める経験は「採用するポジションで活かせる経験」38.8%が最多で、同社は「同業界・同業種での経験」23.2%と合わせて6割超としています。
多くの会社が、ある程度の経験を積んだ20代を探しています。ただ、その20代の側は、職歴によって会社を離れる理由が違います。
20代の転職理由は、職歴3年で1位が入れ替わる
20代の転職理由は、職歴3年を境に1位が入れ替わります。ヤングキャリアは給与・年収アップ、第二新卒は風土や考え方が合う企業で働きたい、が最多です。
回答者は20代専門転職サイト「Re就活」の来訪者です。
ヤングキャリアでは「給与・年収アップ」48.1%が突出し、「ライフステージの変化」23.1%、「職場の人間関係に不満」19.2%が続きました。
第二新卒では「会社の風土や考え方が合う企業で働きたい」33.0%が1位です。2位は「残業を減らしたい、休日を確保したい」25.8%で、「給与・年収アップ」は22.7%でした。
前年の調査では、第二新卒も「給与・年収アップ」32.5%が1位でした。調査元は、初任給を引き上げる動きが広がったことも一因と考えられるとしています。
転職で実現したいことでは、ヤングキャリアは「給与・年収が上がること」57.7%が1位でした。第二新卒は「希望する仕事内容に従事できること」42.3%が1位です。
ただし第二新卒の2位は「給与・年収」41.2%で、1位との差は1.1ポイントです。第二新卒も給与に関心がないわけではなく、辞める理由の1位が給与ではない、と読むのが正確です。
有効回答186件の調査なので、細かな差よりも「職歴で1位が入れ替わる」という傾向として読むのが安全です。
スカウト文面の一文目はどう書き分けるか
20代へのスカウト文面は、一文目でヤングキャリアには年収の上がり方を、第二新卒には働き方と職場の事実を書くと、それぞれの転職理由に沿った入り方になります。
スカウトを読み進めるかどうかを、一文目で決める人も少なくないはずです。相手の転職理由と関係のない会社紹介から始まると、その先を読まれないかもしれません。
ヤングキャリアに給与を書くなら、年収の幅だけでは他社と横並びです。今の経験をどう評価し、入社後に何で上がっていくのかまで書くと、比べる材料になります。
第二新卒に社風を伝えるなら、「風通しがよい」のような言葉より、残業時間の実績や休日、配属先の人数といった、相手が確かめられる事実に置き換えます。
① ヤングキャリア向け:〈相手の職種と経験年数〉のご経験を拝見し、ご連絡しました。当社では〈その経験が活きる仕事〉をお任せする想定で、年収は〈金額の幅〉、〈昇給を決める仕組み〉で上がっていきます。
② 第二新卒向け:〈相手の職種と経験年数〉のご経歴を拝見し、ご連絡しました。配属予定のチームは〈人数〉で、残業は〈月の実績〉、休日は〈休日の形〉です。
記入例(架空):① 法人営業5年のご経験を拝見し、ご連絡しました。当社では既存顧客30社の担当をお任せする想定で、年収は480万〜560万円、半期ごとの評価面談で昇給を決めています。② 販売職2年のご経歴を拝見し、ご連絡しました。配属予定のチームは6名で、昨年度の残業は月平均12時間、休日は土日祝です。
返信を文面の外側から見直す話は「スカウト返信率、決め手は文面の外側──9割超が返信前に採用サイトを見る」にまとめています。
20代が転職の相談に身構える理由は「20代の中途採用、96.8%が転職相談に身構える── “押さない” 接点のつくり方」にまとめています。
20代はいつまでに転職したいのか
20代の転職希望者は、職歴にかかわらず「3か月以内」に動きたい人が多く、第二新卒では55.7%、ヤングキャリアでも48.0%でした。
「1年以内」まで広げると、第二新卒74.3%、ヤングキャリア63.4%です。スカウトを送って返事を待っている間にも、相手の転職活動は進んでいます。
違いが出るのは急ぎ方です。第二新卒は「できるだけ早く」36.1%が最多で、ヤングキャリアは「できるだけ早く」と「いい企業があれば」が28.8%で並びました。
早く動きたい第二新卒には、面談の候補日をすぐ出せることが効くかもしれません。見極めたいヤングキャリアには、比べるための材料を先に渡すほうが合っていそうです。
20代の採用が進まないと、「若手の母数が少ないから」と考えがちです。ただ、職歴3年の前後に同じ文面を送っているなら、母数より先に、書き分けていないことが返信を減らしている可能性があります。
残業の多さと社風への違和感から転職を考え始めた入社2年目の人が、御社のスカウトを開いたとします。一文目が「年収アップを実現できます」なら、悩みには触れていません。その人が知りたいのは、次の職場で同じことが起きないかどうか、かもしれません。
わたしたちが20代向けのスカウトや求人を見直すときも、まず相手の職歴で2通りに分けます。伝える会社の魅力は同じでも、先に見せる事実の順番を変えるだけで、読まれ方は変わります。
今日からできる3つ
- 20代へのスカウト対象を職歴3年で2つに分ける
媒体の検索条件で経験年数を分け、送る文面を2本にします。1本にまとめると、どちらの転職理由にも半分しか触れない文面になりがちです。 - 一文目に入れる事実を、職歴ごとに1つ決める
ヤングキャリアには年収の幅と上がり方、第二新卒には残業時間の実績や休日です。転職理由の1位が違うので、先に見せる事実も変えます。 - 返信から面談の候補日を出すまでの時間を決める
20代の転職希望者は、3か月以内に動きたい人が多くいます。返信があった日に候補日を出せるよう、面談の枠を先に押さえておきます。
よくある質問
Q. 20代の中途採用で、企業はどんな経験を求めている?
学情の2026年の企業調査では、20代のキャリア採用で求める経験は「採用するポジションで活かせる経験」38.8%が最多で、学情は「同業界・同業種での経験」23.2%と合わせて6割超としています。
Q. 第二新卒とヤングキャリアは何が違う?
この記事で引いた調査では、職歴3年未満を第二新卒、職歴3年以上をヤングキャリアと分けています。転職理由の1位も、第二新卒は風土や考え方が合う企業で働きたい、ヤングキャリアは給与・年収アップと異なります。
Q. 第二新卒へのスカウトには給与を書かなくていい?
書かなくてよいわけではありません。同じ調査で、第二新卒が転職で実現したいことの2位は「給与・年収」41.2%でした。給与を省くのではなく、一文目は働き方や職場の事実にし、給与は続く本文で具体的に示す、という順番の工夫です。
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出典
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