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スカウト返信率、決め手は文面の外側──9割超が返信前に採用サイトを見る
「スカウトを送っても、返信が来ないんです」——そう相談をいただいたとき、まず見直されるのはたいてい文面です。件名を変える。冒頭3行に「なぜあなたに送ったか」を書く。長すぎる本文を削る。わたしたちも、何度もその作業をご一緒してきました。
ただ、ある調査を読んで、順番が逆かもしれないと思ったのです。スカウト媒体を使って転職した2,000人のうち、9割超が、返信する前に企業のサイトを開いていました(株式会社ベイジ、2025年11月調査)。
つまり返信するかどうかは、文面を読み終えた時点ではまだ決まっていない。では候補者は、そのあと何を見て決めているのでしょうか。文面の”外側”に何を置けばいいのか、一緒に考えてみたいと思います。
出典:株式会社ベイジ「転職におけるスカウト媒体の利用実態調査2025年度版」(2025年11月27〜28日実施・n=2,000/スカウト媒体を利用して転職した経験のある人)
スカウトの返信率は、文面の書き方だけで決まるのでしょうか
結論から言えば、文面は「最初の関門」であって「最後の関門」ではないようです。同じ調査で、返信を検討するときに確認した情報を聞くと、最も多いのはスカウトメッセージの内容(54.9%)。文面が大事なことは、数字のうえでもはっきりしています。ただ、その下に媒体内の求人票(45.3%)、企業の採用サイト(36.25%)、コーポレートサイト(30.8%)と続く。候補者は文面を読んだあと、会社そのものを見に行っているわけです。
なお、この設問で採用サイトを挙げた人は36.25%ですが、別の設問で「返信前に採用サイトを見たか」を直接聞くと9割超になります。意識して比較材料にした人が3〜4割、軽く開いた人まで含めると9割超——そんな二層で読むのが実態に近そうです。
出典:株式会社ベイジ「転職におけるスカウト媒体の利用実態調査2025年度版」(2025年11月・n=2,000)
ちなみに文面そのものについては、71.3%が「短くて簡潔な文章」を選んでいます(「長くて丁寧な文章」は28.7%)。丁寧に書き込むほど伝わる、とは限らないのかもしれません。短い文面で興味を持ってもらい、詳しいことは会社のページで読んでもらう——そういう役割分担のほうが、候補者の読み方に合っている気がしています。
候補者は返信の前に、どこを見ているのでしょうか
見に行った先で、何が起きているか。同調査では、採用サイトを閲覧した人の74.5%が「その閲覧が返信の判断に影響した」と答えています。逆に「あまり/まったく影響しない」は合わせて5%未満でした。届いたスカウトへの返信は、文面と会社のページの合わせ技で決まっている、と読めそうです。
出典:株式会社ベイジ「転職におけるスカウト媒体の利用実態調査2025年度版」(2025年11月・n=2,000)
あわせて見ておきたい数字もあります。同じ調査で返信を判断するときに重視した点を聞くと、最多は年収・待遇条件(35.9%)、次いで仕事内容の適合性(30.4%)、勤務地・働き方(25.5%)。条件面の比重は依然として大きく、サイトを整えれば返信が倍になる、という単純な話ではなさそうです。それでも「条件が近い数社のうち、どこに返すか」を分ける材料としては、確かに働いている——ベイジの調査からは、そのくらいの温度感で受け止めるのがよさそうだと感じました。
採用サイトのどこから直せばいいのでしょうか
全面リニューアルの話ではありません。同調査で「返信に影響した」と挙がった採用サイトの特徴は、具体的な情報が多い(38.25%)、募集要項がすぐに見つかる(34.0%)、都合の悪い情報も正直に掲載している(32.85%)の3つ。どれもデザインや構造の刷新ではなく、載せる中身と導線の話です。今週できることに落とすと、こんな順番になりそうです。
この調査は2025年11月の実施なので、数字そのものは今と少しずれているかもしれません。スカウトの通数はその後も増えている印象があり、「返信前に会社を調べる」動きはむしろ強まっている可能性もあります。一方で、声をかけられた側が相手を調べてから返事をする——という順番自体は、時代が変わっても動かない普遍的なものではないかとも感じています。
御社のスカウトを受け取った人は、たいてい同じ日に他社のスカウトも受け取っています。通勤電車で件名だけを流し読みして、少し気になった会社の名前を検索窓に入れる。返信するかどうかは、その検索のあとに決まっている——調査の数字は、そう読めます。
そこで開いたページに「風通しの良い社風」「成長できる環境」しか書かれていなければ、候補者の目にはおそらく”何も書いていない”のと同じに映ります。逆に、繁忙期の実情や、これから整えたい制度が正直に一行あるだけで、その会社は急に輪郭を持ちはじめる。わたしたちが現場で見てきた候補者も、そういう一行をよく覚えていました。
スカウトの返信率を、媒体の運用テクニックの話だと捉えると、打ち手は文面の中だけに閉じてしまいます。けれど実際には、文面・求人票・採用サイト・コーポレートサイトが、候補者の頭のなかで一続きの印象になっている。この「どこから触れても同じ会社に見える」状態をつくることが、HRブランディングだとわたしたちは考えています。
採用サイトの情報設計という視点で見ると、直すべき場所は意外と少ないことも多いです。スカウトから着地する1枚を決めて、そこに具体と正直さを足す。それだけでも、送っている文面の意味は変わってくるかもしれません。わたしたちCoachersも、自社の採用ページを同じ目で見直しているところです。
- 転職におけるスカウト媒体の利用実態調査2025年度版(株式会社ベイジ)/2025年11月27〜28日実施・n=2,000 https://baigie.me/recruit-blog/2025/12/22/scout-survey-2025/
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