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採用広報の”きれいごと”を求職者34.2%が敬遠──具体と正直で伝える書き方
「アットホームで風通しがよく、若手も活躍中」——自社の求人ページや採用サイトにある、こんな一文。候補者はこれをどう読んでいると思いますか。
もしかすると、読んだ瞬間に「たぶん、いいことしか書いていない」と、静かにタブを閉じられているかもしれません。2026年1月の求職者調査では、応募や内定承諾を見送った理由に「定型的できれいごとのように感じた」が34.2%も挙がっていました。
候補者が生成AIやクチコミで裏を取る時代、飾った言葉はむしろ不信を生むのかもしれません。では、何をどう書けば「信じて応募したい」と思ってもらえるのか。わたしたちCoachersも日々悩みながら、一緒に考えてみたいと思います。
なぜ”きれいごと”は逆効果になるのか
株式会社ファングリーが2026年1月に実施した「採用広報に関する意識調査」(2025年1月以降に就職・転職活動をした全国の求職者412名が対象)では、応募や内定承諾を見送った理由が、次のように並びました。数字を見ると、候補者は”内容の薄さ”を意外なほど正確に見抜いているのが分かります。
1位の「実態がわからない」(46.1%)は、裏を返せば具体的な情報が足りていないということ。そして2位・3位の「定型的できれいごと」(34.2%)「抽象的で魅力が伝わりづらい」(29.6%)は、言葉そのものの中身の薄さを指しています。つまり、応募を止めているのは”魅力がないこと”ではなく、”魅力が伝わっていないこと”かもしれない、というわけです。
背景には、候補者の情報行動の変化があります。同じ調査では、72.8%がSNS・クチコミサイトで裏取りをし、7割超が生成AIの回答も参考にしていました。整った言葉を並べるほど、候補者は「他の情報源で本当かどうか確かめよう」と身構える。飾りは、いまや”照合される前提”の時代に入っています。
同じ職場でも、書き方でここまで変わる
では「具体的に、正直に」とは、実際どういう文章なのでしょうか。同じ職場を紹介する2つの求人文を並べてみます。左は多くの企業で見かける定型文、右はそれを”場面”に翻訳し、大変さも一言添えたものです。
ポイントは、右側が特別に”良い会社”を書いているわけではない、という点です。事実は同じ。違うのは、抽象語を具体的な場面に置き換え、都合の悪いことも一文だけ正直に添えたこと。この小さな差が、「照合しても崩れない情報」として候補者に届きます。ちなみに同じ調査では、企業に発信してほしい情報として「社風」を挙げた人が40.3%。社風こそ、抽象語で終わらせず”場面”で語りたいテーマです。
“きれいごと”を具体に翻訳する4ステップ
とはいえ、いきなり全文を書き直すのは大変です。まずは1つの求人票、1ページからで十分。次の順番で見直すと、抽象的な言葉が少しずつ”場面”に変わっていきます。
4つとも、特別な予算や制作会社がなくても、今日から手を動かせることばかりです。大事なのは完璧に書き切ることより、「これは自社にしか書けない一文か?」と一度立ち止まる習慣かもしれません。
生成AIが整った文章をいくらでも量産できる時代になって、逆説的に価値が上がったのは「AIには書けない一文」だと感じています。具体的な場面、少しの正直さ、その会社ならではの手ざわり——候補者が”照合”を前提に読むようになったからこそ、飾りのない情報が信頼の通貨になっていく気がします。
この他にも、例えば採用サイトに関する統計を眺めていると、「内容が薄いと志望度が下がる」といった内容もよく目にします。定型文の薄さを見破られたり、実際はそんなことなくても薄くなってしまうのはNG。
これはまさにHRブランディングの入口の話でもあります。求人広告の原稿を一行見直すだけでも、「誰にでも当てはまる言葉」を「自社にしか書けない場面」に変えられる。その積み重ねが、他社との違いをつくっていくのだと思います。
- 株式会社ファングリー調べ「【2026年版】採用広報に関する意識調査レポート」 https://fungry.co.jp/news/2026-recruitment-pr-awareness-survey/
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